今回はXiaomiの最新フラッグシップ級スマホ Xiaomi 11Tをレビューしたいと思います。HUAWEIの没落後、着実にシェアを伸ばしていったXiaomiですが
これまで日本ではエントリーやミドル帯を中心にスマホをリリースしてきました。そして今回ついに"ハイエンド級"と銘打ってこれまで日本市場では手つかずだったハイエンド帯のプロダクトをリリースしてきました。
Xiaomi 11TシリーズはPRO版と無印版の2つがあり、今回私が購入したのは若干のデグレードが入りながらもコスパの良い無印版です。
今回の11TシリーズはまさにXiaomiが日本市場に対して本気を出してきており、品質と価格のいい意味でのアンバランスがさすがXiaomiといった端末になっています。実際に1週間程使用した結果をレビューしたいと思います。
Xiaomi 11T PRO (Snapdragon888+Felica)
Xiaomi 11T スペックハイライト
まずはXiaomi 11Tのアウトラインをご紹介します。
- Dimensity 1200-Ultra 採用 Antutuは60万点台をマーク
- 120Hzのハイリフレッシュレート 有機ELディスプレイ
- 5000mAh大容量バッテリー 67Wの超急速充電対応
- 1億800万画素 メインカメラ
- 54,800円
まさに要所要所を抑えたスペックといった感じで、構成自体はまさにハイスペック。それでいて価格は54,800円と絶妙な価格設定になっています。その他のメーカーの半端なミドルスペックスマホを買うぐらいならば、確実にこのXiaomi 11Tをオススメします。
PRO版との違いは?
かるく11T PROと無印の違いもご紹介します。以下は11T PROのみ特徴です。
- Felica対応・おサイフケータイ対応
- SoCがSnapdragon888(デチューン版)
- ディスプレイ評価 A+
- ハーマン・カードンスピーカー
- 8K 30fpsビデオ撮影
- 69,800円
一番大きなのはFelica対応。これはまぁ一番の目玉ですね。それ意外に関して言うとSoCが最上位のSnapdragon888を採用していますが、これに関しては発熱を回避するためにデチューンをされているようで、スペック的に大きく差が無いですね。その他細かい部分も差はありますが、Felicaに約15,000円の価値を出せるかで選択するのが良いのでは無いでしょうか?
Xiaomi 11T デザインチェック 万人受けの良いシンプルにカッコいいデザイン
まずは本体を見ていきましょう。私が選んだのはメテオライトグレーというカラーで、この他ムーンライトシルバー・セレスティアブルーという3色展開です。メテオライトグレーのみ背面がヘアライン調になっており、表面の仕上げはツルツルとしています。この厳ついギラギラ感に吸い寄せられるように買ってしまいましたw 背面は金属のようになっていますが、ガラスです。カッコいいんですが指紋が死ぬほど付きますね…
カメラユニットは上から
- 800 万画素超広角カメラ
- 500 万画素テレマクロカメラ
- 1億800万画素 広角カメラ
という構成になっています。カメラ横にはオーディオズームに対応したマイクがあります。カメラユニットを強調したデザインも昨今のフラッグシップスマホのようでカッコいいですね。
本体フレームはアルミが使われています。上部のみ材質が切り替わっており、そこにスピーカーとおなじみIRブラスターが付いています。スピーカーはDolby Atmosに対応した高音質スピーカーです。底面はSIMスロット、マイク、Type-C、スピーカーが並んでいます。
右側面は音量ボタンと電源のみ。左側面は何もついていません。
ディスプレイは120hzのハイリフレッシュレート駆動に対応した有機ELディスプレイです。この価格でこの構成は本当に魅力的です。
6.67インチでかなり大柄なスマートフォンではあるんですが、本体の厚みは薄く重量もわりと軽い部類に入ると思います。ちなみにおなじみクリアケースと初期フィルムがしっかり着いています。
高さ | 164.1 mm |
幅 | 76.9 mm |
厚さ | 8.8 mm |
重量 | 203 g |
本体の質感も上々で、ハイエンド級の端末を所有しているという感覚はしっかり持たせてくれますね。スペックも大事ですが、こういった所有感もハイスペには必要な要素だと私は思います。
Xiaomi 11TはDemensity 1200-Ultraを採用 Antutuは60万点オーバー
Xiaomi 11TはDemensity 1200のカスタマイズであるUltraを採用しており、Antutuスコアで言うとおおよそ60万点台を叩く優秀なSoCです。ただ、今期ハイエンドは70万点~80万点程が主流で、この数値は結構控えめな数値だと思います。そういった意味でこいつはハイエンドでは無く"ハイエンド級"という表現になっています。
ちなみに、PRO版はSnapdragon888を搭載していますが、発熱対策のためにデチューンが施されておりAntutuスコアは66万点程にまで落とされているようです。そうなると数字的なインパクトは弱いですね。
使い心地はハイエンド級そのもの
記事用 Xiaomi 11T
このぐらいのスペックになってくると動作感は差があるんだろうか? pic.twitter.com/pthl4sDqjY— ZAKI LABOガジェットレビュー (@ozakizaki1) December 1, 2021
ただし使い心地はハイエンド端末と何ら遜色無いです。メイン端末として余裕で使っていけるスペックですし、何よりこのスペックと価格のバランスがとても良いと感じます。指紋認証や顔認証といった基本的な動作はフラッグシップスマホのそれと何ら変わりません。
記事用 pic.twitter.com/vgEGmQZfBb
— ZAKI LABOガジェットレビュー (@ozakizaki1) December 1, 2021
Xiaomi 11Tは120hz駆動の有機ELディスプレイ搭載
Xiaomi 11Tは最大輝度1000nitに達する高品質な有機ELディスプレイを採用しています。リフレッシュレートも最大120hzで上位レベルの実装と言えます。
PRO版はDisplayMateというディスプレイ評価機関においてA+という評価を得ている事をウリとしていますが、無印版のディスプレイが劣っているかというとそんな事はありません。十分に高精細なディスプレイを採用しています。
←Xiaomi 11T : Redmi K40(DisplayMate A+)→
- 視野角ともに互角
- 同等の水準
ちなみに同じくDisplayMateにてA+評価を得たRedmi K40(Samsung製のE4ディスプレイ)と並べて見ても正直、差はわかりません…。
(ただしK40のディスプレイは屋外での使用でくっきり感が高いように個人的には感じます。)
AdaptivSyncによる可変フレームレート
リフレッシュレートは一律120hzでは無く、コンテンツによって自動で切り替わります。ホームUIやブラウジングなどのスワイプ・スクロールがメインのコンテンツでは最大の120hzで駆動するのに対して、動画視聴アプリなどでは60hzに切り替わる事で余計なバッテリー消費を抑えてくれます。
ホーム画面でリフレッシュレートが落ちてくれない?
検証して気づいたんですが、前回レビューしたPOCO X3 GTではホーム画面で一定時間静止していると、自動で50hzまで下がっていたんですが、今回のXiaomi 11Tではどれだけまっても120hzのままでした。これは液晶とAMOLEDの違いによる挙動なんでしょうか?まぁ普段使いには何ら影響は無いんですがバッテリー持ち的には静止時は下がってほしかったなという感じ。
Xiaomi 11TはDolby Atmosに対応した高品質スピーカー搭載
Xiaomi 11TはDolby Atmosに対応した高品質なスピーカーを搭載しています。一方、PRO版はハーマンカードン製のスピーカーを採用し、そこで差別化されていますね。
んで、実際に聞いてみた感じなんですが、凄く難しい…。比較としては高音質だと思ったRedmi K40と比較したんですが、若干音の広がりみたいなのが弱いような…。といっても本当に僅差なんです。格付けチェックぐらいの難しさがありますwもちろん基本的に高音質です。Dolby Atmosのサウンドイコライザー機能も搭載しているので、豊かな音を楽しめます。
Xiaomi 11TはWideVine L1対応 アマプラもバッチリ対応!
WideVine L1に対応しているので、動画サブスクでの高品質のストリーミングにしっかり対応しています。
一部海外製Xiaomi端末のようにL1なのにアマプラが非対応という事もありません。アマプラもしっかり最高画質が選択出来ます。
- Amazonプライム
- Netflix
Xiaomi 11Tは67Wの超急速充電に対応
Xiaomi 11Tは67Wの超急速充電に対応しています。ちなみにPRO版は120Wの充電に対応しています。もうなんかそのレベルまでくると逆に怖いですw
昨今の環境配慮という名のもとにメーカーの都合で省かれる充電器ですが、Xioaimi 11Tではしっかり67Wの独自企画充電器が付属します。ウリにしているならば付けないとおかしいですもんね。5000mAhと大容量ながらわずか36分で満充電をする驚異的なスピードです。もし夜に充電を忘れても朝の身支度時間で充電が済んでしまうスピードです。
実際に残量20%から100%満充電までの時間を図ってみました。
計測開始時 | 20% |
計測 15分経過 | 70% |
計測 25分経過 | 100%完了 |
まず、充電開始後15分で70%まで充電されているのがやはり驚きますね。その後、10分程で100%の満充電が完了しました。合計25分。
充電器側もほんのり温かい程度にはなっていました。
私がメインで使っているGalaxy S21 Ultraは最大で25Wまでしか対応していません。おそらく来期移行のハイエンドでは超急速充電への対応の有無がトレンドになってくるんじゃないかな?個人的には思っています。それぐらい充電速度は使い心地に直結する要素になってきていますね。
Demensity 1200 Ultraのゲーミング性能
スペック的には先に紹介したPOCO X3 GTが結構近いんですが、実際のゲーミングパフォーマンスはどうでしょうか?
似たようなSoC(Demensity1100と1200U)なんであんまり差は無いかな?と思いきや、ゲーム側の最適化もあって結構差がありました。
それぞれ人気ゲーム毎に結果を見ていきましょう。
POCO X3 GTのゲーム性能比較も合わせてどうぞ。
原神
まずは原神。Demensity1100のPOCO X3 GTは起動直後こそヌルヌルと動いていましたが、プレイ後15分ぐらいあたりから本体の発熱ととも、画面のカクつきなどが見られました。Xiaomi 11Tでも同様に最高画質+60FPSで検証してみました。
実際の動作感に関してはPOCO X3 GTと変わらずヌルサクプレイが可能でした。そして、比較して発熱が明確に少ないです。
本体材質の差もあるのか、30分程プレイしても人肌よりちょっと熱いぐらいの範囲で収まっていました。その恩恵か、熱による処理の低下は感じず、快適にプレイ出来たと感じます。たまにカメラを降った時にオヤ?!と思う瞬間はありますが、そこから描画がドロップする事も無いです。
Demensity 1100を搭載したPOCO X3 GTと比較し、Demensity1200-Ultraを採用したXiaomi 11Tのほうが原神は向いていると思います。
CoDモバイル
CoDモバイルに関して、POCO X3 GTではフレームレートのウルトラ設定(120FPS)が可能だったため、その他のハイエンド機種と比較しても快適に動作していましたが、価格や立ち位置的にも上位グレードのはずのXiaomi 11Tが何と未対応との事で。最高画質での動作はもちろん可能ですが、やはりFPSは画質よりも描画レートが高い方が有利なんでこの比較に置いてはXiaomi 11Tが明確に劣っています。
この件については明確にゲーム側が対応するかしないかという感じですね。スペック的には全然問題無いはずなんで。
ウルトラ設定対応端末は、今後も増えていくのでXiaomi 11Tが対応されるのを待つ必要がありますね。
プロセカ
Xiaomi Pad 5や一部のMIUI端末で音ゲーに弱いと言われていましたが、最近はプロセカ側のMIUI最適化が進んだようで、こちらも何の不満も無くプレイする事ができました。POCO X3でも何も問題もありませんでしたが、Xiaomi 11Tも全然大丈夫ですね。
発熱は控えめに
一番感じたのは発熱の少なさ。今回の検証で上記3つのゲームを立て続けにプレイしましたが、最終的に人肌よりちょっと熱い程度で収まりました。
体感的な意見になりますが、Snapdragon870を搭載したRedmi K40に近い感覚した。同じDemensityでも1100と1200Ultraでは結構差が出るものなんですね。
Xiaomi 11Tは108MPのメインカメラ搭載 その実力は?
Xiaomi 11Tがハイエンドに入らないもう一つ大きな要素としてはカメラ性能についてです。有効画素数こそ1億800万画素というインパクトある数字ですが、採用するセンサーはSamsungのHM2というミドルグレードのセンサーを採用しています。それと合わせてDemensity1100のグラフィック処理などもあって、その他カメラ特化スマホと比較するといまいちパッとしないレベルで収まっています。
今回の撮影では、前回紹介したPOCO X3 GTと同日に撮影をしたわけですが、正直カメラの性能はそこまで大きく差があるようには感じないですね。
1億画素特有の高精細さはあるものの、発色や、撮影後の自動補正などそういった部分が弱いと感じます。


Xiaomi 11TとPOCO X3 GTでやはりディティールは11Tのほうがくっきりしていますが、劇的に違うか?と言われれば微妙ですね。


圧倒的に差のあるGalaxy S21 Ultraとの比較です。まさに雲泥といった感じで…。でも実際にはちょっと曇り空だったんで、リアルなのはXiaomi 11Tなんです。
1億画素モードで撮った写真の端っこを拡大してみた結果です。解像度がべらぼうに高いのでここまで拡大しても普通に耐えるのはさすがです。
暗めだと赤が強めに補正されてしまう傾向?
気になったんですが、明るさが不十分な場合例えば曇り空などの下で撮った場合に、なんか赤(暖色系)が強めにかかりますね。ソフトウェアで無理に彩度をあげようとして起きているように思います。
夜景
夜景に関しては同日にPOCO X3 GTも撮影したので比較でご覧ください。
Xiaomi 11Tは1億800万画素の恩恵か、ディティールが細かく出ていると思います。シャープでくっきりしているのでぱっとみた印象はXiaomi 11Tのほうが綺麗に撮れているな!と感じます。


Xiaomi 11Tではディティール潰れも少なく、シャープに写っていると思います。また明るさの補正もいい感じに処理されているように思います。


POCO X3 GTではちょっとユワンユワンしてると表現したんですが、それはこのXiaomi 11Tと比較して感じた所です。11Tのほうがやはりくっきりしています。


光源が少ない所での撮影結果です。同じ1億画素ながら、センサーやSoC・ソフトウェア補正の力でここまで差がでます。すごすぎるだろGalaxy…!やっぱGalaxyはハイエンドだなとわかる1枚です。ソフトウェアの力も一流だからこそでしょう。Xiaomi 11Tのカメラ性能はミドルハイ程度だと思います。
フードモード
意外な事に「フードモード」は無かったです。AIが自動で判別してるかもしれませんが、使用者にわかるようにフードモード・食事という括りは無いですね。
基本的に赤系統が強く出るのもあってか、食べ物は結構美味しそうに写ってるかなと思いますがどうでしょうか?
ポートレート撮影
ポートレートは屋外だと力を発揮しますね。とても雰囲気の出ている写真が撮れたかと…。一方室内でのモノ撮りなどではぼかしの堺がすごく不自然なんであまり向いていないですね。
まとめ 癖のない優秀な端末 まさにハイスペックではあるがハイエンドでは無い
今回のXiaomi 11Tは正直、ハイエンドという括りで紹介するのは違うなと感じました。特出したようなカメラ性能も無く、処理性能も高いとは言えハイエンドと言うには少し物足りなさも感じます。ハイスペックとは行かず、ミドルハイよりも上。そんなとても微妙なラインにいる端末だなと感じます。
しかし癖の無い分、多くの人に進められる良機種とも言えます。カメラは平均以上であれば良いという方であれば、Xiaomi 11T以上の選択肢は無いとも思います。上位機種にあたるPRO版にも同じ事が言えます。Felicaという最大の差別化ポイントを抜いた場合、Snapdragon888やハーマンカードン、DisplayMate基準といった項目はさほど大きな差では無いのでは?とも感じます。
どちらにせよ、今回のXiaomi 11TシリーズはSIMフリー端末においては鉄板のチョイスである事には変わりありません。
Xiaomi 11T PRO (Snapdragon888+Felica)
OCNモバイルと組み合わせると3万円という投げ売り価格に
SIMフリーとして54,800円も十分に価格破壊ではありますが、OCNモバイルのMNPやセールなどで32,000円で買えてしまう事でも注目をされました。
私もOCNモバイルで回線契約込みで購入をしています。3万円という価格であれば、Xiaomi 11Tは今期日本で正式流通したスマートフォンの中でもっとも価格と性能が良い意味でアンバランスな機種といえると思います。Redmi Note 9S、Mi11Lite 5Gに続く新しいコスパ最強鉄板端末としてXiaomi 11Tは多くの人にオススメ出来るスマートフォンだと思います。
OCNモバイルOne とセットで買うのが一番最安値(SIM運用を含めても)
海外向け製品にも目を向ければ、これよりもコスパの高いスマートフォンはあります、例えば、Redmi K40や前回紹介したPOCO X3 GTなどはあるんですが、国内で正式に発売されているという点が大きく、今「なにかオススメなスマホは?」と聞かれれば真っ先に答えるのはXiaomi 11Tでしょう。
お金に余裕があるのであれば、FelicaとSoCが上位のPRO版をオススメしますが、スペック的な差は無印とは大きくありません。