今回はLenovoの Legion Y700をレビューします。
なんとSnapDragon 8+ Gen 1を搭載しながら4万円台で買えてしまうまさに神タブレットでしょう。さらに、ADBコマンドから簡単にUIを日本語化できてしまうというオマケ付きで、かなり注目度が高いプロダクトです。
スペックはゲーミンググレードで、SOC、ディスプレイ、サウンド、バッテリーとハイエンドにも匹敵するスペックを持っています。ここ最近、中華タブレット界隈では8インチがこぞって発売されているわけですが、そのブームを作りだしたのはまさにLegion Y700で、今回はY700の2023年版です。中途半端な8インチを買うよりも、絶対にLegion Y700を買った方がよいと断言出来ます。
また、日本版はNEC Lavieタブとして発売しましたが、まさかの価格が倍に…。流石にメガテンになりましたが
今回はしばらく使った感想をお伝えします。
Legion Y700 スペック概要
まず一番の特徴は8.8インチ 2.5Kの解像度をもったコンパクトサイズ感でしょう。これまで8インチは選択肢が少なかったんですが、今季は急に需要が増えたのか人気のサイズです。残念ながら有機ELではありませんが、高精細かつ144hzのリフレッシュレートはポイントです。
また、SOCはSnapDragon 8+ Gen 1を採用しているのも特徴です。8インチ帯はローエンドSOCで溢れているの中で、ミドルハイ以上のスペックを持つ優秀なSOCを採用しているのはとても魅力的です。
メモリとストレージは12GB/256GBと16GB/512GBのラインナップがあります。また、SDカードに対応しているのも非常に貴重な存在です。
Legionはレノボのゲーミングブランドですが、見た目もとてもシンプルなタブレットです。
しかしスペックはまさにゲーミンググレードになっており、バッテリーは6550mAhとサイズなりにコンパクトではありますが45Wの急速充電に対応するほか、ダイレクト給電に対応しているためバッテリーを傷めずに充電しながらのゲームプレイも可能です。
唯一惜しい点としては、GPSに対応していない点です。
これだけのスペックでありながら価格は5万円を切っており、セールなどを狙えば4万円代前半で買う事が出来てしまう破格さです。ちなみに私はブラックフライデーセールで4.7万円で購入しました。
価格とスペックのバランスがいい意味でバグってるのも人気の理由ですが、ZUI15では簡単に日本語化出来るのもポイントです。
正直、中華安タブメーカーがだすHelioG99搭載の8インチタブレットを買うぐらいならば、Legion Y700一択だろうと思います。
日本版は98,000円と流石にその値付けをするとは思わなかったぐらいに高額で、マニアックな兄貴達は、AliExpressでCN版を買うのが良いと思います。
SOC | Snapdragon 8+ Gen 1 |
メモリ/ストレージ | 12GB/256GB SDカード対応(最大1TB) |
ディスプレイ | 8.8インチ 2560x1600 / 144Hz |
バッテリー | 6550mAh 45W急速充電 |
カメラ | 13M +2Mマクロ |
その他 | GPS非対応 デュアルUSB-C ドルビーアトモス デュアルスピーカー |
お値段 約48,000円(セールではもっと安くなることも)
Legion Y700 本体チェック
本体を見ていきましょう。
何と言ってもサイズ感が絶妙な8.8インチで、片手でも掴めるサイズ感です。前述した通り、スペックとブランドはゲーミンググレードなんですが、外観はゴリゴリとはしておらず、シンプルでスマートな外観です。
本体はアルミニウムが使われておりサラサラとした質感です。背面には「LEGION」のレターロゴが入ります。ベンツみたいなロゴアイコンは入っていないので凄くシンプルです。また、Lenovoのロゴも入っています。
シンプルなカメラユニットは13MPのメインカメラと、2MPのマクロカメラです。まぁカメラはほんのオマケみたいなものですね。
ゲーミンググレードなんですが見た目がシンプルなのが良いですね。個人的な意見ですが、ゲーミングプロダクトはスペックが高いのはいいんですが見た目が厳ついんですよね…。外観は普通にしてくれた方がたぶん売れます。
サイドフレームはフラットで、縦に持って右側に電源ボタンと音量ボタンがあります。電源ボタンは細かく掘られておりパッと触ったときに電源と音量がわかりやすいです。残念ながら、本機は指紋に対応していないので、電源は普通のボタンです。
ボトム面はスピーカーとUSB-C、トップはスピーカーのみです。アルミの際が磨かれているので高級感があります。
左側にはSIMトレイとサブのType-Cがあります。デュアルUSBで、バッテリーを経由せず、直で供給ができたり、充電しながらUSB-Cイヤホンを使うといった使い方も出来ます。この辺はさすがにゲーミンググレードです。
ディスプレイは8.8インチで、ベゼルはまぁ普通ですかね。フィルムは初期でついていないので注意しましょう。ちなみに今回間違えて昨年のモデルのフィルムを買ってしまいました。カメラ位置がまったくちがうのでちょっと不格好になりますが、サイズ自体はぴったりで、顔認証も通ります。中華タブレットはフィルムが入手しづらいので、購入時に同時に注文したいところです。
手に持ったサイズ感はまさに絶妙です。ちょうどコンテンツを楽しむのに適したサイズで、8インチが人気なのもうなづけます。
重量もアルミニウムですが、比較的軽量です。とりまわしが良くスペックも高いという理想の8インチタブです。
144hz 8.8インチディスプレイ
ディスプレイは8.8インチで横2560px 縦1600pxの2.5Kです。8インチでこの解像度はかなり高精細です。
リフレッシュレートはゲーミンググレードらしく、144hzでスペックの高さもあいまってハイエンドらしい動作感です。
一点、唯一惜しいところは有機ELでは無く液晶という事です。さすがにこのスペックに有機ELを乗せてしまうと価格が跳ね上がってしまうので、致し方ないでしょうか。
実際に使った感想としては、やはりコントラストのくっきり感は有機ELには劣るものの、かといってこのディスプレイで不満があるか?というとまったくありません。とても品質の良い液晶が使われています。
ちなみに今回のレビューではアンチグレアフィルムを貼ってるのでちょっと色味が薄く見えるかもしれません。
Antutu130万点 現役ハイスペックタブレット
SOCはSnapDragon 8+ Gen 1 を搭載しています。すでに二世代前のSOCですが、製造元がTSMCに変わった事で安定性が抜群に上がり、スペックに定評のあるSOCです。
実際にAntutu V10基準で130万点、V9基準でも100万点を出します。
最新のSnapDragon 8 Gen 3が200万点近いスコアを出してしまうので、このスコアはミドルハイ程度におちつきますが、最新のDimensity 9200+等とも並ぶスペックで、はっきり言って過剰すぎるぐらいです。
さらに言うと8インチタブレットというカテゴリーで言えば、他の人タブレットがHelio G99というローエンド帯なのに対して唯一無二と言っていいスペックです。8インチハイエンドと聞いて反応してしまう人も多いでしょう。
ベーススペックもさることながら、ゲーミングブランドらしく、大型のVCも搭載し、発熱処理にも期待が持てます。実際にAntutuを回したあとでもほんのり人肌恋しい程度の発熱で抑えられています。
ほぼ日本語化可能!ZUI15
OSはAndroid 13をベースにした独自UI ZUI15です。今回のLegion Y700が大人気なのは、簡単な手順でほぼ日本語化が出来てしまうところです。root取りやROM焼きといった高度なことをせずとも、USBを繋いでADBコマンド一発でUI周りはほぼ日本語になります。
自己責任にはなりますが、PCにADB環境を準備し、本体のUSBデバッグを許可した後にコマンドラインから以下を実行し、再起動すれば日本語化の完了です。
command
adb shell settings put system system_locales ja-JP
わりとZUIはデザインセンスが良いので好きなんですが、日本語化することでかなり使いやすいタブレットになりますね。
PCモード
PCモードも搭載しています。有効化するとホーム画面をデスクトップ的に使うことが出来ます。ウィンドウ形式でアプリを使えるのでキーボードや、マウスを接続すればPCライクに使うことも出来ます。
日本版はNEC LAVIE Tab T9として発売
今回のLegion Y700は日本でNECのLAVIE Tab T9でリブランドされたわけですが、Legion Y700にLavieのROMを焼いて完全にグローバル化も可能なようです。私自身は試せていませんが、ネットでは成功例が報告されているようです。
まさかあんなに価格が跳ね上がるとは思ってなかったので、ROM焼きユーザーも多そうです。Legion Y700が人気なのはこういったマニアックな使い方が出来るからかもしれませんね。
ちなみに、前述した日本語化でほとんど不自由無く使えてしまうので、わざわざグローバル化をしなくてもLegion Y700は魅力的です。
時間が1時間ズレる場合の対処法
セットアップ後、気がついたら1時間ズレていました。タイムゾーンがデフォルトの中国になっているからなんですが、タイムゾーン設定がなぜかグレーアウトしています。
この場合、学習アシスタントを一度無効化すれば、タイムゾーンの変更が可能になります。詳しく解説されているサイトが見当たらなかったので、同じ現象の方は参考になれば幸いです。
ゲーミング
Legionはゲーミングブランドのため、Y700も一応ゲーミングタブレットという位置づけです。ゴリゴリとした見た目では無いんですが、中身はしっかりゲーミンググレードで、安定性に定評のあるSnapDragon 8+ Gen 1に加えて大型のベイパーチャンバーは発熱も抑えてくれます。
また、ゲームモードも搭載しており、ゲーム中にパフォーマンスを選択する事が出来ます。各種数値をモニタリングする機能もあります。フレームレートカウンターはちゃんとしたのを入れようとすると有料のものが必要だったりしますがで純製で出来るのは良いですね。
特徴的なのは、バッテリーを介さずにダイレクトなUSB給電が出来ることです。一般的にながら充電でゲームはバッテリーにも、本体の熱的にもあまり適していませんが、本機能を使うと、電力をバッテリーを介さずにダイレクトに行えます。
ここでUSB-Cが2つ付いているのがさらに良いところです。USB-Cは横向きにもった時にちょうど真下の邪魔にならない位置にくるので、ゲームプレイを邪魔しません。
原神
原神のプレイ環境は最高設定、60fpsでプレイしてみました。
平均フレームレートはゲーミンググレードらしく、快適な動作感です。ただ、さすがに最新のGen2/Gen3と比べるとやや落ちますね。
20分ほど連続でプレイしましたが、平均フレームレートが著しく低下することもなく、安定してプレイができました。さすが安定性に定評のあるSnapDragon 8+ Gen 1です。
それに加えてタブレットとVCという放熱性の相性の良さにも注目したいです。Antutuの時のように、プレイ中は人肌ほどにしか発熱しないため、安定感があります。
ちなみに、同じくLegionで同じSOCを搭載したスマートフォン Legion Y70では結構発熱があったので、同じSOCでもここまで違うものかと感心します。
スピーカー性能
スピーカーはドルビーアトモスサウンドに対応したデュアルスピーカーを搭載します。最大出力は6.8Wとダイナミックなスピーカーです。
実際に音楽を流してみると低温は迫力があり、ズンズンと音圧を感じられます。一方、中音域がややこもった印象も受け、音のクリアーさにかける印象です。
音のクオリティは、8インチと言えどしっかりしていると思います。
バッテリー性能
バッテリーは6550mAhで、45Wの急速充電に対応します。45分で95%まで充電が出来ます。
バッテリーはサイズから考えると一般的かちょっと少なめかな?とも思いました。ただ、一般的なバッテリー持ちはSnapDragon 8+ Gen 1の省電力性で体感的には良いと思います。
ゲームや映像視聴ではそこそこ減っていきます。
8インチは通常のタブレットより、ブラウジングなどの普段使いがメインだと思うので、普通にスマホの感覚にバッテリーは近いです。
ちなみに充電アニメーションも設定出来ますが、Legionだとなんかエッチなキャラクターを設定も出来ます。恥ずかしくて家族に見られないようにしましょう。
Legion Y700 まとめ
最後にまとめると、普通に神機といっても誇張じゃ無いと個人的には思います。
SnapDragon 8+ Gen 1搭載タブレットというのでも大分貴重なんですが、さらに8インチというかなりニッチなサイズ感です。
日本語化も簡単で、それでいて価格は5万円を切り、セールを狙えば4万円前半も狙えます。もう、稀有という表現をしても良いと思います。
8インチを求めてるユーザーって結構コアな人だと個人的に思っています。スマホでは足らず、タブレットでは大きすぎてといったこだわりが8インチというサイズなんではないでしょうか?
さらに8インチ帯はローエンドが溢れかえっているため、余計にY700のスペックは眩しく見えるでしょう。
とりあえず、8インチを狙ってる方はY700を買った方が絶対に幸せになれるでしょう。