今回は、Xiaomiのハイコスパスマホ Redmi Note 13 Pro+ 5Gをレビューします。
今年のXiaomiの鉄板スマホと言って間違いないクオリティで、ミドルハイの基礎性能にFelicaやハイエンドに近いカメラスペックなど、全体的高い性能でまとめられているのにもかかわらず6万を切る59800円から発売されています。各MVNOでも手頃な価格で展開されており、完全に「コレを買っとけば間違いない」と太鼓判が押せます。
今期はミドル帯のコスパがかなりぶっ壊れており、魅力的なモデルが多く出ている中で、このRedmi Note 13 Pro+も圧倒的なコスパで異彩を放っています。ライバルとなるのはGoogle Pixel 8aなどが当たりますが、今回はそれらとも比較して行きます。実際にしばらく使った中で、スペック表では分からない本当の使い心地をお伝えします。
Redmi Note 13 Pro+5G
Redmi Note 13 Pro+ 5G 同梱物/本体チェック
まずは本体を見てきましょう。今回購入したのはオーロラパープルカラーで、ミルキーなカラーで切り替えが入っておりユニークなデザインになっています。背面はそれぞれパネルっぽくなっていますが、1枚のガラスになっています。背面がガラスで質感が良いのも地味にポイントだと思います。
カメラ周りは金属のリング状になっており、整ったデザインです。黒や白なども品があるデザインです。
サイドはプラスチックフレームで、画面ともにカーブしているのでかなり細いです。
画面は6.67インチでカーブディスプレイになっています。最近流行りなのはフラットディスプレイへの回帰で、ハイエンドほどその傾向があります。
逆に言うとコストのかかるはずのカーブディスプレイをミドル帯が採用している感じです。実際にカーブの美しさは過去のハイエンド帯で使われていたようなクオリティで、まさかミドル帯とは思えないクオリティです。
実際に手にもったときの収まりの良さも素晴らしく、実は204gとガラスバッグのせいで重量級なんですが、バランスは良く持ちやすいので数字より軽く感じますね。
付属品はケースと120Wのハイパーチャージャーが付属します。ケースはまたセンスの無いグレーの安っぽいやつです。まじでコレ超ナンセンスじゃないですか?せっかく背面デザインがオシャンティなのに何故クリアーケースを付けない!と私は怒ってます。まぁつけてくれるだけありがたいんですが。
スペック詳細
スペックを見ていきましょう。SOCにはMediatekのミドルSOC Dimensity 7200 Ultraを搭載します。大体Antutuでは70万点後半を出せるスペックで、最新基準で言えばミドルクラスに入りますが、実際の使い心地はミドルハイクラスに食い込みます。
DimensityはProだかUltraだかが複雑で、型番も世代が把握し辛く分かりづらいですね…。
メモリストレージはそれぞれ8GB/256GB 12GB/512GBがラインナップされています。ストレージ周りがUFS3.1ということで微妙に世代が古いあたりはコストカット感があります。
ディスプレイは6.67インチの有機ELディスプレイで120Hzのハイリフレッシュレートに対応し、ピーク輝度1800nitの明るいディスプレイが使われています。
今回の目玉はメインカメラで2億画素の超高画素センサーを採用し、超高解像度を生かしたロスレスズームにも対応しています。OIS/EISに対応し、手ブレの少ない安定した撮影が可能です。メインカメラ以外はまじでおまけで、マクロカメラは久しぶりに見ましたね…。もうつけなくても良いんじゃないかとも思ったり。
そのたeSIMにも対応し、IP68防水防塵にも対応し、また、日本で売れる条件であるFelicaをしっかり搭載しているのも重要なポイントです。
全体的にミドル帯で迷ってるならばこれをん買っておけば間違いないというような構成で、お値段も59,800円と絶妙な価格設定になっています。ちなみに、おなじみiiJmioではMNP39,800円とこれまた最初から大幅な値引きを実施しています。
今期はミドル帯がコスパでひしめきあっていますが、その中でもスペック的にトータルでバランスが良いのはRedmi Note 13 Pro+かなと思いますが、実際の使い心地など細かい部分もチェックしていきましょう。
SOC | Dimenstiy 7200 Ultra |
メモリ・ストレージ | 8GB・256GB / 12GB・512GB LPDDR5 + UFS3.1 |
ディスプレイ | 6.67 インチ CrystalRes AMOLED ディスプレイ リフレッシュレート:最大 120 Hz輝度:1800ニトピーク輝度 解像度:2712×1220 画面内指紋センサー |
バッテリー | 5000 mAh 120 W(充電器同梱) |
カメラ | メイン : 2億画素(ISOCELL HP3) F 1.65 1/1.4 インチセンサー 超広角 : 8MP マクロ : 2MP |
その他 | おサイフケータイ対応 IP68防水防塵 nano SIM + eSIM |
価格:59,800円
ディスプレイ性能 6.67インチ有機ELディスプレイ
ディスプレイは6.67インチ 縦2712px 縦1200pxで、リフレッシュレートは120hz、ピーク輝度は1800nitで、ガラスもゴリラガラスVictusを採用しており一昔前のハイエンドぐらいのスペックになっています。
余裕のあるSOCになったことで、120Hz駆動もなんなくこなします。さすがにもう60Hzは目が受け付けなくなっており、60Hzと120Hzの差はスペック以上に大きいと思います。
また、ミドルクラスながらハイエンド並みにきれいなカーブディスプレイが使われており、見た目の美しさもポイントです。ライバルであるPixel 8aがゴンブトベゼルで賛否が分かれていますが、ディスプレイ周りの品質はRedmi Note 13 Pro+の圧勝でしょう。
また、画面内指紋認証にも対応しています。位置はやや下目ですが、反応速度と精度ともに問題ありません。
Redmi Note 13 Pro+ 5G Antutuベンチマーク
Antutuベンチマークで性能を見ていきましょう。Dimensity 7200 Ultra自体はミドルをちょっと超えたぐらいのスペックでコスパの良い端末でよく採用されます。
実際のAntutuスペックとしては大体77万点前後を出すスペックです。一昔前ならミドルハイと言っていたかもしれませんざ、最近は200万点がハイエンドの定義なので、そこから見るとやはりミドルクラスです。
とはいえ、ゲームを除くほとんどの操作は十分な動作が可能で、多くの人にとってこのスペックがミドルクラスの価格帯で買えるのは魅力的だと思います。
HyperOSの動作感
OSはAndroid14をベースにしたHyperOSです。MIUIから以降が行われましたが、正直中身はMIUIとほとんど変わりません。
まず、動作感に関して言うと基本的には納得出来る動作感ではあるんですが、やはりミドルクラスの動作感だなと思う部分も多く、例えばバックグラウンドで何かしら動いているときなどは普通にカクついたりします。ところどころ細かい部分でおや?っと思う場面があるのは正直な意見です。
ライバルであるPixel 8aと比較するとAntutuの性能差なりに差はあるような気がします。ただ、世間一般的な使い方であればこれで大満足と言える動作感だと思います。
色々古いぞHyperOS
OS周りについてもう少し言及したいと思いますが、XiaomiはこれまでのMIUIからHyperOSへと切り替わりましたが、UIのほとんどはMIUIと何ら変わらないです。
また、MIUIで悪かった部分もしっかりと引き継いでおり、基礎設計が古いままなのでそろそろ設計を見直せば良いのになと感じる所が多々あります。
たとえば、セットアップ時にWIFI設定でQRコードが使えなかったり、指紋のセットアップが一本登録したら残りはスキップされたり
その他、謎のセキュリティで5秒~10秒待たされるのも、正直そろそろ変えてほしいです。あの10秒待たされてる間みなさん何を考えていますか?夕飯?昔の思い出?あの10秒感に禅の心でも感じればよいんでしょうか?とにかくあの待機時間はもっとユーザーが声を上げてXiaomiに伝えるべきだと私は思います。その他細かい部分が古いAndroidのMIUIのまま引き継いおり、使いにくいと思う事が多いです。
コントロールセンターが変更可能
細かいんですが、コントロールセンターを古いバージョンに切り替えることができます。Xiaomi端末はここが切り替えられるものと、切り替えられない端末がバラバラです。これまでのパターン的にメインストリームにあたるハイエンドモデルは新しいコントロールセンターのみで切り替えができず、Redmiなどの廉価グレードのスマホではなぜか切り替えができる場合があります。これも本当にバラバラでなんでそんな状態なのかがまったく謎です。
Redmi Note 13 Pro+はコントロールセンターのスタイルが変えられる。
これマジでどういう基準なんだ?全部の機種で選ばせてくれよ。新しいバージョンマジで使いにくいんだわ pic.twitter.com/5IeLuPlml2
— ZAKI LABOガジェットレビュー (@ozakizaki1) May 18, 2024
この事をエックス上でつぶやいたらなんか結構反応もらいましたが、これ結構気になる人多いじゃないですかね?もう新しいスタイルに慣れたよ!という人もいれば、私のようにいつまでもなれない人もいるようです。左右のスワイプで出てくる内容が違うUIってまじで私は使いにくいと思っています。
100歩譲ってそこは良いとして、明るさ調整スライダーが丁度指でスワイプダウンするあたりにあるので、間違って画面輝度を最低まで落としてしまい、屋外などでほとんど見えなくなるっていうトラップに毎回ひっかかります。これ、よく考えてあるメーカーだと輝度は横タイプにしてたりしますが
初期値の縦表示はまじでナンセンスだな…と思います。Xiaomiは消すなら消すでどっちかはっきりとしてほしいです。
ゲーム性能
ゲーム性能を原神で見ていきましょう…という事なんですが、正直Dimensityのミドルクラスはたくさん見てきたので大体の動作感はもう予想出来ます。以前レビューしたNothing Phone 2aも同じくDimensity 7200 Proで、7200 Ultraとの差はそこまで無いです。
実際に最高設定60fps設定で回してみた所、だいたいフィールドのかるい所で45fps前後、戦闘に入ると30fpsを切る感じですね。
平均レートで見ると40fpsという事で、予想通りのスコアかなと思います。動かなくはないけど満足な動作感とは言えないって感じですね。これは今期同価格帯のミドルスマホでは大体同じ感じだと思います。
ゲーム目的で買うスマホでは無いことは強く言いたい点です。
スピーカーはドルビーアトモスに対応したステレオスピーカーです。特段プッシュをしているわけではありませんが、ミドルクラスのスピーカーとしては比較的マトモだと思います。
音のクリアーさはハイエンド帯と比べると弱いですが、スカスカ感の無い音質で思ったよりもスピーカー性能は高いです。
バッテリー性能
バッテリー持ちについては検証中ヘビーに使うこともありましたが特段悪いという印象は受けませんでした。1日の終わりの40%ぐらい残ってる感じです。待機中の消費も優秀なので、検証では無い普段使いなら1日半ぐらいは普通に持ちそうです。
120Wの急速充電器も付属するので、バッテリー周りで不満は見当たりません。ミドル機という中であれば十分です。
カメラ性能
カメラ性能を見ていきましょう。今回Redmi Note 13 Pro+ 5Gで特出しているのはサムスンの超高解像度センサーHP3を採用している点で、2億画素というインパクトのあるスペックです。
超高解像度を活かしたロスレスズームで、ミドル機ですがしっかりとカメラも強化しています。
一方でメインカメラ以外は8MPの超広角、2MPのマクロとよくあるミドルスペックになっています。
ほぼ、メインカメラのみに注目することになりますが、実際の作例で見ていきましょう。
日中
日中の撮影、晴天で条件はとても良い日でした。まず感じるのはDimensityだなぁ…!と言うことです。過去にもMediatek製のXiaomiスマホを見てきましたが、共通してちょっと黄色が強くなります。
正直、こんぐらい明るけばどんなスマホでもちゃんと撮れるよなっていう感じではありますが、一応ISOCELL HP3を採用していることもあり、ミドル以上のカメラ性能なんじゃないかと思います。
ちょっと暗めですがこってりと補正されて見栄えは良いです。
やはり超広角はまじでおまけです。そもそもかなり色味が違いますね。ただ、実際の目で見た景色の色味に近いのは超広角の方でした。
ウリの200MPはディテールが細かくさすがのサイズです。ただ、これまでも超高解像撮影を使う事はほぼほぼありません。どちらかというと次で詳細するロスレスズーム用のという感じでしょうか?
ポートレートモードはズームが出来ず固定になります。ハイエンド帯の2倍以上の使いやすい距離感では無いのでいまいちツカイ辛いです。ボケ感は横のスライダーで変更出来ますが、撮影後に補正が入るため調整が難しいです。パット見協力にボケますが、指の間などはやはり苦手なようです。
フードモードは無く、室内なので光量が足りずメシマズ気味になります。Dimenityの悪いとこが詰まったような写真です。
4倍ロスレスズーム
2億画素の超高解像度を使った2倍も4倍ロスレスズームに対応しています。仕組みとしては超高解像度の中から2〜4倍の範囲でクロップするというものになっています。デジタルズームでは無いため画質劣化が無いという事ですね。
それぞれ2〜4倍で見るとまぁ2倍は大体の機種でもこんなもんかな?という感じ。さらに4倍については結構ボヤッしておりくっきり感がありません。さすがに光学ズームには負けるかな?という感じで、特段優れているという感じでも無いと思います。
夜景に強いカメラ
Redmi Note 13 Pro+のカメラ周りで特出しているのは夜景だと今回感じました。Dimensityのミドルカメラだからなぁーと舐めていましたが驚きました。メインカメラの性能がとても良く出ています。
まず、白飛びの抑えがかなり強く、看板の光源など、プレビューでは白く飛んでいますが撮影後の補正でくっきりと見えます。
暗所性能もメインはかなり高く、超広角とメインとで比べると差がわかりますが、実際に目でみたときは超広角の暗さぐらいくらい所ですが、メインカメラは目ではわからない部分もはっきりと補正して写してくれます。またノイズもかなり抑えられており、正直ミドル帯でここまで暗所に強いのかと驚きました。
ある程度光源がある所でもノイズを抑えつつくっきりと撮影が可能です。Redmi Note 13 Pro+は夜景が強いと言っていいでしょう。
動画性能
動画撮影は完全にオマケだと思って大丈夫です。一応4Kで撮影できますが30fps固定になります。60fpsなのは1080pですし、スーパー手ブレ補正を使うと780pにまで下がります。
実際に1080pで撮影をしてみましたが、バインバインと画面が弾んでしまい気持ち悪いです。というか酔います。完全に動画撮影はオマケだなぁと感じますね。
カメラ性能まとめ
カメラ性能に関して言えば、やっぱりいつものDimesityという感じでした。普通に価格以上のスペックで普通に撮れるカメラではありますが、いまいち感がいなめません。
ウリのロスレスズームも、2倍は良いとして4倍は普通に潰れますし、光学ズームには勝てません。
一方、夜景モードについてはかなり補正が綺麗に入り、ハイエンド帯とも張れるんじゃないか?と思いました。日中との評価の差がマジで極端です。
Redmi Note 13 Pro+ 5G とPixel 8aと比べて
今回、もっともライバルとなるのはPixel 8aで、価格も近くスペックも近い、なんなら発売日も近いと言うことでマジでどっちを買ったら良いか悩んでる人もいるんじゃないでしょうか?
Pixel 8aに関してもレビューの方を出しているので是非見ていただければ参考になるんじゃないかな?と思います。
今回はちょうどその二機種が手元にあるためざっと比較していきます。まず二機種ともFelicaを搭載しておりおサイフケータイに対応しているのは前提としてあります。なのであとはスペック、大きさ、カメラ性能という部分での比較になると思います。
スペック差は僅差でPixel 8a
まず、搭載されるSOCについてRedmi Note 13 Pro+はDimesity 7200 Ultra 、Pixel 8aはGoogle Tensor G3を搭載します。
Antutuで言うと前者が77万点前後、後者は100万点前後でPixel 8aの方がスペック値は上です。約20万点ほど差がありますが、CPU/GPUで差があります。
では実際の使い心地でその差があるか?と言われると正直あまり差は感じないんじゃないかと思います。
バックグラウンドで何かしらが動作している時のカクつきは正直Redmi Note 13 Pro+の方が気にるものの、明確にPixel 8aのほうが優れてる!とは言いにくい差です。
大きさの違い
Redmi Note 13 Pro+は6.67インチのカーブディスプレイで、Pixel 8aは6.1インチのフラットディスプレイです。6.1インチという貴重なコンパクトサイズは、コンパクト信者にはこの上なく魅力的だと思うので、そこですでにふるい分けられるようにも思います。
一方、私のように大画面が良いと思うユーザーにはPixel 8aのサイズ感は少し物足りないとも言えます。また、Pixel 8aはベゼルが太く見た目がちょっとダサいですね…。これは結構賛否があって気にならない人、気になる人半々という感じですね。個人的にはなんか昔の中華スマホみたいだな…と思ってる派です。
大画面が良いならばRedmi Note 13 Pro+をおすすめします。
カメラは一長一短
カメラ性能に関して、Redmi Note 13 Pro+は2億画素センサーが特徴でPixel 8aはAI補正が特徴です。
それぞれは一長一短があり、Redmi Note 13 Pro+は夜景に本当に強く、メインカメラはハイエンドにも劣らない一方で、日中の撮影で暗く不満があります。
Pixel 8aの作例
Pixdel 8aは日中の補正の効き方が強力で、あかるくぱきっとした絵が得意です。一方で夜景が本当にダメダメです。
Redmi Note 13 Pro+5Gの作例
Redmi Note 13 Pro+5Gは本当に真逆のカメラになっているなという印象で夜景に強いカメラです。とはいえ、夜景モードをメインに考える人なんてマイノリティなので、多くの人は日中の撮影に強いPixelを選びそうです。
ざっと比較するとこんな感じがですね。似たスペックで近い価格ですが、結構違いがあるので参考になれば幸いです。
Redmi Note 13 Pro+ 5G まとめ
最後にRedmi Note 13 Pro+をまとめると、今年はマジでミドル帯が高いコスパでひしめき合ってる中で、安定のハイコスパだと感じます。
ウリである2億画素カメラは正直、数字だけ感があるんですが、価格帯からすると良く撮れますし何より夜景モードに強いのはポイントでしょう。
基本的なスペックも標準以上で、Felicaも搭載しているので日本人的にはこれを選んどけば心配ありません。Pixel 8aの圧倒的なブランド力に対して、整った機能性とデザインで対抗するという感じでしょうか?
迷ったらコレと太鼓判を押せるミドルスマホでした。