今回はXiaomiからスマートウォッチ三兄弟として発売された中の一つ Xiaomi Watch S3をレビューします。
三兄弟の中では一番グレードが高く、過去のWatch Sシリーズ同様に高級感のあるラインです。S2が日本では発売されなかったので久々となりますが、今回はひときわコスパが良く定価17900円と正直思った以上に安かったので驚いています。さらには、ベゼルカスタマイズというユニークな機能もありかなり注目度の高いスマートウォッチです。
今回は本体とカスタマイズパーツ含めて早速入手したので、しっかりと見ていきます。
Xiaomi Watch S3 本体チェック
まずは本体を見ていきましょう。かなり特徴的なベゼルをしてていますね。今回Xiaomi Watch S3の一番の特徴はベゼルを変えられることでしょう。
そのためベゼルがかなり大きく厚めでかなり主張しています。極厚なベゼルのお陰でディスプレイ自体は1.43インチと、S1、S2と変わっていないはずなんですが何かコンパクトに見えますね。サイズも47mmのはずなんですが何故か小さく見えてしまいます。ベゼルが厚いからなんでしょうか?実際に厚みも12mmとそこそこ大きめです。
ベゼルカスタマイズはまた後ほど見るとして、全体的にクラシカルで質感も良いスマートウォッチです。
純正のベゼル部分はヘアラインとポリッシュ仕上げの質感の良いステンレスで、サイドケースはマットなアルミニウムとなっています。サイドの質感MacBookみたいといえば伝わるでしょうか。サイドにはクリック感の強いボタンが2つ並びます。
背面は光沢感の強い材質でセラミック風に塗装されています。おそらくベースはプラスチックだと思いますが質感良く肌へのあたりもよいですね。背面には充電用の端子があります。
ベルトが結構しっかりとしており、フッ素ラバーの靭やかで質感の良い素材が使われています。時計の質感はベルトにかなり左右されると思います。高級感のある本体でもベルトがペラペラだとゲンナリしますが、Xiaomi Watch S3のベルトは上質なマテリアルを使っていますね。ベルト自体もおしゃれで尾錠に巻き込むタイプで金具自体も本体に合わせた色味です。
全体的に定価17900円としてはかなり質が良く、今回のXiaomiはマジで頑張ってるなと驚きます。
着用してみると、前述した通り何かコンパクトに見えてしまうような気がします。実際は47mmサイズなんでそんな事も無いんですが、やはりベゼルの厚みでディスプレイが小さく見えるのが原因でしょうか?重量も程よい重みで満足感はかなり高いですね。
ベゼルとベルトをカスタマイズ
今回の一番の目玉はベゼルのカスタマイズでしょう。良く、スマートウォッチのアフターパーツでもベゼルパーツはありますが、そんなカスタマイズをXiaomiが純正パーツでやっちゃうのは面白いですね。
今回はGMTウォッチ風のセラミックベゼルを購入してみました。ベゼル自体も金属ベースになっているので質感はとても良いですね。サイドには細かなパターンも入っており無骨な印象を受けますね。
ベゼルのカスタマイズ簡単で、最初についているベゼルをひねって回せば簡単に外す事が出来ます。その後カスタムベゼルに差し替えるます。カチッとハマるので外れる心配もないでしょう。
ベゼルを変えると何と言うことでしょう。印象がガラッと代わりシンプルだった見た目から大人な雰囲気に変わりました!こういったカスタマイズは時計付きにはたまらないのでは無いでしょうか?
ベゼル自体にも仕掛けがあり、同時に対応するウォッチフェイスへ切り替わります。
2つ目はベルトです。セットでも発売しており、ベゼルのカラーに合わせたレザーベルトが付属します。今回は上下でグリーンとブラックに分かれたバイカラーベルトです。
こちらも装着するとまたまた何と言うことでしょう!最初の印象からまったく別物になりました。
ベゼルとベルトで合わせて6500円前後になり時計の値段からするとそこそこお高めですが、色違いで楽しめる事を考えるとお得にも感じますね。
カラーはブルー、イエロー、レインボーのカラー展開があります。
ディスプレイとウォッチフェイス
ディスプレイは前述した通り、1.43インチで縦横466pxの解像度です。もちろん有機ELで60hzのリフレッシュレートです。ピーク輝度が600nitという事で若干屋外での表示が弱いようにも感じますが、価格からすれば十分でしょう。
もちろん自動調光にも対応しています。やっぱり何か小さく感じるんですよね…
ウォッチフェイスの数でそのスマートウォッチへの本気度がある程度わかりますが、Xiaomi Watch S3は非常にバラエティに飛んでおりとくにクラシカルなフェイスが多く力が入っています。
前述したベゼルにあわせたフェイスや、フェイス自体のカラーパターンを選べるものなど凝っていますね。
AODにももちろん対応します。AODはデフォルトテーマの他、フェイスごとに設定されたものを使う事も出来ます。
新しいHyperOSの動作感
動作感を見ていきましょう。ベースOSには新しいHyperOSをベースとしたUIになっています。動作感はかなりヌルヌルスルスルとしており品質は高いです。
左右はウィジェットとカードになっておりこちらはアプリから順番をいれかえたり本体側で直接内容を編集できます。
上スワイプでショートカットメニュー、下スワイプでメニューという感じですね。また、ボタンにも機能を割り当てることができます。
一方気になったのは戻るの操作で、左スワイプでの戻り方が、スマホのジェスチャーのような操作感に変わりました。戻る時にジェスチャータブが見えるでしょうか?
これがちょっと癖があり、というのも画面のキワキワにしか判定が無いんですよね。今回ベゼルがかなり厚いのもあって、戻るが動作する範囲がとても狭く感じます。
実際ベゼルを外しても範囲がとても小さいのでやりづらいのは変わらないんですが、もう少し範囲を広く出来ないんでしょうか?一応UI上でこの左右ジェスチャーが必要なところは、画面上側に戻るボタンが表示されてはいるものの、やっぱこれまでの動作で癖で左右スワイプをします。
この辺はアップデートで対応して欲しいところです。
通知周り
通知にかんしてはAndroid、iPhoneともにメッセージ返信に対応していません。これは最近のスマートウォッチはマストで対応してるのでこれはマイナスポイントです。過去のXiaomi Smart band 7 では出来ていたので、これも早急に対応して欲しいですね。
また地味にバイブレーションが弱いです。本体が割とかっちりしてるので振動が悪い意味で抑えられています。もう少し強く振動してほしいです。
iPhoneで通知が来ない問題の解決方法
これは特定の環境によるかもしれませんが、iOSでペアリングした際に通知が来ない問題に遭遇したのでシェアしておきます。
解決方法としてはiPhoneの設定メニューから、mifitnesに入り、そこから通知のスタイルを持続などに変えると来るようになりました。
これな公式には乗ってなかったのでもし同じ状況の方がいれば参考になれば幸いです。
通話対応と転倒検知SOS
今回BT通話にも対応しています。アプリから連絡先をインポートすれば時計からもかける事が出来ます。この辺はまぁもうこのグレードならば当たり前でしょう。
またこれまで手動のSOSのみでしたが、SOS機能に転倒検知がついたのは地味に進化点です。激しい衝撃を伴う転倒であらかじめ指定した電話番号に発信をかける事が出来ます。
流石に試せませんが、割と独自OS系かつ、格安なスマートウォッチでこれを対応しているのは珍しいです。
その他細かな機能
タイマーはバックグラウンドでの動作も可能になっています。
タスクリマインダーはXiaomi機であれば本体のタスクと同期できるようです。それ意外はアプリから設定を行います。
OS限定の機能
いくつかAndroidとiOSで限定的な機能があるのでご紹介します。
まず、音楽ストレージ機能は現状Androidのみの機能となっています。Android版のみアプリから音楽を本体ストレージにアップロードが可能です。
次にスマホ側のカレンダーからのイベント同期はXiaomiスマホ と IOSのみ可能です。
あと、地味にミニアプリが両方とも非対応になりました。これはもしかしたらHyperOSになったことでミニアプリが合わなくなったのかもしれませんね。まぁ、ミニアプリはかなり投げやりだったのでどっちでも良いでしょう。
音声レコーダーはiPhoneでしか試していないんですが、音声ファイルをダウンロードする方法がないですね…。たぶんAndroidだと内部ストレージ機能があるから使えるんでしょうか?
ヘルスケア周り
最新のヘルスケアセンサーを搭載し、心拍数の精度が上がったとうたいます。心拍数、SpO2、ストレスとオートで取得をします。一点、ヘルスケア周りのデータとしての寂しさを感じますね。新しいファウンダリーになってからヘルスケア周りも一新されてるんですが、アプリで見れるデータがシンプルすぎて他社メーカーよりもデータとしてざっくりです。
もう少しヘルスケア周りのデータをうまく活用してもらいたいです。正直、アマズフイットやガーミン、その他メーカーよりも劣ってる印象を受けますね。
ヘルスケア周りで新しい「活力」スコアも使えます。これはボディバッテリーというよりPAIスコアに近くワークアウトなどのアクティビティを行うとスコアが増えていきます。
睡眠ログでは新しく睡眠タイプが見れるようになりました。連続して睡眠ログを取得すると、そのパターンから動物タイプを見れます。
これは7日連続で取得する必要があるため改めて試して見たいと思います。
ヘルスケア周りで、トピックとしてはちょっと前からZepplifeからデータを引き継げるようになりました。これまでのMibandユーザーがZepplifeアプリで蓄積したデータが無駄になる!という要望から新たに追加になりました。
ちなみに何度も行ってますがZepplifeでは連携出来ないので注意が必要です。
その他、Androidでペアリングしている場合は、連携出来るアプリについにGooglefitが追加されました。こういった細かい改善はXiaomiがしっかりユーザーの声を聞いてるなと感じますね。
ワークアウトと強化されたGPS
ワークアウトは150種類から選択できます。今回フォーカスされているのはウィンタースポーツのようで、速度などの詳細を見れるスキートラックマップなどが使えるようです。残念ながら南の方なので試すことはできませんが、ウィンタースポーツが好きな人は面白い機能です。
また今回最新のGPSモジュールにアップデートしたことで、測位精度やスピードが格段に向上しました。
実際にウォーキングでルートを試したところ、ワークアウト開始直後よりGPSをバッチリ掴みます。この速さは最近見てきたハイエンドウォッチでも中々無いスピードです。
実際のルートマップも非常に正確に取得できています。GPS周りはかなりレベルが高いと思います。
バッテリー性能
今回短い期間での調査ですが、ヘルスケア周りを全てONにし、自動測定諸々も全てONにしています。
また、運動検知もONにしてとり、AODを抜いた条件としてはかなり高い使用率だと思います。その状態で就寝前から着用し、翌日19時の時点で30%まで消費をしました。
まぁ当然ですがゴリゴリと減っていきますね。日常使いではもっと機能を制限していくと思います。ただ、新しいセンサー類をベースにしたヘルスケアは24時間の監視をすることで最大限活用出来るような設計になっているのでここは注意点です。
ちなみに翌日にSpO2やストレスといった設定を外して運用した場合、かなり消費が緩やかになり1日あたり15%前後となりました。それでも公称値の15日には届きませんが、条件を見ると睡眠ログもOFFにする必要があるそうです。
最近のスマートウォッチにしてはちょっとバッテリー消費は大きめに感じますね。
また、充電は急速充電に対応し、5分の充電でも2日分は賄えるほどのスピードです。実際には残量により緩やかに増えていくようになりますが、起き抜けの充電でも間に合うようなサイクルになっています。
充電器はワイヤレスチャージャーのように見えて実はポゴピンタイプです。以前のS1などはワイヤレスに対応していたと思うのですがちょっとこれは残念なポイントです。
Xiaomi Watch S3 まとめ
最後にXiaomi Watch S3をまとめると、トータルでののクオリティで17900円はかなり思い切った値段をしてるなと思います。
昨今円安のお陰でガジェットがドルベースでは変わらない値段なのに、年々高くなっている状況で、あくまで日本の状況を加味して値段をつけてくれたのは神対応です。
私個人的にたぶん2.5万〜3万いっちゃうかな?下手したら出ないかな?ぐらいは思っていたのでサプライズでした。
今回3兄弟として発売したそれぞれBand 8 Pro / Redmi Watch 4 / Watch S3とすべてが驚きのコスパなのでどれを買うか迷います。
同じ日に発売されたRedmi Watch 4との差がきになる人も多いようですが、価格なりに結構差がありますね。機能性に大きく差は無いんですが、ベースとなっているHyperOSがほとんど別物と言っていいと思います。
細かな部分でXiaomi Watch S3のほうが動作感とUIの丁寧さがさすがに上位機種だなと感じるところです。
マンネリとしてるスマートウォッチ市場において、ベゼルカスタマイズという楽しさで勝負しているのも面白いですね。
以前だとXiaomiの公式アクセサリーの入手が日本では難しかったのに、今回は余すこと無く展開したのに好感がもてます。
一点新しいHyperOSの戻る挙動がイマイチ慣れず、かなり気になるポイントですが、ここはアップデートに期待でしょうか?
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