今回はAlldocube iWork GTを入手したのでレビューしたいと思います。
タブレット端末といえば、iPadやAndroidを真っ先に思い浮かべるかと思いますが、Windowsという選択肢もあります。若干特殊な進化を歩んでいったWindowsタブレットですが、ノートPCとタブレットという2in1タイプが人気です。
今回紹介するiWork GTはAlldocubeの中でもハイエンドに位置し、CPUに第11世代 Core i5を採用しながらもその他のメーカーとくらべてコストパフォーマンスが非常に優れた2in1 PCです。実際に1周間ほど使ってみて感じた点をレビューしていきます。
まずざっと2in1 PCとしてのiWork GTのアウトラインを見てきましょう。2in1 PCと言えばサーフェースなどが有名ですね。キーボードが反対に折り返すクラムシェル型などがありますが、iWork GTはキーボードと本体が分離するタイプになっています。
キーボードは別売りですが、マグネットで簡単に取りはずしが出来、タブレットモードとノートPCの切り替えがすぐに出来ます。
タブレットなのでもちろんタッチ操作に対応していまし、ノートPCのようにも使えるというのが2in1タイプの最大の利点でしょう。AndroidやiPadとくらべてより実務的な用途と相性が良いといえるでしょう。
iWork GTは、実はかなりニッチな製品でセパレートタイプ・上位CPU・Windowsという条件を満たす端末は驚くほどに選択肢が少ないです。
Alldocube iWork GT スペック詳細
iWork GTのスペックを見ていきましょう
OS | Windows 11 HOME |
CPU | 11世代 Intel Core i5 1135G7 |
メモリ | DDR4 8GB |
ストレージ | 256GB |
グラフィック | Intel Iris Xe |
ディスプレイ | 10.95インチ 2000px 1200px IPS液晶 |
通信 | Bluetooth 5.1 |
ポート | USB 3.0 Type-A ✕1 |
バッテリー | 3900mAh / 45W PD充電に対応 |
価格: 79,999円(Amazon)
まずはなんと言ってもタブレットでありながら、第11世代 Core i5 1135G7を採用している点でしょう。ある程度の作業であってもすんなりこなすCPUで、タブレットに搭載されているのはわりと変態仕様だとも感じます。
ディスプレイはIPSですが、解像度も高く、内蔵グラフィックのIntel Iris XeはHD画質であればゲームもそこそこ動かすことができます。ゲームに関しては後ほど検証していきます。タブレットながらポート類が充実しているのもポイントですね。バッテリー容量が若干控えめな気もしますが、45WのPD充電に対応しています。
Alldocube iWork GT 外観チェック
iWork GTの外観を見ていきましょう。まずは本体にあたるタブレットから。本体内にファンを搭載しているので比較的大柄なタブレットです。
本体材質は判断がつきにくいですが、おそらくフレーム・背面はプラスチックだと思います。背面はキーボード接続用のポゴピンと、一応カメラもついています。
上側面に電源ボタンと音量ボタン、ファンの排気口もあります。
右側面には、USB-Aポートが一つ、イヤホンジャック、SDカードスロットがついています。左側面にはUSB-Type Cが2ポートと、MicroHDMI端子も備わっています。
フロント側は10.95インチのIPS液晶になっています。ベゼルはそこそこありますが、流石に昔の中華製品のような低品質なパネルではありませんね。発色と輝度も良いディスプレイが使われています。またフロントカメラも装備されています。カメラ横には充電などがわかりやすいLEDインジケーターもついています。
タブレットとして持った感じとしては、見た感じの分厚さよりもおもったより軽いと感じる610gです。ただ結構分厚いのでその辺は薄型のiPadやAndroidタブレットには劣ります。ファンも内蔵されているので、この厚みは仕方がないかなぁという感じ。
お次は別売りのキーボードケースについてです。キーボードケースについては旧式と新型の2つがあり、こちらは新型です。ヒンジ部分で浮いており、iPadキーボードによくにた形状になっています。
着脱に関してはマグネットで簡単に行えます。保持力も高いのでずれてくるといったこともないでしょう。
ヒンジ部分の角度は90度までですが、ケース側上部でさらに角度がつけられます。
キーはそこそこストローク感のある感触で、打ちやすいです。配列は英字配列になっています。一点、今回提供してもらったものはなぜか i と O のキー印字が逆になっていました。簡単に外せるので問題ないですが、もし購入時に配列がおかしいと感じたらiとOを確認しましょう。
タッチパッドもついており追従性も良く出来ています。ただ、クリックがとても深くカコカコと結構押し込む必要があります。その差異にポインターがずれてしまうことも。シングルタップでも動作しますが、このタッチパッド部分は、ポインター部分とクリック部分を物理的に離しておいてほしかったです。個人的にはマウスは無線のものを使っています。
タブレットとキーボードカバーを合わせると総重量で1200gとそれなりな重さになりますね。
全体的な本体クオリティは悪くないと感じます。
エルデンリングが動くスペック!
iWork GTで驚いたのは、最低設定であればエルデンリングがそれなりにプレイできるレベルで動いてしまうところです。
しかも、かろうじて動くというレベルでは無く、ある程度プレイに耐えるレベルで動きます。
実際にフレームレートを計測するとフィールドでの動作であれば大体30FPS前後で動作します。大体PS4版と似たようなレートですね。
画質は最低設定・解像度はHDと最低まで下げているわけですが、モニターと違い、そもそも10インチのディスプレイに出しているので解像度を下げてもあまり目立ちません。
さすがにシビアなボス戦では厳しいかもしれませんが、探査レベルであれば全然余裕です。ポータブル環境でエルデンリングがプレイできるのはなかなかロマンがあります。エルデンリング自体はそこまで重いゲームでは無いのですかね?
FO4とスカイリムも試してみた
エルデンリングがこれだけ動くならばと、スカイリムとFallOut4も試して見ました。
さすがに10年以上前のスカイリムならば最低画質+HD解像度であれば60FPSで動作をしますね。もう少し余裕があるようなのでじょじょに設定を上げた結果、最終的にFHD+高設定でも普通に40FPS~60FPSの間でプレイすることが出来ました。
さすがに町中などのオブジェクトが増える部分では40FPS前後まで下がりますが
普通にプレイできるなという感じ。
FallOut4はなぜかフルスクリーンが選べませんでした。たぶんこれは内部設定ファイルをいじれば出来たような気がするんですが、Intel Iris Xe向けの対応がよくわからなかったのでできるかぎり解像度を上げてプレイしてみました。
スカイリムと比べると重くプレイ出来ないかな?と思いきや以外なことに最低設定であれば60FPS前後でプレイが出来ます。FallOut4って重たい印象だったんですがこれはかなり以外です。普通にPS4版よりもフレームレートは出ており快適でした。
タブレットなんでゲームは無理だろうと思いこんでいたんですが、いい意味で裏切られましたね。超大作RPGがタブレットでできるというのがマニアックな心にとても刺さりました。
スペック確認
順番が前後しますが、スペック詳細を見ていきましょう。先のゲーミング性能の通り、基本的なスペックは予想をいい意味で裏切ってくれました。まさかあれだけゲームが動くとは思いませんでした。基本的なスペックはタブレットとしてはかなり高いレベルにあるんじゃないかな?と感じます。
実際にCPU性能を図るCINEベンチを回して見たところ、マルチ4000、シングル1300ポイントという結果になりました。
明らかにタブレットという範囲ではオーバースペックだなと思いますが、ノートPCとして見てもまずまずなスペック。一通りのことをこなすだけのスペックはあるでしょう。
ディスク性能
SSDはPCIE GEN3 256GBとなっていますが、実際にCristal Disk Markで計測した結果がこちらです。シーケンシャルは早いのは良いとしてランダムがなんかGEN3としては遅いような…?まぁ一般的に使う分には十分高速なストレージだと思います。
ディスプレイ品質
タブレットとして見る場合、気になるのはディスプレイの品質とタッチ精度でしょう。
まずディスプレイの品質としてはIPS液晶ながらも視野角輝度ともに優秀なレベルにあると思います。流石に有機ELと比べると発色では劣りますが、昔の中華製品のような低品質なパネルでは無く様々なタブレットを触って来ましたが、このディスプレイで不満が出る事は無いかな?と感じます。
Windowsタブレットとしての操作感
ただやはりWindowsタブレットな事に変わりはなく、win10であったタブレットモードなどはWin11では廃止になっています。
やはりタブレットとしてのUIは欲しい所。特にホームボタンにあたる操作が無い事がタブレットとして見た場合に気になりますね。
また、デフォルトでは表示自体が少し小さいのでディスプレイを120%ほどまで拡大する方が良いかもしれません。
ノートPCとして
やはり一番使いやすいのはキーボードと接続したPCモードでしょう。
ノートパソコンよりもコンパクトでありながらも、機能性は変わらずという絶妙なサイズ感と使い心地が本当に気に入っています。
ただ、キーボードケースがちょっと気になりますね。
キーボード自体は英語配列なのは仕方が無いですが、やはりノートPCとくらべてかなり狭め。エンター上にデリートがあるのもとても使いづらいです。
また一番気になるのはやはりトラックパッド。クリックがし辛いなと感じます。クリック位置と操作領域はもう少し切り離してくれればよかったのになぁ…と感じます。まぁワイヤレスマウスを使えばそれも全部クリアするんですが。
あと、タッチパッドのジェスチャーが動作をしませんでした。デバイスマネージャーやら、Alldocubeにてドライバーが無いかなど一通り探してみましたが残念ながら見つかりませんでした。
急速充電対応だがバッテリー消費は大きめ
iWork GTは45WのPD充電器が付属しています。どちらかというとノートPCに近いためこれぐらいの速度は欲しいですね。
また、iWork GTは大柄な本体ではありますが3900mAhとバッテリー容量は比較的少ないです。ミドルレンジのスマホぐらいの容量でしょうか。
これに関しては正直もう少し積んでほしかったかなと感じます。電源を繋がず使用した場合の消費の速さは、思った以上です。大画面、モバイルとは言えPC用のCPU、ファン搭載と、3900mAhで賄うにはかなり心もとないです。基本的には卓上での順据え置き機というような使い方を想定しているのかな?と感じます。
その他の細かい部分
その他細かい部分をざっと見ていきましょう。
低音は弱めだが、思ったよりもクリアなスピーカー
まったく期待していなかったんですが、思ったよりもスピーカーがいい感じでした。
左右の穴は最初通気孔かと思っていたんですが、どうやらステレオスピーカーのようですね。
音に関しては、低音はやや弱めではありますが、スカスカ感も無く普通にスピーカーとして機能しているなという感じです。さすがにDolbyAtomosやブランドスピーカーと比べるとお取りますが、ノート環境のスピーカーとしては合格点だと私は感じました。
一応ついてるカメラ
一応、カメラは申し訳程度のものがついています。画質はお察しですが一応、リアカメラは3.7MPでビデオは最大30FPSでの撮影が可能です。まぁ完全におまけカメラだと思います。気になるのは専用ケースをつけるとアウトカメラは使えない事。丸く穴を開けてくれればよかったのに
高負荷時はまぁまぁ熱い。
普段ブラウジング程度では無音ですが、ゲームなど高負荷がかかると、そこそこファンが回ります。また、ゲームをしばらく回していると、思った以上に本体が発熱していてビビります。タブレットサイズにノートPC用のCPUを使っていればそりゃそうかっていう感じではありますが、手に取った瞬間にびっくりします。
セパレートタイプならもっともスペックが良いか
同等のスペックであれば、正直同等の価格でも普通にラインナップはあります。
ただ、それらはほとんどがクラムシェル型で、セパレートタイプの主流はChromeブックなのか、Amazonなどで探しても、iWork GTと同等のスペックと価格のWindowsタブレットはほとんど選択肢がありません。
iWork GTは実は結構ニッチ需要な端末なのでは?と感じます。セパレートタイプながら、スペックは落とさず、Windowsを搭載しているという事自体が一番のユニークポイントなのかもしれません。実際にしばらく使ってみて感じたのはこのサイズ感でWindowsが使える便利さ・手軽さが何よりも最大の強みだと感じました。