今回はXiaomi Pad 6を入手したのでレビューします。今回はAliexpressのショップより提供を受けての発信になります。
先行して中国国内にて展開されていたXiaomiのコスパ溢れるAndroidタブレットのグローバル版です。中国ではPro版も発売しましたが、グローバル市場では無印版の展開となったようですね。
日本でも正式発表が期待されているXiaomi Pad6ですが、今回のグローバル版ですでに技適が確認出来たため近いうちに正式に展開すると思われます。
今回は先行してグローバル版を提供頂きました。Pro版との比較なども含めて解説していきたいと思います。
Aliexpressでアーリーバードセール
先行してAliexpressでは初回セールを実施しています。というか、たぶんこのタイミングで買うのがもっとも安く購入できるタイミングなので気になる方は以下のリンクからチェックしてみてください。
ちなみに最小構成の最安値は4.4万からとなっており、思ったよりもグローバル版が安いです。
Xiaomi Pad 6 スペックアウトライン
まずはXiaomi Pad 6のスペックアウトラインです。
ちょうどよいミドルハイタブレットという印象で、スペックを見て気づくのが前作のXiaomi Pad 5 Proのスペックに近くなったということです。
Pad 6 Proが更に上位のSoCを搭載したことで繰り上げ的に無印版の性能が上がったということでしょう。SoCは全世代の出来杉君ミドルハイ Snapdragon 870を搭載しています。
その他、Pro版と違うところは、バッテリー容量が若干上がった8,840mAhになり、その代わり充電速度が67Wから33Wへ
カメラが50MPだったところを16MPのシングルカメラへと、差別化はされています。
ただ、それ意外のポイントについてはPro版と大きく差は無く、144Hzのハイリフレッシュレートに対応した 2.8Kの液晶ディスプレイや
Dolby Atmosに対応したクアッドスピーカーなど、高い基準でまとめられています。
キーボードケースや、さらに低遅延になった第2世代スタイラス対応などの付加価値もあります。
今回AliExpressのアーリーバードセールでは4.7万という価格のようでSnapdragon 870 のミドルハイタブレットがその価格で買えるのはかなり魅力的です。
SoC | Snapdragon 870 |
メモリ/ストレージ | 8GB / 128GB DDR5 / UFS3.1 |
ディスプレイ | 11インチ (2880px * 1800px) 2.8K LCD 144Hzリフレッシュレート ピーク輝度550nit タッチ サンプリング レート: 最大 240 Hz |
バッテリー | 8,840mAh 33W急速充電対応 |
カメラ | 16MP メイン / 8MP フロント |
スピーカー | Dolby Atmos対応 クアッドスピーカー |
その他 | マグネットキーボードケース 第2世代スタイラス 対応 |
OS | MIUI14 For Pad(Android 13) |
Xiaomi Pad 6 デザインチェック
Xiaomi Pad6のデザインを見ていきましょう。フルアルミニウム筐体で、高い質感をしています。クオリティに関しては流石のXiaomiで中華安タブレットとは差が大きいです。本体は11インチタブレットなのでかなり大きめです。
背面はきめ細やかな質感でサラサラとしています。デザインもPro版とまったく同じといって良いでしょう。背面にはキーボードを接続するための端子がついています。ちなみに今回入手出来ませんでしたが、グロバール版のキーボードケースは、中国版と違いトラックパッドがついていないようですね。使い勝手が良かっただけに残念で中国版のキーボードと互換性があるのかも不明です。
唯一デザイン上で違うのはカメラユニットでPro版はデュアルカメラだったのに対して、無印版は片方のレンズがダミーになっています。
サイドは大分フラットになっています。本体上部にはスタイラスペンを充電するマグネットエリアがあり、音量ボタンは端の方に設置されています。
右サイドには電源ボタンとスピーカーが並びます。電源ボタンは指紋認証にはなっておらずここも差別化ポイントですね。
左サイドはUSB-Cとスピーカーが並びます。スピーカーは左右で合計4つずつのクアッドスピーカーです。
重量は490gと、11インチながら500gを切り、さらに厚みは6.5mmと薄いです。ただ、サイズが大きいためか結構重く感じますね。
11インチ 2Kディスプレイは超高精細
ディスプレイは11インチ 横2880px 縦1800pxの 2.8Kディスプレイです。気になるのは有機ELでは無く液晶を使っているというところではありますが、その辺は杞憂で普通に高品質なディスプレイが使われています。
リフレッシュレートは144Hz、サンプリングレートは240hzで、ピーク輝度は550nitで、ハイエンドモデルと比べるとやや劣りますが十分すぎるスペックです。
実際の目で見ても、これで不満を感じる人はいないでしょう。リフレッシュレートもヌルヌルなので操作感は想像以上に良いです。正直、軽く触っているぶんに関しては、Pro版との差は殆ど感じません。
中国版で追加された3本指での画面分割もグローバル版で使えます。横になぞることで対応している場合は分割表示が出来ます。対応しているアプリはまちまちで、AmazonPrimeビデオは対応していますが、NetFlixは✕だったりします。
WideVineももちろんL1なので、この高品質なディスプレイを最大限活かせるでしょう。
液晶でも全然クオリティは高い
タブレットを選ぶ場合、液晶か有機ELかはかなり大きなポイントでしょう。
実際に、各メーカースペックを抑えてるでも有機ELを搭載したりと、世間一般的に認識としても有機ELこそが正義というような風潮があると思います。なので「液晶」という事に引っかかるかもしれませんが、正直同世代のタブレット達と比較してXiaomi Pad6シリーズで搭載されている液晶は、有機ELと遜色無いクオリティを持っています。
正直、これだけの発色と輝度を持っていれば不満に思う人はいないと思います。下手にコストを下げて有機ELを選ぶと90Hzになったりしますが、144Hz駆動というのも良い点です。
有象無象の中華メーカーが使うような液晶パネルでは無く、高い品質のパネルを採用しているためそういった憂慮は杞憂と言えるでしょう。
Snapdragon870 Antutu70万点
SoCはSnapdragon870を採用しています。これは前作のPad5 Proで搭載していたSoCで、今回は世代が繰り上がったことで無印版で870を搭載しています。
Antutu性能は70万点前後を出す優秀なSoCです。
昨年Snapdragon 870は圧倒的なコスパで中国国内では採用するメーカーが多く豊作でしたが、グローバルになると価格が跳ね上がる傾向にあり、なかなかコスパが良い搭載機は現れませんでした。
それが型落ちの形でPad6としてグローバル展開されたことで、やっと価格とスペックのバランスが良いのが現れたなという印象です。
型落ちといえども、そのスペックの高さは健在で普段使いの一通りは過剰なスペックでこなし、原神などヘビーユースにも耐えるスペックです。スナドラ870の安定性の高さはかなり信頼感が高く、中途半端なスペックを買うぐらいならば、ちょっと足して鉄板のこちらを買うべきでしょう。
MIUI14 for Pad
OSはAndroid13をベースにしたMIUI14 for Padとなっています。動作間は流石にミドルハイスペックなのと、144hzによる動作間でヌルヌルと動きます。
通常のMIUI14と違い、Padに向けて最適化されたバージョンになっており、ほとんど同じ感覚で使えますが、いくつか機能がオミットされたりしています。ざっと見た感じ、以下のような機能がオミットされています。
- ホームのアプリグリッド数の変更
- テーマ機能が非対応
- バッテリー設定にパフォーマンス設定が無い
細かい部分ですが設定の一部が無くなっています。
指紋認証は非対応ですが、顔認証と、タップ起動にも対応しており使い勝手は良好です。個人的に思うんですが、タブレットに指紋認証って必要ですか?サイズが大きいので使いにくいと思ってしまうのですがどうでしょう?顔とタップウェイクに対応していればそれで事足りるかなと思います。その分価格を下げるとかしてくれたほうが嬉しいです。
グローバル版はトラックパッドキーボード非対応?
一点UIを見てて気づいたんですが、キーボード設定で表示されている内容が、新しいトラックパッドキーボードとは内容が違います。前作と同じキーボードオンリーの内容になっていますね。
公式の情報を見ても、トラックパッドキーボードに関しては一切記載が無いため、グローバル版では非対応なんでしょうか?
トラックパッドの操作性が抜群によく、ほぼノート端末のように使えたのでこれは残念です。
スマートフォンリンク
Xiaomi スマートフォンの画面をタブレットで共有出来るスマートフォンリンクに対応しています。対応しているのはおそらくMIUI14を搭載しているスマートフォンかと思います。
ポイント
双方で同じXiaomiアカウントでログインしたあとに、設定→タブレット向けの機能→接続済みのデバイス
設定から双方で許可する必要があります。その後は、自動で接続がされます。接続後に、スマートフォンから何かしらのアプリを起動すると、タブレット側のタスクバーに表示されるのでそれをタップすると、画面が起動します。接続後、スマホ・タブレット双方から端末を操作することができます。
これについては、中国版のMIUIで展開されていた「MIUI+」のベータ版ということのようですね。MIUI+自体は2年ぐらい前からあったのでここに来てやっとグローバル版でも使えるようになったということですね。
アプリ間で情報を共有したり、写真等を簡単にコピーできます。双方ギャラリーアプリからドラッグして話すだけでコピーが完了します。これはなかなか使いやすいです。画面の遅延についてもかなり速いのでストレス無く使えます。
画面の縦横はスマホ側の設定で自動回転にしておけば横画面にもなります。一点残念なのが、何故かカメラアプリが横画面に対応しません。Youtube動画を撮る際等、プレビューを見ながら撮影が出来る良い機能なんですが、ここは改善してほしいです。
ドルビーアトモス対応のクアッドスピーカー
スピーカーはDolby Atmosに対応したスピーカーを左右2つ、合計4つのクアッドスピーカーとなっています。前作Pad5 Proのオクタスピーカーと比較するとやや物足りなくはありますが、もちろん音質はタブレットとしてはかなり高いレベルにあると思います。
音の傾向としては、中音域もしっかりと聞き取れるクリアーな音質です。音量も十分でメディアタブレットとしては期待値以上です。
ドルビーエフェクト
ドルビーエフェクトという項目からイコライザー機能が使えます。そういえば最近のXiaomiはあまりハーマンカードンチューニングのスピーカーを使いませんね。
ハーマンカードンでは無いからといって音質が悪いという事ではなく、素のスピーカー性能に加えて、イコライザーを使ってより好み音に変更することが出来るので、メディアタブレットとして十分に活用できるでしょう。
バッテリー性能
バッテリーはPro版から比べて200mAhほど多い8840mAhとなっています。最長で2.07日のバッテリー持ちを歌い、タブレットとしてはかなり大容量です。待機状態で最大26日としていますが、ここも中国版と若干違いがあるようですね。中国版はディープスリープモードを搭載していて最大で47日間のアイドル状態を可能にしていましたが、グローバル版にはその記述はありません。もしかしたらMIUI14 CN版とグローバル版で内部的に差があるのかもしれませんね。
33Wの急速充電対応
無印版のポイントは充電速度が33wとなっているところです。Pro版の67Wと比べるとややものたりないかもしれません。充電時間はおおよそ100分となっており、実際に充電をしてみると確かにその分の遅さが目立ちます。
8840mAhを充電しているので当たり前なんですが、ハイスピード充電環境になれているとここは気になります。
ただ、国内で発売されているミドル以上のタブレットに関して言えば、バッテリー周りの仕様が劣っているわけでは無く、平均以上のスピードで提供されています。
ゲーミング性能 原神チェック
ゲーミング性能を見ていきましょう。Snapdragon870は登場のメインストリームの888と比べて発熱処理が優秀で、すぐスロットリングに入る888と比べても比較的安定した動作なのが魅力でした。
ゲームプレイにおいても高い安定性を発揮したことで870の評価は上がりました。
スペック的に888が高いでしょうが、熱によるスロットリングで結局本来の性能が発揮できないので、その頃はゲームするなら870とも言われていましたね。
とはいえ、すでに型落ちになっているのと最近のゲーム自体のコンテンツの重さもあるので、実際に原神で見てみました。
モンド・璃月(リーユエ)地方
モンド・璃月(リーユエ)地方でしばらくプレイしてみました。1時間程度プレイした結果最高設定60fps設定で、55FPSという結果になりました。流石に最適化がされているのか、かなり良いパフォーマンスでプレイ出来るようです。
ただ、やはり最新の8Gen2などと比べて、戦闘時の安定感がやや劣る感じがしますね。MIUI14 for Padの仕様で、バッテリー容量が下がっていると自動的に省電力モードに入ってしまうため、ガクッとスペックが下がり平均レートは40FPS台まで下がります。ゲームをプレイする時はバッテリー残量に注意しましょう。
全体的にかなり満足感の高い内容だと思います。スナドラ870の初登場が2021年ということでそろそろ二年近い間があいているんですが、それでもこれだけの動作間を実現するのは、さすがの傑作SoCといった所でしょうか?発熱処理の優秀は、今回もそれを感じます。元々の発熱処理とタブレットの大型筐体が合わさって、発熱はほとんど感じません。
以下は実際のフレームレートカウンターでの計測です。55FPS前後をキープしています。
スメール地方
次は、激重コンテンツと有名なスメール地方です。様々なSOCでこのスメール地方ではグッとフレームレートが下がるという現状ですが、870ではどうでしょうか‥?
やはりスメール地方の重さは感じますね。ワープしてカメラを降った段階でちょっと差を感じます。実際に敵と遭遇するとフレームレートは45PFS台まで下がります。混戦になると下限はさらに大きくなります。
最初の検証よりやや動作が重くはなるものの、まだまだ現役で楽しめるスペックだと思います。もし動作感に納得が行かなければスメール地方ではちょっと設定をいじった ほうが良いかもしれませんね。
ゲームプレイもおすすめ出来るタブレット
ゲームの総評としては、思った以上に870が現役で驚きました。本体が大きく放熱性が良いのも影響しているかもしれません。
前作Pad5のSnapdragon860と、870では結構差があるんだなというのが実際によくわかります。原神がここまで動くということは、他の人気タイトルも十分に動作するでしょう。
ゲームを快適にプレイしたい人にもXiaomi Pad6はおすすめできます。
第一世スタイラス代は使えるらしい?
この情報は検証が出来ておらず、不確かな情報ですが今回のXiaomi Pad6シリーズでは、第一世代のスタイラスペンに非対応と中国版は記載がありました。
この点に関しては、グローバル版では記載がまったく無く触れられていません。
今回、アリエクのセラーを通してXiaomiに問い合わせたところ、Pad6で第1世代のスタイラスペンは使えるとの回答をもらいました。ただ、ちょっとレビューの経験上、こういった回答が間違ってる場合もあるので、ちょっと怖いんですよね。
CN版とグローバル版とでまた違うのかもしれませんが、こういった不安要素があるため第一世代のスタイラスを所持しており、Xiaomi Pad6でも継続利用を考えている方は要注意となっています。
とりあえず第1世代を持ってる人は第二世代ペンは様子見でいいかな?と思います。もう少し情報が出揃ってから判断したいポイントです。
Xiaomi Pad 6まとめ
Xiaomi Pad6をまとめると、超優秀なSnapdragon 870タブレットがやっときたという印象です。
定価は6万に近い設定となっているようですが、それも昨今の高騰ぶりを考えると大分良心的な設定と言えるでしょう。
事実グローバルのLenovoやNECでは同等のスペックを10万程度で展開しています。グローバルや日本でSnapdragon 870タブレットが微妙だったのは「高すぎる価格設定」なのが問題で、それを打破したXiaomi Pad6は待望の存在と言っていいでしょう。
日本での価格が気になるところではありますが、基本的にはグローバル版のアーリーバードセールを狙うのが一番安く買える方法かなと思います。ライバルとしてはPixel Padですね。あちらは大分スタートダッシュでコケた感があります。おそらく価格が高すぎるのも原因でしょう。
多くの人にとって過剰すぎるスペックと、価格のバランスという観点で言えばXiaomi Pad6に勝るものはないとも思います。