今回はRedmi Watch 3 Activeをレビューします。
まず、開口一番ですが価格がマジでバグっています。価格と機能性のバグり方が異常で、昨今のスマートウォッチに必要な機能はほぼ揃え、通話機能までサポートしながらも、なんと4990円という価格で出してきました。明らかに機能性は、上位グレードに匹敵しながらも、何故かRedmi Bandシリーズと同じ価格で出してきました。Xiaomiさんこれ価格間違ってない?ていうか、このクオリティを4990円で出してこの後どうするの?後先考えなさすぎじゃない?と逆にこっちが心配になるぐらいです。
これまでスマートウォッチを見てきた中でも歴代1位に輝くぐらいに、コスパがぶっ壊れてると本気で感じます。まじで2023年最高のコスパと言っていいでしょう。こんな製品が特に大きくは宣伝せず、ヌルっと出しているあたりXiaomiが本気なのか余裕なのかわからないんですが、とにかくそれぐらい価格設定がバグっています。
Redmi Watch 3 Active(Amazon 4,990円)
スマートウォッチ界隈においては、目新しい機能というものはすでに無くデザイン・機能性・価格をどうインパクト持たせるか?という点に焦点が当てられています。そんな中で、Redmi Watch 3 Activeも目新しさこそは無いものの、望まれる機能のほとんどが詰め込まれた稀代のスマートウォッチと言っていいでしょう。
今回はしばらく使った感想と、Redmi Watch 3無印版とも比較しながら見ていきます。無印版は15,000円、Active版は4990円と、三倍近い価格差がありますが、どのように差があるのでしょうか。
Redmi Watch 3 Active 概要
まず、Redmi Watch 3 Active と Redmi Watch 3 無印版と比較しながら機能を見ていきましょう。ぱっとみはよく似た2つですが機能性で差別化が結構行われています。
ただ、機能性の差があるにしても、1万円ほど差があるのはさすがにActive版が価格バグだとしか思えない内容です。
Redmi Watch 3 Active | Redmi Watch 3 | |
ディスプレイ | 1.83 インチ LCD 30Hz駆動 | 1.75インチ 有機EL 60Hz駆動 |
BT通話 | ◯ | ◯ |
GPS | ✕ | ◯ |
Alexa | ✕ | ◯ |
定価 | 4.990円 | 14,800円 |
大きな違いとしては、ディスプレイが液晶か有機ELか、GPSを搭載しているか、アレクサを搭載しているかの三点です。Active版は流石に液晶を採用しており、無印版の特徴だった60Hzヌルヌル動作も30Hzにまで落とされています。価格の大部分がこれのせいだとおもいます。
ただ、30Hzだからと言っても普通にスマートウォッチとしては操作性が良いです。BT通話は両者とも対応していますが、4990円という価格でBT通話を対応しているActive版のコスパが光ります。マイクはついていますが、Active版はAlexaには非対応。
GPSもスマートウォッチのグレードをわける際には良く削除されるポイントで、それにもれずActive版はGPSを搭載しません。こうして見ると、機能性に結構差があるわけですが、それでもやはり4,990円というのはここ数年のXiaomiプロダクトの中でもびっくり価格だと思います。
Redmi Watch 3 Active デザインチェック
Redmi Watch 3 Active デザインを見ていきましょう。4.990円とは思えない質感とデザイン性が魅力です。
まず、Active版と無印版はおおまかにデザインが同じではあるんですが結構サイズが違い、Active版の方が実は大きいです。縦は4mm、横は2mm、厚みは1mmほどActive版が大きいです。なので、開封した初見の印象としては"思ったよりも大きい"ということです。
特徴としては、ステンレス風に塗装されたメタリックフレームでしょう。これまでのXiaomiの廉価スマートウォッチではデザイン性が悪かったんですがこのデザインのおかげでかなり見栄えが良いと感じます。とても4990円とは思えないのはメタリックフレームの高級感のおかげでしょう。サイドはボタンとマイク用の穴がついています。ちなみにあくまでメタリック風なので、基本的には軽量ではあります。
本体から流れるようなラインでベルトに繋がっているのもデザインの特徴で、たったこれだけですが見栄えがグッとひきしまり大人なデザインになっていると感じますね。
ディスプレイは1.83インチで実は結構大きめです。また、点灯すると下側のマージンが結構大きめに取られておりこの辺は価格なりかなとも感じます。
背面に回るとベルトの取り付け形状が無印版とActive版とでは大きく違います。無印版は独自の取り付けラグだったのに対して、Active版は一般的なバネ棒タイプに変更になっています。未検証ですが、おそらくベルトラグは23mmだと思われます。この点に関しては明らかにAcitve版の方が良いと思います。
ベルトはやや固めのシリコンバンドになっています。サラっとしていますが、フルオロエラストマーのように柔らかさは無く、コシとハリがあるバンドです。取り付け部分は内側に巻き込むタイプで金具は使われていないのでパソコンなどを触る場合も邪魔にならないでしょう。
着用してみると、やはり4990円とはとても思えないデザイン性の良さと質感をしています。レビューする側の目線としてはこれは間違いなく売れると確信する出来の良さです。ただ、結構サイズが大きいのはやはり気になるかもしれません。男の腕でもそこそこ存在感を感じるので、女性の腕だと余計に感じるかも。
ディスプレイはLCDディスプレイ 30Hz
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— ZAKI LABOガジェットレビュー (@ozakizaki1) July 31, 2023
Redmi Watch 3 Activeで一番のポイントは液晶で30Hz駆動なところでしょう。無印版は有機EL / 60Hz駆動で鮮やかでヌルヌルな動作感が魅力でしたが、4990円では流石にそこは落とされていますね。
前述したようにディスプレイサイズは1.83インチで、無印版の1.75インチから結構サイズアップがされています。一方、解像度に関しては無印版が390×450 ピクセルなのに対して、Active版が240✕280ピクセルでかなり低くなっています。ディスプレイサイズは大きいのに解像度が小さいということはPPI(ピクセル密度)が低くなり、解像度感が悪くなります。
ディスプレイに関しては4990円なりにかなり妥協されており文字の表示など、ジャギーが出ています。また輝度も600nitから450nitと結構差がありますね。
屋外の表示もやはり液晶の弱さが出ていると思います。実際の目で見たらここまで酷くはありませんがそれでももう少し明るさが欲しくなります。あと、地味にコーティングもケチられてると思います。指紋のせいで余計視認性が悪いです。
また画面のリフレッシュレートも30Hzになっており、やはりヌルヌル感は圧倒的に無印版の方が良いです。価格の差はディスプレイによるところが大きいようですね。
AODに関しても、液晶のActive版は非対応です。
とはいえ、それでも4990円という価格のインパクトはすごく、4990円のスマートウォッチでここまでの動作感を出すのか?!ということへの驚きの方が大きいです。液晶で解像度が低いという点もそりゃ4990円ならそうでしょうよという感じで、しかも1万5千円の上位版と比較してということであり同価格帯のスマートウォッチで比較するなら、Redmi Watch 3 Activeに勝てるものは無いと感じます。
ウォッチフェイスは200種類ほど
ウォッチフェイスは200種類ほどが配信されています。基本的にはこれまでの70mai製のXiaomi スマートウォッチで収録されていたフェイスをかき集めた感じでしょうか。
フェイスのデザインに関しては個人的な目線から厳し目にいうとだいたい60点~75点ぐらいのものがほとんどで、あまり力が入っているようには感じません。解像度が低いのもあってかちょっとチープに見えるものが多いです。どちらかというとポップな印象のものが多いですね。やはり有機ELの無印版と比べるとちょっと見劣りします。
また、現時点ではAndroid端末のみですが、端末の写真からフェイスに設定するギャラリー機能も使えます。
動作感とUI周り
動作感とUIまわりをもう少し詳しく見ていきましょう。基本的にはRedmi Watch3 無印版とActive版ではUIに大きな違いはありませんが、細部で違います。
ショートカットメニューはほとんど同じなんですが、画面のつけっぱなし設定がActiveにはあるのに、無印版にはありません。ショートカットメニューはこちらでは編集出来ないようです。
メニューは、グリッドかリストタイプを選択することが出来ます。個人的には分かりづらいのでリストメニューにしていますね。
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— ZAKI LABOガジェットレビュー (@ozakizaki1) July 31, 2023
前述したように、動作感がRedmi Watch3 無印とActive版では大分差があります。ディスプレイが60hzか30hz駆動かの差ですが、無印版は最近の独自スマートウォッチの中でも屈指のヌルサク感だったため、余計に差が目立ちますね。Active版の動作感が悪いというよりは、無印版が良すぎると言った方が良いかもしれません。Active版は4990円でこの動作感を実現してるのに驚きです。
通知周り
通知は大型の画面を活かし、ある程度の文章もしっかり読む事ができます。ただ、ディズプレイの解像度が低いため文字のジャギー間が結構目立ちますね。個人的にここがスムースじゃないとちょっと安っぽく感じてしまいます。
絵文字も非対応のようで、□に置き換えられて表示されてしまいます。メッセージへの返信機能はもちろん搭載されておらず、ただ通知を確認するのみです。まぁ4990円のスマートウォッチならば普通に通知が見れるだけで良いと思いますが。
通話機能対応
Redmi Watch 3 Activeでコスパが壊れているなと思うのが、BT通話機能をサポートしている点です。アンダー5,000円以下のスマートウォッチで、ちゃんとしたメーカーのクオリティでこれを実現しているのはかなり珍しいと言えます。
逆を言うと、この機能をサポートするかしないかで、ウェラブルに松竹梅をもたせることができるので、なぜわざわざ4,990円のスマートウォッチでこの機能を搭載したのか?スマートウォッチをたくさんレビューしてきた側の人間が逆に頭をひねるんですよね。とは言え、一般ユーザーからしたら喜ばしい以外の何者でもありません。
アプリから連絡先をインポートすることでスマートウォッチ側で発信することができます。マイクもついているのでそのまま電話に出ることもできます。
SOS機能
予めアプリ側で緊急の連絡先を設定している場合に、電源ボタンを3回すばやくプッシュする事でその連絡先へ通話をかける事ができます。いわゆる転倒検知的なSOSではありませんが、スマートウォッチでSOSコールをして助かったなどのニュースも珍しくない昨今においてはあって損は無い機能と言えます。
カレンダー同期は?
カレンダー同期については、私の環境では確認が出来ませんでしたが、機能として「イベント」があるんです。これの使い方はいまいちわかりません。
アプリ側にそういった設定が無いため、何も出来ないんですよね‥。おそらくシステムカレンダーとの同期が出来るはずなんでしょうが‥。
Twitter上で、iOSでカレンダー同期の設定があるというのを教えてもらいました。なぜかiOSは対応してるようです。あと気になるのはMIUIでどうなのか?という事なんですが、残念ながらMIUI機の手持ちが無く検証出来ませんでした。とりあえず、カレンダー同期が目的な方は気をつけましょう。
ヘルスケア周り 何故かSpO2の常時測定が可能
ヘルスケア周りは同じみの心拍数、ストレス、睡眠、SpO2に対応しています。
自動測定に対応しているのは心拍数とSpO2と睡眠で、この辺が無印版と微妙に異なる部分です。
ヘルスケア周りで気になったのは、無印版では手動測定のみだったSpO2測定が、何故か廉価版のActiveでは常時測定に対応をしています。そもそもSpO2の常時測定って用途が限られてるから不要と判断されたと無印版のレビューで言い切ってしまったんですがなぜ…。とはいえ、ユーザーとしては選べるのはウェルカムだと思うので良い点といえるでしょう。まぁ問題なのは無印版を買っちゃったユーザーでSpO2の常時測定が必要だった人からはいまいち納得いかない部分かもしれませんね。
その変わりなのかわかりませんがActive版はストレスレベルの自動測定に対応しておらず、手動測定のみになります。この辺の切り分けが本当に良くわからないです。
GPS非搭載
Redmi Watch 3 Activeで注意したいのはGPSを非搭載という事です。さすがに4990円でそれを搭載するのは無理があったんでしょう。
GPSモジュールを除いているからこそ出来る価格な気もするんで、ランニング等でトラッキングを行いたいユーザーは上位モデルの無印版を買いましょう。
Redmi Watch 3 Active まとめ
Redmi Watch 3 Activeをまとめると、ひさびさに衝撃的なプロダクトだったと感じます。理由はとにかくその機能性と価格。4,990円は流石に驚きでした。いつも、Xiaomi製品にはコスパコスパと言いすぎて、狼少年的に思われてしまうかもしれませんが、今回のコスパはそんじょそこらのコスパじゃないです。シン・コスパと言ってもいいでしょう。Xiaomi Pad6の影に隠れて特に大きな宣伝もされておらず、シレッと出たので、もっとプッシュすれば良いのにとか思ったりします。
ただ、いちユーザー目線でいうと、Xiaomiのウェアラブルの松竹梅がぶっ壊れてしまったなとも思います。これが4990円という設定をしてしまったばっかりに、他のスマートバンドなどの価格差別化がめちゃくちゃ難しくなるなとも感じますね。まぁ「消費者としては安くて高性能なのが良い」という一言に尽きるわけですが。
レビュワー目線では、ここ最近のウェアラブルはとにかく差別化がまったくできず、付加価値をプッシュする事が難しくなっています。そんな中で「あ、こんなやばいの出しちゃうんだ…」と良い意味でも、悪い意味でも衝撃でした。このRedmi Watch 3 ActiveはこれからXiaomiが出す自身のプロダクトととも比較され続けてしまうでしょう。「これだったらRedmi Watch 3 Activeで良いじゃん」という、評価をこれからのプロダクトが受けるのが目に見えています。Xiaomiが過去に出した傑作 初代Mi Watchが長らくそのポジションにいましたが、それに変わるプロダクトといってもいいでしょう。
悪い所と言えば、解像度がちょっと低いぐらいのもので、それ以外はとにかく4,990円で得られる体験ではありません。