今回はXiaomiの最新スマートバンド Redmi Smart Band Proを入手したのでレビューします。
これまでXiaomiのスマートバンドといえばXiaomi MiBandシリーズが鉄板!といった位置づけでしたが、昨年はそのポジションをHuawei Band6シリーズに奪われていました。今回のRedmi Smart Band Proは、これまでの製造形態を一新し、再びスマートバンド覇権を取り戻すべく投入されたXiaomi渾身のスマートバンドになっています。
専用アプリで日本リージョンで設定をしても本機Redmi Smart Band Proはリストインしています。日本で発売されないものはココにリストインしないはずなので、日本での正式発売も期待値が高いと思います!
実際に1週間ほど使い込んでみました。良い点・悪い点などをしっかりお伝えしていきます。
ZAKI LABO(ザキラボ)では年間で30本近くスマートウォッチをレビューしています。様々なメーカーのスマートウォッチを実際に仕様・検証を行い精度の高いレビューをお届けします。機能性やコスパといった部分も大事ですが、ZAKI LABO(ザキラボ)では質感・所有感といった時計としても楽しみも合わせてご紹介していきます!
Redmi Smart Band Pro レビュー動画
動画でもレビューしています!
Redmi Smart Band Proのスペック
Redmi Smart Band Proのスペック表は以下。
画面サイズ | 1.47インチAMOLED ディスプレイ |
解像度 | 194px ✕ 368px 282PPI |
輝度 | 最大450nit |
センサー |
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バッテリー |
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動作環境 |
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防水性能 | 5 ATM |
Redmi Smart Band Pro デザインチェック 流行りの縦長大型ディスプレイ採用
Redmi Smart Band Pro最大の特徴は、昨今流行りの縦長大型ディスプレイを採用している事です。このサイズ感は、HUAWEI Band6シリーズが先行し、その使い勝手の良さから、他メーカーもこぞって取り入れました。
これまでのスマートバンドといえばなぜかMiBandシリーズのようなカタチ・サイズ感が当たり前だったんですが、多機能化する中でこのサイズ感では限界を迎えたという事だと私は感じます。そんな中でHuawei Band6のサイズ感は絶妙だったのでしょう。
なんかHuawei Band6の話をしていますが、Redmi Smart Band Proの本体の縦横厚みといったサイズ感が非常に近く、明らかに意識をしているからですね。以下がそれぞれのサイズの詳細です。めちゃくちゃサイズ感が似ているのが数字からもしっかりわかります。
Redmi Smart Band Pro | HUAWEI Band6 | |
高さ | 42.05mm | 43mm |
幅 | 24.45mm | 25.4mm |
厚さ | 10.15mm | 10.99mm |
重量 | 15g | 18g |
ディスプレイが大型化はしたものの、実際に手に取るととても小さく感じます。あくまでもカテゴリーはスマートバンドであってそのサイズ感は従来のMiBandシリーズのように小ぶりです。
またストラップはRedmi Smart Band Pro独自の規格になっています。つまみを押しながら抜くことで簡単に外せます。サード製のバンドも中華ECサイト等で入手可能です。尾錠に関しては、MiBandシリーズの形を踏襲しています。
本体にボタン類は一切無く、Xiaomiらしいとてもシンプルでミニマムなデザインになっています。ディスプレイは1.47インチのAMOLEDディスプレイを採用し、約470nitというスマートバンドとしては高輝度なディスプレイを採用しています。ちなみにディスプレイサイズと解像度に関してもHUAWEI Band6とまったく同じです。
画面サイズ | 1.47インチAMOLED ディスプレイ |
解像度 | 194px ✕ 368px 282PPI |
輝度 | 最大450nit |
屋外での視認性もまずまずといったところ。470nitなんで特段高いわけでもありませんが、日光下でも視認出来るぐらいは輝度があります。
実際に着用してみました。腕周り16cmです。大型化したといっても、着けた感じはMiBandシリーズと大きく差は感じないですね。縦幅に至ってはケース形状もあってかMiBand6のほうが長かったり。ただし、無理にサイズを抑えたMiBand6とは違い、純粋に横幅にゆとりのあるRedmi Smart Band Proのほうがスマートバンドとしての利便性は格段に上だと感じます。
高級感よりは軽さ、つけ心地、目立たないか?といった部分にウェイトが大きいのでそういった目線で言えばRedmi Smart Band Proは、スマートバンドというカテゴリの中で最大限大きく、それでいて逸脱しないサイズ感という絶妙なバランスと言えます。
Huawei Band6がほぼスマートウォッチに近い印象とすれば、Redmi Smart Band Proはスマートバンドという枠組みは外れていません。
ウォッチフェイスはちょっと寂しい50種類
Xiaomi Wearから様々なウォッチフェイスがダウンロード可能ですが、その数は50種類とやや控えめ。全体的にポップ系だったりシンプルなものが多いですね。個人的にはもう少し写実感のあるウォッチフェイスがあれば良かったかなと。Xiaomi MIUIシリーズを連想するようなデフォルトフェイス等もダウンロード可能ですが、せっかく高精細で発色豊かなディスプレイを採用しているのならばもう少し賑やかなデザインがあっても良かったのに。MiBandシリーズのように特定のキャラクターとのコラボなども無く、まさしくどシンプルです。
AODに対応 ただし完全固定表示
Redmi Smart Band ProはAOD表示にも対応しています。MiBand6ではAODに対応していなかったのでここは差別化出来るポイントですね。ただし、AODの種類は固定の1種類のみで表示はめちゃくちゃシンプルです。AODはただでさえバッテリーを食うのでできるだけ表示はシンプルなほうが好ましいですが、ウォッチフェイスに応じたAODは非対応です。
購入は以下より!
Redmi Smart Band Pro(Banggood)
Redmi Smart Band Pro (Aliexpress)
優秀なバッテリー持ち 省電力駆動が魅力
Redmi Smart Band Proの一番のポイントはバッテリー持ちです。
公称は一般使用14日・省電力使用で20日となっています。昨今のスマートバンドでは大体これぐらいの電池もちを公称値とするんですが、実際は機能を絞ったりしないと行けない事が多いです。使う機能を増やすほど思ったよりも減るなっていうのが最近スマートウォッチの悩みどころでした。MiBand6ではそれが顕著に現れネガティブなイメージになってしまいましたね。
しかし、Redmi Smart Band Proでは健康機能をフルでONにしていてもびっくりするぐらい電池が減りません。まず、初日100%の状態から睡眠時のログ取得を使った後、1日を過ごしてみたんですがなんと100%から数字が動きませんでした。さすがにバグじゃないか?と疑いましたがw
実際は98%以降は順当に減っていきます。等分で減っていくよりかは何かしらのタイミングでまとまって減っていると思います。
実際に5日間ほどトータルで使ってみた結果最終的に23%しか消費しませんでした。
もちろん、私の使い方とかにもよるとは思いますが、昨今は多機能化するにあたってバッテリー持ちが犠牲になっている傾向が多かったんですが、ここ最近レビューしたスマートウォッチ・スマートバンドのどれと比べてもバッテリー持ちが良いと感じました。
Redmi Smart Band Proの動作感 日本語対応で軽快
Redmi Smart Band Pro
UI周りの動作感。バンドサイズながら動作感は良さげ。 pic.twitter.com/MFjN7ikNvv— ZAKI LABOガジェットレビュー (@ozakizaki1) February 2, 2022
Redmi Smart Band ProのUIは表示領域にゆとりがあるので、どちらかというとスマートウォッチに近くなっています。小さな本体サイズながら操作性は良いと思います。本機は、Xiaomi Mi Watch等も担当する70Maiが手掛けており、Xiaomiのウェアラブルとして統一感がありますね。サイズに似合わず操作感は軽く軽快です。また、日本語にもしっかりと対応しています。
Redmi Smart Band ProとMiBand6の比較。
今触るとMiBand6のUIはかなりキツい。狭すぎる。あと遷移が指に追従してないから操作性が悪い。無理に小さくしすぎて利便性を損なったから売れなかったのかな…? pic.twitter.com/hOufbp5ECD— ZAKI LABOガジェットレビュー (@ozakizaki1) February 2, 2022
久しぶりにMiBand6に触れるとやはり小さくて使いづらいと感じますね…。また、Redmi Smart Band Proが左右のスワイプが指に追従するのに対して、MiBand6は追従はしません。あくまでアニメーション効果で見せてるだけなんですよね。そういった細かいところで操作感に差が出ていると思います。
ファンクションのショートカットも二列表示になっており、スマートバンドながら使いやすいUIだと思います。また、レビュワーにはめちゃくちゃ嬉しい特定期間ディスプレイをつけっぱなしにするオプションまで付いています。一般の人には伝わらないかもしれませんが、スマートバンドでこの機能がついてるのは私は初めて見たかも。これがあると撮影が捗るんですよね。スマートバンドというカテゴリーでありながら、操作形態はスマートウォッチに近く使いやすいです。
メインメニューの操作が若干ややこしい。
一点UIに関しては実際に使ってみないと分からないややこしさも。Redmi Smart Band Proは物理ボタンを有していないので、基本的に戻る動作は左スワイプです。左右は貫通ループしているので特に問題ありません。上から引き下ろせば通知画面が表示されます。まぁこれも普通でしょう。
Redmi Smart Band Pro
唯一許せないメニューの出し方。下から引き上げたのに、下に戻せない謎。ここだけが特殊で、このせいで全体的なUXを下げているように思う。 pic.twitter.com/FzbJGHYmDm— ZAKI LABOガジェットレビュー (@ozakizaki1) February 2, 2022
すごく細かいんですが、メニューは下から引き上げる事で表示されるんですが、戻る場合は左スワイプなんですよね…。実際に動画で見てもらったほうがわかりやすい。
上・左右と来て、メニューのみ下から引き出して、戻る場合は左スワイプ…。感覚的に下から引き上げたメニューは、引き下げて戻ると思うじゃないですか?私だけですかね?この操作のせいで、全体的なUIの操作性がややこしく感じるんですよね。なぜここだけが特殊なのか…!
通知も日本語対応
通知に関してもしっかり日本語対応しています。中華フォントにもなっていませんね。絵文字も対応しているんですが、非対応の絵文字もあるようでその場合は*アスタリスクに置き換えれて表示されます。通知アイコンは対応しているものは表示されるようですが、残念ながらLINEは共通のメッセージアイコンでしたね。
Redmi Smart Band Proのヘルスケア機能は自動測定対応
ヘルスケア機能については昨今の4点セット(心拍・ストレス・睡眠・SpO2)にしっかり対応し、それぞれ自動測定に対応しています。また、前述したようにこれらをデフォルトでONにしていたとしてもバッテリー持ちは良く、MiBand6よりも明確に進化している点と言えますね。
それぞれの機能はもちろんON/OFFを個別に切り替える事も可能で、心拍数の取得感覚なども変更可能です。
SpO2(血中酸素濃度)は睡眠時のみ
一点注意点としては、SpO2の測定に関しては睡眠時のみ自動測定が可能です。日常では手動測定しか対応していない事は注意が必要です。また、自動取得感覚は30分か10分かの二択で、わりとざっくりめなデータになります。
睡眠ログについて
現時点でXiaomi Wearの睡眠ログはわりとオーソドックスで睡眠時間とレベルのグラフ化、心拍数とSpO2のプロットといった感じです。その他メーカーのスマートウォッチが呼吸ログやイビキ解析といった独自性を出しているのに対して、ちょっとアピールが弱いと感じます。
仮眠にもしっかり対応しています。ためしに昼に使ってみましたが仮眠時間として記録されました。1日のログには組み込まれないようですね。
ワークアウトは110種類から
ワークアウトはトータルで110種類から選択出来ます。また15種目はプロフェッショナルモードという事で個別に特殊なカウントなどに対応しています。
その他の機能 (ストレス・呼吸・女性向け機能)
ストレスレベルは自動で測定します。スマートバンド側でもある程度詳細なデータが参照出来ますね。
女性の健康機能はカレンダー形式で周期を見る事が出来ます。最近はこの機能も一般的になってきました。
その他機能について
その他の機能を軽くご紹介します。
天気
天気は1週間分の天気も参照可能です。残念ながら日の出・日の入り・潮汐といった情報は参照出来ないですね。
カメラシャッター
カメラシャッターはアプリ側であらかじめスマホとBluetooth接続すると使用可能です。リモートシャッターになります。
アラーム・ストップウォッチ・タイマー
アラームはスマホ側で設定、その他ストップウォッチ・タイマー機能が使えます。残念ながらtoDoはありませんね。
Redmi Smart Band Pro最大の強みはバッテリー持ち!Huawei Band6の強力なライバル
Redmi Smart Band Proは完全にHuawei Band6をライバル視したプロダクトで、スマートバンドのシェアを取り返すために発売されたと言ってもいいでしょう。
また、昨今はスマートバンドですらバッテリー消費が大きい中で、圧倒的な省電力駆動でロングバッテリーな事が一番のアドバンテージです。
以下、Huawei Band6とXiaomi Mi Band6と、Redmi Smart Band Proをそれぞれで比較した表です。
Redmi Smart Band Pro | Huawei Band6 | Mi Band6 | |
バッテリー持ち | ◎ | ○ | △ |
デザイン | ○ | ◎ | ○ |
UI | ○ | ◎ | △ |
機能性 ※独自機能のみ抜粋 | - | フェイスストア(オープン) | PAI ポモドーロタイマー |
価格 | 5,500円 (日本版は上がる可能性大) | 7,800円 | 5,900円 |
バッテリー持ちについて
Redmi Smart Band Proは何よりもバッテリー持ちが優秀でしょう。過去にレビューしたHuawei Band6とXiaomi MiBand6の1日あたりのバッテリー消費を比較してみました。それぞれ自動測定をすべてONにした上で使用した結果です。
Redmi Smart Band Pro | 日/5% |
Huawei Band6 | 日/11% |
Xiaomi MiBand6 | 日/14% |
使い方にもよると思いますが、Redmi Smart Band Proがやはりバッテリー持ちは良いですね。自動測定で特に睡眠時のSpO2が消費が大きいのですが、Redmi Smart Band Proでは消費電力に影響は少なかったです。
デザイン性
デザイン性に関してはRedmi Smart Band Proはシンプルではありますが、チープとも言えます。単純にデザインだけ言うならHuawei Band6のほうが良かったと思います。一方で、Mi Band6とサイズ感がさほど差が無いのは評価すべき点で、Huawei Band6はスマートバンドというカテゴリから若干逸脱しているようにも感じます。目立たないスマートバンドのギリギリのサイズ感がRedmi Smart Band Proでしょう。
UIについて
UIに関しては、Redmi Smart Band ProはMi Band6よりも劇的に改善はされましたが、Huawei Band6と比べると操作体系のツメが甘いように思いました。
一番の問題は下から引き上げるメインメニューの挙動ですね。その挙動のせいで操作体系が直感的にわかりづらくなっていると感じました。
UXはこういったとてもミニマムな部分が直結すると思うので、メインメニューを下に下げて戻す事が出来るだけで、操作体系がシンプルになるのになと感じました。
機能性
機能性について基本的な部分は3機種とも大きな違いはありません。ソフトウェアの設計方針の違いによる細かい差しか無いと感じます。独自機能としては意外な事に一番豊富なのはMi Band6で、PAIという独自健康指標とポモドーロタイマーなどのユニークな機能があります。
Huawei Band6においては独自のオープンウォッチフェイスストアがすでに展開されており、無料・有料の無数のウォッチフェイスをダウンロードする事が可能です。それらと比較するとRedmi Smart Band Proは独自のユニークな機能でアドバンテージは無いと思います。
Redmi Smart Band ProはHuawei Band6の強力なライバルに
現時点では日本発売はアナウンスされていないのでわかりませんが、価格的にHuawei Band6と同等かそれ以下になると思われます。かなり悩ましい選択肢になりますね。HuaweiのアプリがPlayストアではすでに更新が止まっており、最新を保つためにはHuawei独自のアプリが必要な事と、ブランドイメージなどからHuaweiよりはXiaomiを選ぶ方も多いと思います。機能性似ているため悩ましい選択となりますね。
スマートバンドというカテゴリーにおいてはバッテリー持ちもウェイトが大きいのでその点をも加味するとRedmi Smart Band Proを選ぶ人が増えるかも。
また、あくまでも小型で邪魔にならないスマートバンドを求めている人にはRedmi Smart Band Pro以上の選択肢はないと感じます。
購入は以下より!
Redmi Smart Band Pro(Banggood)
Redmi Smart Band Pro (Aliexpress)
蛇足 もうHuami製のMi Bandシリーズは出ない?
最後に蛇足になりますが、今回のRedmi Smart Band Proが発売された事で、これまでHuami(ファーミ)が担当していたMi Bandシリーズはおそらく今後リリースされないかな?と思いました。Mi Band6が発売された時点で、HuamiとXiaomiとの関係性が希薄になっている雰囲気がありましたが、今回のRedmi Smart Band Proが発売された事で、スマートウォッチ全般を70Maiが担当する流れが出来ましたね。
コレに関してはHuami(ファーミ)とXiaomiの関係が悪くなったという事では無く、Xiaomiエコチェーンシステムの正常な代謝と言えると思います。もともとエコチェーンシステム自体がスタートアップ企業が成長する事でシナジーを生む仕組みだと思うので。
エコチェーンシステムについては別記事で解説をしています。そちらを読むとXiaomi(シャオミ)という企業の面白さがわかるかな?と思いますのでぜひぜひ。