今回はGoogle Pixel 6aを投げ売りでゲット出来たので、レビューしたいと思います。
昨年7月に発売され、高い性能と手頃な価格で注目を集めたのがPixel 6aです。5万円という価格はかなりインパクトがあった訳ですが、何とここ最近ではキャリアの移動機販売を使う事で何と一括2万円という超ぶっ壊れた価格で入手をする事が出来ました。いわゆるお祭り価格ですね。
2万で買えた事がまずビックリではあるんですが、今回はそんなPixel 6aをしばらく使ってみた感想をお伝えしたいと思います。
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Pixel 6a アウトライン
Google Pixel 6a の特徴は、GoogleとSAMSUNGで共同開発した独自SoC 「Google Tensor」を採用している事が一番のポイントでしょう。Google Tensorは上位グレードの6無印、6Proと同じものを搭載しています。この独自SoCのスペックはざっとAntutuで70万程度を出す非常に優秀なスペックを持ち、6aは廉価グレードながら処理スペックは変わらず、その他の付加価値の部分、主にカメラやディスプレイといった部分で上位グレードと差別化をしています。
ただ、多くの人にとってPixel 6aのスペックは廉価グレードというには過剰とも言えるスペックを持っており、6aのスペックを5万円台で出した事が話題の中心でした。そしてそのインパクトは現時点においても通じます。何よりFelica対応なのもポイントが高いでしょう。
そして今回はそんなハイコスパスマートフォンが移動機物品販売で投げ売り2万円だったというのが衝撃的でしょう。 Pixelはキャリアの不要なアプリなども入っていないピュアなアンドロイドのため、実質的にハイコスパなSIMフリー端末と何ら違いありません。
なかなか敷居が高いと思われがちな移動機販売ですが、私は通常の量販店にて特になんの制約も無くスムーズに購入する事が出来ました。エリアやセールを行ってる期間などが限られているかもしれませんが、私のようなど田舎エリアでさえ普通にやっていたので多くのエリアで行われていると思われます。
Pixel 6a デザインチェック
Pixel 6aのデザインを見ていきましょう。Googleのプロダクトらしくかなりポップな印象です。また、特徴的なカメラユニット周りなので結構好みが分かれるデザインではありますね。ただ、廉価グレードながらも質感がとても良く安っぽさがまったく無いのがポイントが高いです。
まず、背面材質についてどう見ても、どう触ってもガラスにしか思えない質感をしているんですが調べてみるとこの背面は強化プラスチックとの事です。かなり質感が高く、逆にプラスチック製なのが本当なのか疑いたくなるレベルです。
Pixel6以降のデザインアイコンである特徴的なカメラユニットです。カメラはメインと超広角の2眼構成です。横一直線に伸びたカメラユニットが特徴的ですね。段差は見た目ほど深くありません。
サイドフレームはアルミニウムとなっています。低価格ながらしっかりとマテリアルにこだわりがあるため、質感はかなり高いです。ただ、結構滑りやすい感じはしますね。
Pixelシリーズ?の難点といえば電源ボタンと音量ボタンが一般的なAndroidスマホとは逆になっている点でしょう。これに関してはマジで慣れませんね。どう考えても電源ボタンは下の方が良いと思いますが、やはりここはアメリカ人基準なんでしょうか。本当に微妙に使いづらい位置にあるためこの点は明確に不満点です。
本体下にはステレオスピーカーとUSB-C。イヤホンジャックは残念ながら非搭載ですね。
ディスプレイはFHD+の有機EL 60hz
ディスプレイは6.1インチと昨今の基準で言えばかなりコンパクトなモデルと言えます。ディスプレイはほぼフラットでFHD+(1,080 x 2,400)しかも有機ELディスプレイを採用しています。この価格でしかも有機ELディスプレイというのはかなりコスパが高いと思います。ディスプレイ輝度に関してはピーク輝度800nitという事で特段明るいという印象も無いですが、液晶とは差があります。
また、上位グレードの無印/Pro版がハイリフレッシュレートなのに対して、無印版は60hzとなっており、この辺も差別化ポイントでしょう。
さすがに普段120Hzのハイエンド端末を使っていて、急に60hzに戻るとそれなりにカクつきを覚えます。ハイリフレッシュレートが出始めの頃は60hzで十分120hzなんぞ不要!という論調も強かったですが、これはもう古い考えかもしれませんね。ただ、正直、これは目の慣れによるところがあり60hzであってもしばらく使ってると目が慣れてくるんですよね。人間の眼は不思議です。
画面内指紋認証対応
生体認証は画面内指紋認証オンリーとなっています。価格的にサイドボタンが採用されてもおかしくないですが、しっかり画面内指紋認証なのはポイントが高いです。好みが分かれますが一般的には画面内の方が歓迎されます。私はガラスのフィルムを貼り付けていますが、認証速度・精度ともに問題ありません。もう少し寒くなってきて乾燥してくるとミスる感じがしそうですね。指紋認証を使う場合は、ガラスフィルムよりもTPUフィルムを使った方が良いと感じます。
本体重量は178gと比較的軽めです。ディスプレイもほどほどなサイズなのでコンパクトモデルというカテゴライズをしても全然通じるサイズ感です。
背面の質感と、アルミフレームなど相まって、廉価グレードとは絶対に感じない確かな質感があります。ただ、やはりデザインが人を選びますね。かっこいいか?と言われれば私個人的にはNoです。ただコンパクト感や新鮮さが勝って結構気に入っています。
Antutuは67万点程 Google Tensorのスペック
一番のポイントはGoogleが独自開発したSoC 「Tensor」でしょう。高いスペックをもちながら、AI処理などにも強化が入ったSoCです。そしてPixel6シリーズはSoCで差別化は無く、6a / 無印 / Proとそれぞれ同じGoogle Tensorが採用されています。
前評判ではAntutu70万点程という事でしたが、実際に計測すると67万点程という結果になりました。しかもこの値は外部冷却を利用した上で出されたスペックになります。
実際のところ普通に回すと60万点~55万点程と、発熱によってだいぶスコアが上下し安定感にかけます。
Tensorについては、SAMSUNGが製造に携わっており、中身はExynosと同等なのでは?という噂もあります。
とはいえ、60万後半~70万点程を出す優秀なSoCに変わりは無く、一般的な用途においては過剰とも言えるスペックなのは変わりありません。5万円台で買えるスマホとしても余裕で素晴らしいスペックですし、2万で買ったとなればそれはお祭りレベルのコスパと言えます。
Google TensorはAI処理が強い
Google TensorはAI処理がウリでそれを活かした面白い機能が使えます。
文字起こし機能
レコーダーアプリから、内容をテキストとしておこす機能があります。こういった機能は他のアプリでもありますが、Pixel6aの性能は非常に高く、インタビューや、会議などの場面で、かなりの精度でテキストになおしてくれます。また、自動字幕起こしという機能もあり、レコーダー以外に、何かしら話し声を検知してそれをテキスト化する機能もあります。
ユーチューブの動画などの音声はもちろん通話の文字起こしなどにも対応するようです。例えば何かしら不自由な方などのユーザビリティ目的としても使えそうです。
マジック消しゴム
写真の中から不要なものを判断しワンタップで削除する機能は、CMでも宣伝されていましたね。
何でもキレイに消せるような歌い方をしていますが、実際のところはある程度条件が揃っていないと不自然になりますね。
例えば空がバックで、鳥や電線といった物体を消すみたいなのは得意ですが、背景が複雑なものなどは不得意です。
これは、特定のオブジェクトの周りのピクセルデータをAIでサンプリングするためです。
バッテリー持ちについて
バッテリー持ちについては評価が難しいなと感じます。というのも、普段私がメインで使っているハイエンド端末などと比べると、比較的バッテリー持ちは良いとは思うんですが
この端末をターゲットとするユーザー層は、比較的ローエンド〜ミドルスペックを購入しているのでは?と予想します。
そのへんはAQUOS Senseシリーズといったかなりバッテリー持ちが良い端末が存在し、そういった、バッテリー持ちが良い端末らと比較すると、Pixel 6aのバッテリー持ちは「悪い」と感じるのでは無いでしょうか?
ライトな見た目に反して、SoCはミドルハイレベルのSoCをつんでいるため、過剰なスペックかつバッテリー消費も早いという事になるのでは無いでしょうか?
バッテリー持ちを重視するユーザーには向かないかな?と感じますね。
充電周りが少し弱い
またこれは上位グレードとの差別化のためですが、充電周りの仕様が少し寂しいです。
無線充電は非対応ですし、昨今のスマホとしてはかなり控えめな18W充電です。
カメラ性能
Pixel 6aはメインカメラに1200万画素のIMX363、超広角がIMX 386センサーとなっています。このセンサーはPixel 3シリーズより採用され続けているセンサーのようです。
Pixel シリーズはGoogleの優れたソフトウェア処理技術もポイントとなりますが、実際に写真の方はどれぐらいの性能があるかを見ていきましょう。
昼間
昼間の撮影に関しては、比較的あっさりとした色調に写ります。Xiaomiやサムスンといった彩度の補正強めのスマホになれていると、結構地味だなと感じます。ただ、ミドルグレードのスマホの画質としてみればそれはもちろん上位でしょう。
どちらかというと、カメラのハード的な力よりも、Google Tensorによるグラフィック処理による所が大きいと思います。シャッターを押した後にレンダリングされる結果を見ると「プレビューの感じよりも数段レベル良く出力される」という印象です。
もう少し彩度が載り、コントラストがくっきりした方がパッと見は良かったのではと思います。
ズーム
レンズは超広角と広角のみです。ズームは最大でデジタル7倍です。正直2倍以降の倍率は写真としてはだいぶ残念な感じになります。
夜景
夜景に関しては白飛びの抑え自体は優秀なものの、正直ノイズが目立つなと感じます。
ココ最近私が見てきた端末はXiaomi 12S Ultraや12T Proといった大型センサーを搭載したスマートフォンだったために余計に差を感じます。12T Proと比較すると、ノイズ、白飛び、解像度感と全体的に見劣りします。
一般的にPixel 6a は夜景強い!という評価が多かったんですが、個人的には「そこまで言うほどかな?」と思ってしまったのが正直なところです。まぁただ5万円台のスマホとしたらそりゃ凄いといえるかもですね。Pixel 6aよりも価格が高い場合でも、夜景がもっと酷いという事もありました。ちょっと自分の中でハードルが上がりきっていた感は否めませんね。Pixel 6aのように廉価帯グレードでありながら、グレード以上の撮影が出来るのはやはり強いと思います。
Google Pixel 6a 気になる点
全体的に完成度は高いPixel 6aですが、いくつか気になる点も上げておきます。
素のAndroidはシンプルすぎて使いにくいと感じた
PixelシリーズはピュアAndroidをベースとして、徹底的にシンプルな製品群です。そういったプロダクトなんだと分かってはいますが、やはり素のアンドロイドはなんだか味気なく、細かいところで使いにくいなと感じてしまいます。
いかに他のメーカーのUIが考えて作り込まれているかが良くわかります。通知バーをおろした際の挙動や機能、UIの余白の取り方など、私達が普段当たり前に使えているのはこういったメーカーの努力の賜なのだなと感じれます。
まぁそういったものを排除したのがPixelという事ではあり、アプリなどを駆使して自分でカスタマイズをするというAndroidの基本に立ち返るスマートフォンだと感じますね。
顔認証非対応
地味に顔認証に非対応なのもマイナス点です。Androidにおいては顔と指紋の2つの認証がほぼスタンダードだと思っていたので、結構使いにくいなと感じてしまいます。
前述したように、ディスプレイにガラスフィルムを貼ると若干精度が落ちるので、その場合は顔で認証してほしいわけですが、そういった使い方が出来ません。
無線充電器非対応
これは上位グレードとの差別化ポイントなのでしょうがないポイントではありますが、無線充電器に対応してないのは、実際使うと結構めんどくさいです。
こういった普段使いに直結している点こそ、コスパモデルは対応しておくべきと個人的には感じます。
余裕で現役利用が出来る優秀なコスパ機 2万で買えたら祭り
すでに新しいPixel 7シリーズも出ており、しばらくすれば7aシリーズももれなく発売する事でしょう。ただ、現時点において6aを買うという選択肢はまだまだ全然ありだと思います。
ていうか、まだ発売されてから数ヶ月しか経ってませんし、なんならここ最近発売されているコスパを謳うスマートフォン郡は、材料の調達コストが爆上がりしている昨今
全体的にスペックやクオリティという面が全世代よりも退化しているように感じます。
5万円という価格で買えるスマートフォンとしては十分に魅力的ですし、それが2万で買えたらならばスーパーラッキーというものです。
流石に2万円で購入できるスペックとしてはありえない程に高性能なのでキャリアから一括購入という敷居の高さはありますが、チャレンジしてみる価値はあると思います。