今回はRedmi Note 12 探索版を入手したのでレビューしたいと思います。
毎度驚くコスパで展開するXiaomiのRedmiシリーズですが、今回のRedmi12シリーズは付加価値に重きをおいたバランスの良いスペックが魅力的です。
そして、今回私が購入した探索版においては、ミドル帯ながらも
2億画素のメインカメラや、210Wの独自急速充電対応など、なかなかチャレンジングなスマートフォンとなっています。
Redmi 12シリーズはグローバル版も噂されていますが、今回は実際に1週間ほど使って分かったRedmi Note 12 探索版の良い点や悪い点をご紹介していこうと思います。
Redmi Note 12 探索版 アウトライン
まずはアウトラインです。今回私が購入したのは、Redmi Note12シリーズの最上位グレードにあたるDiscovery Edition(探索版)です。
その他SoCや、カメラ、バッテリー周りで差別化した、無印、Pro、Pro+と4つのエディションが用意されており相変わらずややこしいです。
SoCはPro版以上からミドルグレードのDimensity 1080が採用されており、スペック自体はまさにミドル帯といったところです。
カメラにはSAMSUNGの最新センサー ISOCELL HPXを採用し、このセンサーは2億画素を誇ります。ついにミドル帯のスマートフォンでも超高画素を採用するようになりましたね。カメラには光学手ブレ補正まで搭載される豪華仕様です。
また、探索版の最大のポイントは現時点でスマートフォン最速と言えるであろう、210Wの超急速充電に対応している事でしょう。
バッテリー容量自体は仕様上4300mAhと若干下がってしまいますが、フル充電までを約9分という驚異的なスピードで充填が可能です。
全体的にSoCはそこそこに抑えながら、その他の付加価値の部分でその他のミドル帯スマートフォンと差別化をしているように感じます。
価格に関して探索版は約5万円となっており、相変わらずコストパフォーマンスは抜群です。
SoC | Dimensity 1080 |
メモリ | 8GB/ LPDDR4 |
ストレージ | 256GB UFS 2.2 |
OS | Android12 MIUI 13 |
ディスプレイ | 6.67インチ FHD+ 有機EL 120Hz |
カメラ | 200MPメインカメラ (ISOCELL HPX) |
バッテリー | 4300mAh |
Redmi Note 12 探索版 デザインチェック ガラスバックで高級感あり
デザインの方を見ていきましょう。
多くのミドルスペックスマホでは、価格を抑えるために筐体デザインが安っぽくなりがちですが、Redmi Note12 ではプラスチックでは無く、しっかりガラスバックを採用しており質感とデザインがしっかりしています。
探索版のみ、ピアノブラックとワンポイントとなる金文字で上品で高級感マシマシな特別仕様となっています。
背面の仕上がりはめちゃくちゃ反射と、指紋が目立ってしまいますが、ミドルグレードとは思えない上質な仕上がりにうっとりとしますね。
カメラユニットもアルミニウムとなって背面のデザインはとても秀逸です。
サイドフレームは流石にプラスチックが採用されています。流行りのフラットフレームでこれまたカッコいいです。サイドの電源ボタンは指紋認証も兼ねています。ただ、Xiaomiのフラットフレームタイプの指紋認証ボタンはやや押した感じが薄いので個人的にはあまり好きではありません。
本体上部には、しっかりイヤホンジャックが搭載されています。
ディスプレイは6.67インチの有機ELディスプレイとなっており解像度はFHD+です。120hzのリフレッシュレートにも対応しています。
ディスプレイの品質は比較的高く、上位グレードのXiaomi 12T Proと比較しても同等以上のクオリティだと感じました。
データ上はピーク輝度900nitとなっていますが、日光下でもかなり見やすいなと感じました。
本体重量はガラス材質なこともあり中々ヘビー級の207gです。持った感じとしては結構ズッシリしてるのと、画面サイズが大きく、サイドがフラットなため 取り回しが良い端末では決してありませんね。
ケースとフィルムも勿論付いています。
ケースに関しては充電ポートにキャップの存在するタイプです。お願いだからこのタイプのケースは使いにくいのでやめてほしいです。
全体的に所有感にもコストのウェイトを大きく割いているなと感じます。
実際に探索版の質感とデザインとても素晴らしく、ミドル帯以上のクオリティがあると思います。
ポイント
筐体のデザインは別にスペックには何も影響はありません。その部分のコストを他に回せという意見も出そうですが、ターゲットとなるユーザー層にはこういった「ちょっとした豊かさ」を感じれるのが刺さるんじゃないかな?と深堀してみたり。
Antutuは50万程度 Dimensity1080
SoCは最新のミドルグレードであるDimesity1080を採用しています。Antutuではパフォーマンスモードにすることで約50万点程度を出します。ここ最近のハイエンドがちょうど100万点前後を出すようになってきたので、その基準でいうならば分かりやすくミドル帯だと言えます。
ちょっと前であったらば、50万点出せればミドルハイみたいな雰囲気があったりしましたが、ここ最近の感覚で言うならもうすでにワングレード下がった感は否めませんね。
注意ポイント
Dimensity1080ですが、実は性能の方は前作Dimensity920とほとんど変わりません。1080は2億画素センサーに対応した事が変更点となっています。
正直な事を言ってしまうと、前作RN11Proから買い換えるほどのインパクトがあるか?と言われると微妙なラインですね。
ポイント
ただ、スペックが低いという事は決してありません。ミドルグレード以上のユーザー体験をさせてくれるため、コスパは良いと言えるでしょう。
ゲーム性能もそこそこ
ゲーム性能についても正直そこそここなすレベルだと言えるでしょう。原神での初期設定は低設定となっており、そこから最高設定60fpsにすると流石にスペック不足感を感じますね。
カメラユニット辺りが熱くなってしまうので、外部クーラーもちょっとつけにくいです。ゲームについてはあまり過度な期待はしないほうが良いですね。
210Wの超急速充電対応
Redmi Note 12 探索版の最大のアピールポイントは現時点でスマホ向けチャージャーとしては最高の出力である210Wに対応している事でしょう。
また、今回の210Wチャージャーに関しては日本のコンセントとも相性が良く、しっかりと210W充電を体験する事ができます。理論上は4300mAhを約9分で充電してしまうビックリスピードとなっています。
ここ最近のXiaomiの急速充電技術の進歩は目覚ましいものがありますね。67W、120W、210Wとドンドン進化をしていきます。逆に210Wなんて大丈夫なのか?とちょっと心配になるんですが、大型のVCやシステムレベルでの保護機能等、Xiaomiの高い技術で安全に使える事を歌っています。
まず、チャージャーのデカさにビックリします。210W充電を行うにはケーブルも付属のものを使う必要があります。試しに別のケーブルを使ってみたら67Wまで出力が下がりました。ケーブル自体もC to Cになっていますね。
9分とはいかないが圧巻の速さ
試しにバッテリー残量12%から、100%までの時間を計測してみました。結果としたは約13分で満充電となりました。画面がつきっぱで計測していたのも影響していますが
謳い文句の9分にはちょっと届かない数字です、それでも信じられないような速度で充電をする事が出来ました。
ちなみにこれはニュースサイトで見たのですが、海外の検証では最大でも185Wまでしか出なかったそうで、その最大出力も数分後には120Wまで下がっていたそうです。
いろいろ条件が揃わないと謳い文句である9分充電は達成しないようですね。とはいえ、ここまでの速さをミドルグレードのスマートフォンに採用する事で差別化が出来ていますし、何よりマジで早いのでロマン機能っぽいですが、技術の進歩にビックリしますね。
ただ、Pro +と探索版の違いはこの210W充電だけで、そもそもPro+版でも120Wなので、正直Pro +でもいんじゃないかな?とも思ったり。
カメラ検証 2億画素 新センサーの実力
もう一つの特徴は、ミドルグレードスマホながら2億画素の新センサーを搭載したメインカメラでしょう。センサーはSAMSUNG ISOCELL HPXを採用しています。
2億画素といえば、最近Xiaomi 12T ProでもSAMSUNG ISOCELL HP1が採用されましたが
HP1が1/1.22型という大型センサーだったのに対して、HPXでは1/1.4型とややサイズダウンされたセンサーになっています。ただ、HP1がF値1.69だったのに対して、HPXでは1.65とより大口径になっています。その他、ミドルグレードながら光学手ブレ補正も搭載しています。
これまでのミドル端末のカメラ常識を覆すように、コストのウェイトが完全にカメラに向けられているのがRedmi Note 12シリーズの特徴でしょう。
今回は、そんな2億画素カメラの実力を上位グレードであるXiaomi 12T Proと比較しながら見ていきたいと思います。
一点不安なのは、カメラのハード面は豪華仕様となっていますが、SoCがDimensityという事で、この辺がカメラ性能にどう影響してくるか?という点です。実際の作例で見ていきましょう。
昼間 やや彩度が寂しく、黄色みが強い


早速なんですがDimensityらしい写りにしょっぱなからちょいガッカリな結果に。
まず、全体的に彩度が薄く地味な印象に見えてしまいます。これはDimensity端末おなじみの感じですね…。
Xiaomi 12T Proも、やや青みが強めではありますが、Redmi Note 12の黄色みはかなり目立ちますね。


白とびも結構おきます。Xiaomi 12T Proでは空のディテールが残っていますが、Redmi Note 12探索版は完全に白飛びしており、空と雲は判別出来ません。
これは昼夜問わずなんですが何だかクッキリ感が無いです。何かちょっとぼやっとすると言いますか。
色味が薄いのがなぁ…っていう感じです。過去にはRedmi K50 Proが地味な発色より、ド派手な彩度補正が入るアップデートがあったんですが、同様の調整が入ってくれればなぁと強く思います。
2億画素はさすがの解像度感だが


ウリである2億画素モードで撮影した結果です。16000pxの解像度はさすがです。
特定の箇所を切り取っても、ディテールがこれだけ残っています。
ただ、相変わらず色味は薄いままですね。
正直な所、超高画素の撮影って使い道無いよな?と個人的には思うんですよね。
夜景 くっきり感にかける
夜景についてもやや判断が難しい結果に。ダイナミックレンジが足りないのか、黒つぶれしやすい傾向があります。
4〜5万の端末として考えれば全然映りとしては良いと思えるんですが、カメラ期待値が高かっただけにハードルは上がっていました。
やはり夜景でもややくっきり感にかけます。


より暗い所で撮影をするとやや評価が変わります。先に撮影した場所は比較的光源が多い場所だってんですが、光源の少ない場所では全体的にバランス良く撮れているように感じます。


ただし右恥の石垣を見ればわかりますが、やっぱり黒つぶれ傾向はありますね。
フィルムフィルターが楽しい
コレはカメラ自体の機能ではありませんが、フィルターにてフィルムカメラ風のエフェクトをかける事が出来ます。
雰囲気のある写真に加工が簡単に出来るために楽しいです。
また、Redmi Note 12では独自の透かしを入れる事ができます。フィルムカメラのようなフレームや、探索版のロゴ入りフレームなど
Xiaomi 12S Ultraでもあったライカ透かしのように、それを付けるだけで何か写真が良い感じに見えてしまうズルい機能ですね。
個人的にこの機能はめちゃくちゃ評価します。
動画の手ブレ補正はFHD/30fpsのみ?
動画性能について見ていきましょう。本機はOISがついていることも特徴ですが、動画撮影時にはそれらが活かされるでしょうか。
動画最大で4K/30fpsで撮影できます。試しに撮影をしてみたんですが…。何か明らかにこの解像度では手ブレ補正が効いていないようです。
Redmi Note12 1080/60fps
手ブレ補正は効かない pic.twitter.com/ds1sPwocmK— ZAKI LABOガジェットレビュー (@ozakizaki1) November 16, 2022
1080p/60fpsでも同様に手ブレ補正は効きませんでした。
1080p/30fpsまで下げると手ブレ補正が効くようで、見るからに滑らかになりました。
1080/30fpsでようやく手ブレ補正が効く pic.twitter.com/dJLvsE6s4c
— ZAKI LABOガジェットレビュー (@ozakizaki1) November 16, 2022
30fpsで動画撮る事なんで個人的にはほぼ無いのでこれはマイナスですね。動画についてはOISが動作しているのかがわかるソースが無く断言は出来ませんが、おそらく特定の解像度でしか機能していないと思います。ミドルグレード端末なりに、分かりづらい所でコストを落としているということですかね?
期待値が高かった分 落差が大きい
カメラについてまとめると、2億画素!と大々的に推しまくっていたわりに実際はそこまで良いとは思いませんでした。
これはDimensityのISP性能の低さによるところだと思います。コレまで見てきたDimensity端末のほとんどに言えることですが
いかにハード面が良かろうとそれを活かしきれていないんだと思います。
コレがSnapdragonだった場合に一体どんな結果になったのか?が気になります。
注意ポイント
少なくとも、カメラ性能に期待をしているユーザーにはそれを裏切ってしまうカメラ周りだなと感じました。
良い点、イマイチな点まとめ
良い点
- デザインと質感が秀逸
- ディスプレイが綺麗
- 210W充電
イマイチな点
- カメラ性能
良い点
まず良い点としては、デザインと質感がグレード以上な所でしょう。特に探索版は過去のMlXシリーズなどのプレミアムラインにも通ずるようなデザインをしており、廉価帯という事を忘れるぐらいカッコいいです。
筐体の質感やデザインに関しては全然スペックとは関係無いので不要と感じる人には無駄なコストでしか無いのかもしれませんが、個人的にスマートフォンのようにつねに使い続ける事が前提であるものに対して、質感優れているというのはスペックと同じぐらい大事だと私は考えます。
ディスプレイに関しては特に公式で目立ってアピールはされていませんでしたがミドルグレードとしてはかなり良いパネルが使われていると感じましたね。Xiaomi 12T Proと比較しても明るさが勝っているとも感じたので、地味に評価できるポイントでしょう。
そして最大のポイントは210Wというパワフルすぎる充電環境です。ミドルグレードでこういったチャレンジングで尖った事をしてくれるのはガジェットファンとしては嬉しい限り。実際にとんでもない速さで充電できると実用性もバッチリです。
イマイチな点
イマイチな点は実はそんなに多くなく、カメラ周りだけだと思います。ただ、そのカメラ周りのウェイトがとてつもなく大きいんです。
今回のRedmi Note12 シリーズは前作よりもスペック的な変更はあまり大きく無く、進化のほとんどがカメラに向けられています。
2億画素新センサー、OIS搭載と期待値も上がったわけですが蓋を開けてみるとそれらハードウェア性能を活かせないDimensityという悲しい結果になってしまっています。
もちろん4〜5万のミドルグレード端末と考えればそこまで悪くないんじゃないか?とも言えなくは無いんですが、いかんせん期待値が高すぎたとも言えます。
この構成でSoCにスナドラだったらどうなったのだろう?と感じますね。まぁ現状HPXに対応するスナドラがあるかは分かりませんが。
Remi Note12 探索版 まとめ
最後にトータルで言うならば、個人的にはそこそこの処理性能、筐体質感、ディスプレイ、210W充電とポジティブに感じる点が大きくミドル端末としては良い端末なのは間違いないと感じます。
ただ、前作のNote11Proなどから進化も乏しいと感じるのでわざわざ買い替えたりするものでも無いなというのが率直な意見です。
また、カメラが微妙というのがわかったため、わざわざ2億画素のためにPro+と探索版を選ぶ必要もなさそうなので買うならばPro無印だろうなとも思います。