今回はAmazfit PowerBuds Proをレビューしたいと思います。Amazfitといえばスマートウォッチという印象が強いと思いますが、独自のヘルスケアセンサー開発などスポーツ・フィットネスに特化したトータルウェアラブルメーカーという側面があります。今回ご紹介するPowerBuds ProもAmazfit独自のヘルスケア機能を搭載したとてもユニークなTWSとなっています。
※提供:Amazfit
https://www.amazfit.com/jp/powerbuds-pro
- 40dbのノイキャン性能(プロファイル自動調整機能有り)
- 心拍センサー搭載でフィットネス対応
- 頚椎保護機能(ネックリマインダー)
強力なノイキャン性能の他、さすがAmazfit製という事でばっちりフィットネス機能を盛り込んできました。また、頚椎保護機能という、いわゆるストレートネックリマインダーも搭載しています。
スペック表
ざっとスペックは以下の通り。付加機能モリモリすぎ。
接続 | Bluetooth バージョン: BT 5.0 |
防水/防塵性能 | IP55(イヤホンのみ) |
バッテリー | ・イヤホン9H (ケース込み30H) ・ANC時5H45m (ケース込み19H) |
コーデック | AAC/SBC |
付加機能 |
|
本当にイヤホンのスペック表なのかと疑うぐらいに機能豊富です。さすがはヘルスケアのAmazfitです。
同梱物・デザインなどチェック
パッケージと同梱物は以下の通り、本体・ケース・イヤーピース・マニュアル・充電ケーブルです。
カラー展開はAmazfitにはめずらしくホワイトのみ。ケースはサラッとしたプラスティック製です。ちょっと滑りやすいかも。
長さ | 60.4 mm |
幅 | 47.3 mm |
厚さ | 25 mm |
重量 | 約 42 g |
イヤホン本体はホワイトとオフホワイトのツートンです。
耳裏の黒い部分はセンサー?外すと自動で音楽を止める機能などもあるのでそれ用のセンサーかも。
高さ | 35.2 mm |
幅 | 16.7 mm |
奥行き | 23.4 mm |
重量 | 約 6.7 g |
コンパクトながら多機能なので、諸々センサーなどが詰まっています。マイクもそれぞれ3つずつ搭載し、両方合わせると合計6基
本機は心拍数の取得が大きなポイントなんですが、一体どこにそのセンサーがあるんでしょう??探してみると、右耳のイヤピースを外した部分にセンサーがありました。スマホのカメラ越しで見ると、しっかりセンサーが発光しているのがわかりますね。
イヤピースはS/M/L/XLの合計4種類から選択可能です。ノイキャンはイヤピースのフィット感も影響が大きいので自分にあったサイズを選択しましょう。
んで、さっきの心拍センサーで思ったんですが、もしかしてイヤピースは半クリアな純正品じゃないと心拍数の取得が厳しいんじゃないかな?と思いました。
※お気に入りのイヤピースなどを使うともしかしたら心拍数機能はデッドファンクションになってしまうかも。
本体のうどん部分にはタッチセンサーを搭載しています。タッチセンサーですが、操作時に耳の方に小さく「カチッ」という音のフィードバックが入ります。これがリアルでまるで物理ボタンを推しているかのようです。ノイキャンのオン/オフや曲送り・スマホ側のAIアシスト呼び出しなどが設定出来ます。
全体的にAmazfitらしいモダンでスポーティーな印象です。
最大40dbの強力なノイキャン性能(ANC)
これまでノイキャンイヤホンは5,000円の安価なモノを使っていたんですが、Amazfit PowerBuds Proのノイキャン性能が違いすぎてビックリしました。
非常に強力なノイズキャンセリング機能を搭載しています。
ノイズキャンセリングのプロファイル
ノイキャンには4つのプロファイルモードがあり、それぞれ得意とする帯域に違いがあります。以下はプロファイルの一覧と、私の体感的な感想です。
旅行 | 飛行機・鉄道の運転ノイズに対するパフォーマンス 体感:低音域の騒音が消える エンジン音など |
運動 | 屋外の状況に対応 運動の安全性を高める 体感:車の音が聞こえる・風切り音が消える |
屋内スポーツ | 人の声と周囲のノイズバランスを取る 体感:ある程度人の声が聞こえるようになる |
適応 | 周囲のノイズ環境に合わせてオート |
結構強力なので「旅行」のプロファイルで道を歩いていると車の音がわからない事も…
その場合は、「運動」のプロファイルだと、車の走行音などは聞き取れます。ただ、いちいちZeppアプリでプロファイルを変えるのも面倒なので基本は「適応」モードにして使いました。
適応モードにしている場合、例えば屋内から屋外に出る際に一瞬風切り音が上手く処理出来ない瞬間があったりしますが、その後は自動で調整をしてくれているようでした。
本体のうどん部分を摘む事で、アンビエント(外音取り込み)とOFFを瞬時に切り替える事ができます。うどん部分のタッチセンサーの音のフィードバックが良く出来ていますね。まるで物理ボタンを押しているかのように分かりやすいです。
健康に気を使うTWS 健康モニタリング機能
機能面を見ていきましょう。Amazfit Power Buds Proのユニークポイントは、前述した心拍数センサーなどを含めた健康モニタリング機能です。
- 心拍数モニター
- 頚椎保護リマインダー
- 聴覚保護機能
心拍数モニター
ワークアウト自体はスマホ本体でスタートする必要がありますが、イヤーピース内のセンサーにてワークアウト中に心拍数を測る事が出来ます。
また、ランニングを自動検出、一時的にイヤホン側の運動データを保存した後にアプリに同期するという事もできるようです。
心拍数アラートも設定する事ができ、ワークアウト中にダイレクトにイヤホンが通知をしてくれるのでスマートウォッチよりもわかりやすいかも。
頚椎保護リマインダー・ウェイクアップアラート
個人的に一番推したいのは頚椎リマインダー。首の頚椎の角度を検出しどれぐらい首に負担がかかっているかをアプリ側で確認が出来ます。
私は長年デスクワークメインなんですが、この年になって「姿勢」の重要性が本当にしみます。
コーディングやデザインワークなどで1日8時間以上座りっぱなしなんてザラですが、そういった負担が蓄積し肩こりから頭痛、はては腰痛と
もう体のすべてがボロボロになります。その一番の原因が姿勢なんですよね。40分以上頚椎に動きが無いのを検知すると、リラックスを促す事も可能です。また、頚椎以外にもベーシックなスタンドアップアラートも付いています。Amazfitならではの機能ですね。
聴覚保護
WHOの提唱する聴覚保護基準というものがあるようで、1週間に80dbで40時間という基準があるようです。音楽をガンガン聞く人であればもう少し音量が上がると思うのでデシベルが上がると40時間という基準も短くなるようです。いわゆる「イヤホン難聴」ってやつですね。グラフ化される事で、危機感みたいなのが出て良いかも。
ここまで健康に気を使う機能が満載のTWSがこれまであったでしょうか?!
これぞAmazfitというぐらい多機能なTWSですね。ユニークすぎて変態仕様と言ってもいいぐらいですw
ただ、実際のデスクワークで体を壊してしまった身からすると、これらの健康保護機能は本当に無視出来ないんです。
1~2年という時間をかけてじわじわと習慣になってしまい、ある日ドカンと来るわけです。特に姿勢は大きくて視力低下や慢性肩こり・腰痛・自律神経系と影響する範囲があまりに広いんです。
何かイヤホンのレビューとは思えないような事を書いていますが、こういった付加価値がついているのはAmazfit Power Buds Proだけなんじゃないでしょうか?
音質は低音重視で迫力満点
肝心の音の傾向としては「低音重視」です。ドスドスと低音が効く迫力のある感じで激しめの音を聞く際は非常に迫力のあるサウンドを楽しめます。特にベースラインの強調が強めで、リフが出るのでハードロックなどはめちゃくちゃ相性が良いです。
高音域に関しては若干丸くなる?傾向があります。(丸くなるという表現が正しいのかわかりませんが…)
たとえば、私が良く効くライブラリ ヘヴィメタルの金字塔MEGADETH(メガデス)。全盛期のボーカルはつんざくようなハイトーンが特徴なんですが
それが若干マイルドになって聞きやすくなります。高音域に関しては個人的にはポジティブな印象です。
一方、中音域に関しては正直苦手かもしれませんね。低音域の迫力にひっぱられて、解像度感が無くなってしまいぼやけます。
イコライザー機能
基本は低音重視ですが、サウンドイコライザーで音質は調整する事が出来ます。ダンス・ブルース・クラシックといった10個のカスタムイコライザーから、さらに自分で各音域をスライダーで調整する事が可能です。
私個人としてはヘドバンするようなイカついサウンドライブラリーが好みなので、このイヤホンの音の傾向は凄く相性が良いです。一方で、めちゃくちゃベースが強調されるのでいろんな曲が骨太に聴こえてしまいます。ライブ会場感が出るのは良いですが、好みが別れるポイントではあります。
ちなみに音に関してもさすがヘルスケアのAmazfit。エクササイズ中は自動で音楽の低音域をブーストし、運動中も聞きやすくする機能も使う事ができます。
気になった点
気になる点としては、ケースから取り出しづらい事ですかね。
まず、ケースに入った状態でイヤホン側に切り欠きが無いので指の支えが無くて滑りやすいです。ちょっとでも切り欠きがあったら取り出しやすいのに…
また、ケースへの格納方法が独特です。以下某メーカー製との比較です。Amazfitは外側にイヤピースが向いていますよね?
どういう事かというと、Amazfit PowerBuds Proは、取り出した後に一回ひっくり返さないと耳に入れられないんですよね…
某メーカー製はそのまま耳に装着できる
Amazfit PowerBuds Proは向きを変えないと付けられない
これが結構ストレス。ツルツルしてるから滑りやすいし…。わりと高級帯に入る商品なので誤って駅のホームとかで落としそうで怖いです。
まとめ 他に無いユニーク機能満載のANC/TWS
最後に良い点と悪い点をざっとまとめたいと思います。
Good Point
- 独自のヘルスケア機能満載
- 強力なノイキャン機能
- 低音重視で迫力満点
- イコライザー機能
Bad Point
- 取り出しにくいケース
- 価格
充実した機能と、その他メーカーには無い独自のヘルスケア機能が満載な事がAmazfit Power Budsの最大の強みでしょう。音質も低音重視の方にはめちゃくちゃオススメ出来ます。一方、ケースの設計に関してはもう少し使いやすさを考慮してもらいたかった事と、最後にやはり価格が気になりますね。
もちろん、これだけ機能が詰め込まれているのと、Amazfitだけのユニーク機能と、それ相応の付加価値がてんこ盛りではありますが、価格帯的には高級帯に入ってしまっているので気軽に試せるレベルではありませんね。
Amazfitの独自機能にどこまで付加価値を感じるかで「価格」の評価も変わってくるプロダクトだなと感じました。