今回は、70mai Saphir Watchをレビューします。実はこのスマートウォッチ、今爆発的に売れているMi Watchを作っているメーカーが独自ブランドで発売したスマートウォッチです。なので中身はほぼMi Watchと同様です。しかも、Mi Watchと違い質感と見た目にステータスをめっちゃ振った事で、高級感のある作りになっておりしかもしかも、aliexpressで1万5千円程度で買えてしまう、隠れコスパ最強ウォッチとなっています。
70mai Saphir Watch (Aliexpress)
外観チェック サファイアガラスとアルミボディが高級感ある
まず、名前にもあるようにガラスにサファイアガラスを採用しています。サファイアガラスとは非常に硬い材質で一般的にわりと高価な時計等に用いられる材質です。
モース硬度という基準でいうと9という硬度で、スマホによく使われるゴリラガラスなどは硬度5程度だそうです。サファイアガラス以上の硬度を持っているのは硬度10のダイヤモンドという事で非常に傷つきにくい材質という事ですね。実際にサファイアガラスを使った時計を10年ほど持っていますが、傷はほとんど入っていないですね。というわけで割と高級な材質で、Huawei Watch GT2 Proとかでも採用されています。
※ただし傷つきにくいのと、割れないとは違います。衝撃に耐性があるわけでは無いので注意
ガラス面はエッジが切られていて、角度によって輝くんでとても高級感があると思います。2.5Dガラスが使われる事が多い昨今ですが逆に角の経ったフィニッシュは新鮮に感じます。
本体ケースはアルミが使われていますが、これがまたかっこいいんです…!エッジ部分がガラス同様に削り出しになっていて角度によってキラキラ輝いて見えます。ボタンも同様にエッジが磨かれているので、動かすことでキラキラツヤツヤと高級感がやばいです。サイドにはボタンが2つ。こうやって見ると、某リンゴ時計にも負けないぐらいのクオリティがあります。
バックケースはセラミックになっています。実際に手に持った時に質感の高さはおそらくこのバックケースの材質によるものかと思います。ここがプラスチックだったらばここまでの質感は出ていませんね。本体重量は32.2g(ストラップ抜き)とそこまで重く無いんですが、サイズの割にしっかりとした重みを感じます。所有欲が満たされる感じという表現が良いでしょうか。
フルオロエラストマーのHuawei Watch GT2 Pro
それと比べても質感が良い
ベルトはこれまたコストの掛かるフッ素コートラバーになっています。通常のシリコンラバーと違いしっとりとした質感です。コストを削られやすい部分ですが、そこも抜かりない事からこのスマートウォッチのマテリアルに対するこだわりを感じますね。ベルトは一応クイックリリース式で変更も可能ですが、取り付け部分が若干特殊で、本体幅20mm、ラグ幅18mmとちょっと差があります。一体感を出すため特殊な形状になっていますね。
程よい重さと、フッ素ラバーベルトによる着用感の良さ、高級感のある外装と、デザインと質感に関して言えばここ最近かったスマートウォッチの中でも
かなり高い評価になると思います。厳選されたマテリアルという事で、その質感はHuawei Watch GT2Proにおとりませんね。それでいて価格は15,000円ほどで利益度外視なのでは?と思ってしまうほどです。
高精細なディスプレイを搭載
ディスプレイは1.78インチのAMOLEDで縦368px・横448pxという高精細なディスプレイが搭載されています。サファイアガラスの質感の高さもあいまって実際に目で見るクオリティは数値以上に感じますね。キーテーマであるこのウォッチフェイス(火星)はアニメーションにも対応していて発色も良くディスプレイの品質が良い事がひと目でわかります。
ウォッチフェイスの種類が少なめ(30種類)
高精細で品質の良いディスプレイを搭載していますが、それを活かすウォッチフェイスの種類が少ないのはもったいないポイントです。
現時点でウォッチフェイスは30種類と、その他メーカーの主力機と比べると若干少ないかなと思います。
ウォッチフェイスはMi Watchと共通しているものもあります。ウォッチフェイスのクオリティに関して言えば、AmazfitやHuaweiの公式と比べると若干デザインで差を感じますね。MiWatchにも言える事ですが、もう少しデザイン性を上げてほしいかなーという感じ。前述した火星ウォッチフェイスはぬるぬるアニメーションであれだけのモノを表示できるスペックがあるのに、肝心のウォッチフェイスのクオリティが今ひとつなのは残念なポイント。
おそらく追加のウォッチフェイスもあまり期待出来ないかなーっていう印象。MiWatchは定期的に新しいのが追加されていますけどね。
頑張ればウォッチフェイスを自作できる(要画像処理技術)
実は、頑張れば自分でウォッチフェイスを作る事も可能です。中国版MiWatchではベータ版として自作フェイスをインストールする事ができるんですが
それに合わせてウォッチフェイスを作成する「EasyFace」という謹製のソフトウェアも提供されています。そのソフトウェアで70mai SaphirWatch用のフェイスも作る事ができるんです。
https://na-bbs.70mai.com.cn/?thread-906.htm (70mai コミュニティより)
作成と登録の仕方はマニアックすぎるので割愛w(あと現状自分もわかってない事が多いので…)とりあえず自分で作ってみたウォッチフェイスです。
こんな感じで画像処理スキルと中国語オンリーのソフトウェアUIに負けなければ作れますw
XiaomiのMi Watchは海外で自作フェイス文化が活発なんですが、この70maiは影が薄いのか作ってる人がほとんどいませんね…
動作感/機能面/GPS/バッテリー持ちなど
動作感はヌルヌルというよりはキビキビという印象ですね。操作感やUI等はほとんどMiWatchと同じです(四角か丸かの違い)
メインメニューも同じくタイルUIです。あとしっかりUIと通知ともに日本語対応されています。日本展開してないのに!
※しっかりローカライズしてるんでもしかして今後展開を予定しているのかも。
ざっと大まかに機能をリストアップすると
- フィットネス(17種目)
- 心拍数測定
- 睡眠トラッカー
- エネルギー(自分の体力を擬似的にエネルギーとして表示する)
- ストレスチェック
- 呼吸トレーニング
- アレクサ
- アラーム/ストップウォッチ
- 気圧
- コンパス
こんな感じ。Mi Watchでは対応していないGoogleFitとの連携も可能なようです。
SpO2(血中酸素濃度測定)に非対応
昨今では当たり前なSpO2に非対応なので注意です。これは中国本土版のMi Watch Colorも同様で、タイミング的にはその頃に作られたモノだからかなっと。
SpO2を含める事でアクティビティや健康管理といった項目の深み?が出ているのでちょっと残念なポイントです。
アレクサに対応(ただしAndroidは日本語不可?)
一方、最近の流行りである音声アシストにはバッチリ対応しています。Mi Watchでもアレクサに対応していましたね。ただしこの70mai Saphir Watchはちょっと癖がある仕様になっていて、Android環境では日本語で応答してくれないっぽいです。一部環境では対応してる(iOS??)っぽいので謎。
GPSに関して
GPS、GLONASS、Galileo、BDSとMiWatchと同じ構成ですね。4つの衛星対応してるならめっちゃ精確なんじゃ!!とかおもったりしますが
実際恩恵はあまり感じないかなーっていうのが正直な所。おそらくそれぞれの大陸にて最適な測位衛星という事ですかね?(ごめんこの辺薄い)
ただし、MiWatch自体はGPSの精度は良いと思います。ここ最近レビューしてきたスマートウォッチでのGPSの精度を
"体感的に図る"としたら下記ような感じに。上に行くほど良いと感じました。
- Mi Watch / Mi Watch Lite
- Amazfit T-Rex PRO / 70mai Saphir Watch
- Huawei Watch Fit
- Amazfit GTR2
ざっとこんな感じ。あくまで自分が使ってみた感じですね。同じ道を通ってみての結果という感じです。その結果、Amazfit T-Rex Proと同等かな?っていう印象でした。Mi Watch / Liteは通った道も正確だったんですが70maiは道が一本ずれてたんですよね。GPSの精度を測る方法がコレで合ってるかはわかりませんが、結果としてはそうなりました。※天気とかにもよるのかも
バッテリー持ちに関して
バッテリーは公称10日ですが、実際に月曜~金曜で使ってみた結果おおよそ50%ほどまで減りました。という訳でおおよそ公称通りのバッテリー持ちなんじゃないかな?
まとめ 基本性能良し、見た目良し、ウォッチフェイスが少ない!
というわけでまとめると、タイトルの通りですw性能としてはMi Watchのベースになってるんで申し分無いと思います。SpO2に対応していない事が前世代感を感じますが、アレクサに対応している点は最新の仕様です(ただし日本語が半端対応)
70mai Saphir Watchの一番の特徴は、とにかく外観にこだわりまくった所ですかね。
質感の高さはここ最近見てきたスマートウォッチの中でもかなり高いです。これに匹敵するのってHuawei Watch GT2Proぐらいだと思います。それでいて価格は15,000円程度で買えてしまうとうのは、中華ガジェットの醍醐味を詰め込んだような感じです。
だからこそウォッチフェイスの少なさが惜しいです。こんだけゴージャスな仕様なのに!この外装に劣らないデザインがほしかったです。
今回が70maiとしては初スマートウォッチだったわけですが、これだけの品質のものが作れるブランドだという事がわかったので今後が凄く楽しみですね!
Mi Watchが大ヒットを飛ばしたので、HuamiのMi Bandとの同じブランド内での食い合いがちょっと気になりますが…