今回はPOCO M4 Pro (4G)を入手したのでレビューしたいと思います。
コストパフォーマンスの高いモデルを乱発するPOCOですが、今回のM4 Proはエントリー帯にマトを絞ったようなスマートフォンでした。
先にM4 Pro 5Gというモデルも発売していますが、デザインやスペック諸々まったく別物と言っていいでしょう。またXiaomiから発売されたRedmi Note 11Sのリネームと思いきや、またそれとも微妙に違う。結構ややこしいモデルです。
今回はしばらく使ってみて感じた良い点・悪い点をお伝えします。
アーリーバードセールを3月2日より開催
アーリーバードセールを3月2日より開催するようで、ストアクーポン適用で6GBが179ドル、8GBモデルが229ドルに!
以下動画でもレビューを公開しています!
POCO M4 Pro(4G)良い点・悪い点
まずはざっくり良い点・悪い点のアウトラインです。エントリースマホとしては要所抑えた構成です。有機ELディスプレイや急速充電、WideVineといった部分が、その他のエントリースマホとは差別化されている点でしょう。一方で5Gに非対応で、リネーム元であるRedmi Note 11Sの108MPカメラより64MPカメラに変更している点は注意が必要です。
良い点
- デザインが新鮮
- 比較的コンパクトで軽い
- 有機EL採用
- 33Wの急速充電対応
- イヤホンジャック有り
- WideVine L1対応
悪い点
- 5G非対応
- カメラ性能
- スペックはほどほど
- 対応バンド(ソフトバンク◎)
POCO M4 Pro(4G) スペックアウトライン
以下はPOCO M4 Pro (4G)のスペックです。SoCにHelio G96を採用し、メモリは6GBと8GBから選べます。また、仮想メモリ機能により3GBを追加する事も可能で8GBならば最大11GBのメモリになります。見ている感じ「Redmi Note 11S」とスペックは近いようですが、108MPのカメラから64MPのカメラに変更されているのが大きな変更点です。
SOC | Helio G96 |
メモリ/ストレージ | 6GB / 128GB or 8GB / 256GB メモリ:DDR4 ストレージ:UFS2.2 仮想メモリ+3GB拡張可能 |
OS | MIUI13 for POCO (Android11ベース) |
ディスプレイ | 6.43インチ FHD+(1080px ✕ 2400px) 有機ELディスプレイ 最大90Hzのリフレッシュレート 180Hzのタッチサンプリングレート |
カメラ | メイン: 最大64MP 超広角 : 8MP マクロカメラ: 2MP |
バッテリー | 5000mAh / 33W急速充電対応 |
対応バンド | 4G: LTE FDD:1/2/3/4/5/7/8/20/28 4G: LTE TDD:38/40/41 (B41 2535-2655MHz) |
POCO M4 Pro(4G) 特徴的なデザイン 個人的には大好き
POOC M4 Pro(4G)のデザインを見ていきましょう。やはり目を引くのは大きく横に伸びたカメラユニット。実際のカメラ自体は左端の列だけですが昨年のXiaomiフラッグシップ Mi11 Ultraのようなデザインになっています。過去のPOCOシリーズでも塗装でカメラユニット周りを大きく色分けするデザインはありましたが、今回は実際のパーツで区切っています。
そのためデザイン的にはかなり癖が強くなっていますが、個人的にはかなり新鮮なデザインで気に入っています。メインカメラ周りは光が放射状に反射するようになっており、右端には我らが「POCO」のロゴが鎮座します。
特徴的なカメラユニットですが出っ張りはそこまでありません。ちなみに同時発表のPOCO X4も同様のデザインテイストです。
背面はプラスチックですが、最近増えてきている独特なテクスチャーで素材感をアップした背面になっています。表現しづらいんですが、荒目の布?のような手触りですかね?サラサラとしておりプラスティッキーな印象ではないですね。背面は端が緩やかにカーブしています。
フレームもおそらくプラスティックですが、質感は良くアルミと間違えそうです。昨今流行りのフラットタイプに近い側面をしていますが、完全に角ばっているわけでは無く、カーブとフラットの中間ぐらいの仕上がりです。個人的にはもう少しフラットによっていた方が好みでした。
上部はスピーカー、IRブラスター、イヤホンジャックという構成。イヤホンジャックを搭載されている事が最近ではメリットみたいな扱いになってきましたね。
ボトムにもスピーカーがありステレオになっています。
右サイドは音量と指紋認証を兼ねた電源ボタンがついています。
左サイドはSIMスロットのみ。SIMスロットはSDカードが独立しているタイプですね。
ディスプレイはエントリーモデルながら90Hzの有機ELを採用しており発色・コントラスト・輝度と全体的に良いと感じます。ちなみに初期フィルムはついています。
実際に手に取ると比較的コンパクトなモデルだなと感じます。Xiaomi 11Tと比較すると縦横ともに一回り小さいです。また重量は179gと5000mAhとしては軽めで、持った時に感じる印象としては思ったよりも軽め。背面材質がプラスティックなのが大きいですね。
高さ | 159.87mm |
幅 | 73.87mm |
厚み | 8.09mm |
重さ | 179.5mm |
ちなみにおなじみのクリアケースもしっかり付属しています。ケースをつけると段差がほぼなくなります。
かなり癖があるので好みははっきり分かれるでしょうが、個人的にこのデザインとても気に入っています。最近のエントリーはどれも似たようなデザインが多いのでここまで独特だとそれも新鮮で良いです。個人的にはもう少しフラットに寄ったデザインだったら良かったのにとも感じます。
POCO M4 Pro(4G)はHelio G96を採用。Antutuは30万点ほどに
POCO M4 ProはHelio G96を採用しています。Antutuスコアで言うとおおよそ30万点ほどのスコアになります。次期フラッグシップが出揃っている中でこのスコアはエントリー帯に近い数値になってきますね。ミドルローぐらいの性能でしょうか。とはいえ、一般的な用途であれば30万~40万ほどあれば何の不満も無く使えると思います。
このレビュー時にはまだ価格情報が分かっていませんので断言は出来ませんが、おそらくRedmi Note 11S同様に低価格帯のモデルになると思います。その観点から言えば十分なスペックだと言えるのでは無いでしょうか?
顔認証・指紋認証に対応し使い勝手良し
こういったエントリー機だとAntutuうんぬんより、細かい部分での動作が重要だと私は感じます。特にウェイクアップ周りの挙動。
- 画面タップ起動
- 持ち上げて起動
- 顔認証
- 指紋認証
この4点セットに対応している事が実際のUXには大事だと思います。POCO M4 Proではこの辺バッチリ対応しており、それぞれの動作速度も早いので使い勝手としては高い水準にあると言えます。
POCO M4 Pro(4G)は90Hzの有機ELディスプレイ採用
エントリー機としてはディスプレイ品質が高い事が特徴です。同じグレードのスマホではコスト面から液晶を選択する事が多いですが、90Hzのハイリフレッシュレートに対応した高輝度でコンストラストが高いディスプレイを採用しています。
比較的最近の機種でディスプレイがきれいなXiaomi 11Tとの比較です。ハッキリ言ってエントリーモデルの差みたいなのはまったく感じませんね。同等のレベルにあると感じます。一点リフレッシュレートでは11Tに負けてしまいますが、エントリーモデルで有機EL+90Hzという構成は目玉と言っていいのではないでしょうか。
視野角もバッチリです。やはりこの辺は液晶とは全然違いますね。
サンサンと朝日がさす中でもこれだけのハッキリくっきりとした表示が可能です。エントリーモデルとは思えないです。
リフレッシュレートはコンテンツによって可変です。通常時やブラウジングでは90Hz。動画コンテンツなどのアプリでは60Hzとバッテリー効率を考えた仕様になっているのもポイントが高いですね。
POCO M4 Pro(4G)はWideVine L1対応
ディスプレイからの続きで、驚いたのはWideVine がL1に対応していた事です。まさかこのエントリーグレードのスマホでWideVine L1に対応しているあたりは流石POCOブランドだなと。
NetFlixとAmazonプライムで見ましたがしっかり最高画質が選択出来ます。アマプラは独自の認証もあり、非対応の場合はWideVineがL1であろうと再生が出来ませんが、ベータ版アプリを入れると最高画質で再生をする事が出来ます。
WideVine L1の対応はかなりポイントが高いです!
POCO M4 Pro(4G)は33Wの独自急速充電 Mi Turbo Charge対応
POCO M4 Proは33Wの独自急速充電に対応しています。昨今は充電速度の進化がすごく、Xiaomiでは64Wや120Wといった超急速充電も上位グレードでは展開しています。それらと比べると若干見劣りをしてしまうんですが、冷静になって考えれば33Wでも十分すぎる速さです。
実際に残量10%から100%までの速度を計測してみました。付属しているチャージャーが海外仕様のモノだったため、同じくXiaomiの64W充電器で試してみました。
スタート | 10% |
30分後 | 65% |
1時間15分後 | 100% |
大体1時間15分ぐらいで満充電になっていましたね。5,000mAhを充電していると考えれば十分すぎるスピードでは無いでしょうか。ましてM4 Proはエントリー帯のスマートフォンです。充電スピードは本当に使い勝手に直結する要素なので、コストを抑えながら要所要所を抑えているのがM4 Proというのがよく分かるポイントです。
実際のバッテリーもちは?
5,000mAhという大容量なんで普段遣いであれば2日ぐらいは持ってくれそうな勢いですね。ただ、使えばそれなりに減っていきます。実際にゲームを最大輝度で1時間ほどプレイしましたが、100%から87%ほど消費しました。バッテリー持ちは優秀ですし、消費しても急速充電でカバーができます。エントリーモデルとしてバッテリー周りは優秀かなと感じます。
ステレオスピーカーは割とオーソドックス(悪くは無い)
Poco M4 Proはステレオスピーカーを採用していますが、特に音響チューニングや、サウンド関連のブランドスピーカーを採用しているわけでは有りません。
特に音自慢というわけでもありませんが、Youtubeや動画サービスを見る用途としては音量は十分だと思います。
POCO M4 Proのスピーカーは可もなく不可もなく…
POCO M4 Proのスピーカーを評価するなら「可もなく不可もなく」という感じ。ちょっと歯切れ悪いですが、決して音質が悪いわけでは無いんです。
エントリー帯のスマホにおいてはスピーカーは軽視される事がほとんどで、それらの低クオリティ端末と比較したならば、M4 Proのスピーカーは十分すぎる性能でしょう。音量もあるので、普通に垂れ流すレベルであれば十分すぎるぐらいです。
実際エントリー帯を購入する方にとってスピーカー性能って重要ですかね?そこにコストを欠けるよりはディスプレイなどの実際の動作方面にかけてほしいと私は感じます。
対応バンドについて
対応バンドについては以下の通りで、ドコモのプラチナバンドであるBand9と、auのBand18・26には非対応のいわゆるソフトバンクと相性の良いバンドですね。POCO X3 GTではフルバンド対応だったんでこの辺はちょっと残念なポイントですね。一応私の生活圏ではBand1があれば困る事は無いんですが、地域によってはプラチナバンドが無いときついエリアもまだ存在しますので注意が必要ですね。
対応バンド | 4G: LTE FDD:1/2/3/4/5/7/8/20/28 4G: LTE TDD:38/40/41 (B41 2535-2655MHz) |
一応メインはahamoなんで、Volteは必須ですがVolte化もダイヤラにて以下を入力する事で対応可能です。通話が出来る事を確認しました。
日本で使う場合は、対応バンドなどは注意がいりますね。
ゲーム性能について
POCO M4 Proが採用しているHelio G96のゲーム性能を見ていきます。最近のゲームを快適に動かすには若干スペックが足りない気もしますが、仮想メモリや、ゲームターボ機能などのゲーミング機能も搭載されているので画質などを若干我慢すればそこそこ動きそうです。
CoDモバイル
画質品質は標準までしか選択出来ませんでしたね。またフレームレートも"高"が限界でした。ただ、思った以上に快適でCoDに関しては快適にプレイ出来ると言っていいでしょう。もともと比較的最適化が進んでいるゲームなので、Helio G96ほどのスペックがあれば余裕で動作します。
画質があげられないのは仕方がありませんがFPSに関しては、画質よりも動作感の方が優先されるのでPOCO M4 Proほどの動作感があれば多くの方は満足出来るのでは無いでしょうか。
プロジェクトセカイ
プロセカに関してはちょっと気になる点が。何かプレイをしていて「今のミスった??」と思う場面がちょいちょいありました。ただ、新しい端末だったから慣れてなかったかも…という感じも否めないんですよね…。
これはちょっと判断に困ります。過去にMIUI機では音ゲーへの対応が遅れ、当初は動作が不安定だった場面もありました。その後、アップデートで動作面での不安定さは解消されたんですが、今回は最新のMIUI13をベースとしているのでちょっと気になります。私の勘違いであればよいのですが…。
私自信、プロセカをガッツリプレイするわけでは無いので判断が難しいですね。ただ、これまでの機種では感じなかった違和感みたいなのをちょっと感じたのは事実です。もしかしたら他ゲームの検証後に動作させたので、メモリなどのリソース部分で何かしら影響があったのかもしれません。ちょっと曖昧な検証になってしまい申し訳ないです。
原神
最後は原神です。正直、原神の最低動作はSnapdragon845なのでそこそこスペックが必要です。対するHelio G96はAntutuスコアこそスナドラ845に近いものの、それはメモリとストレージ性能でのスコアアップが大きく、肝心のCPU/GPUでは若干力及ばずといった感じです。
なので、POCO M4 Proで原神をプレイする場合は必然的にある程度画質などを妥協する必要があります。
色々設定を試して見た結果、ある程度妥協出来るかな?と感じた設定は以下の通り。
一応、フレームレートは優先したいので、画質を下げました。これ以上の画質を求めると画面を振った際に盛大にブラーが発生しますね。一応低画質であれば個人的にはプレイ出来る範疇かな?と感じました。正直安定性を上げるならフレームレートも下げた方が良いと感じます。
やはり原神はかなり動作要求が高いですね。Helio G96自体はミドルローぐらいのスペックはあるため軽めの2Dゲームなどは余裕でこなすでしょうが、3Dは動作面はいくらか目を瞑る必要がありそうです。
また、カメラユニット周りがそこそこ発熱しますね。というかユニット自体が大きいのでモロに指に熱が伝わります。ガラス材質なのもあって余計に熱く感じましたね。
カメラ性能について
今回のPOCO M4 Proで一番気になるのはカメラ性能でしょう。ベースとなるRedmi Note 11Sはメインカメラが108MPの高画素カメラを採用していましたが、64MPのカメラに変更されています。この変更が実際のカメラ性能にどれほど影響があるでしょうか。
いくつか作例とともに見ていきましょう
通常撮影
まず、通常撮影について。メインは64MPなんですが、通常のカメラモードでは16MP撮影になります。64MPで撮影する場合は専用のモードがあります。
AI補正の有り無し
AI補正の有り無しで色味が結構変わりますね。AI補正を載せた場合はビビットな印象が強くなります。AI補正が無い場合寒色寄りになりますね。
64MPカメラ
メインの64MPカメラは解像度感はやはりかなり高いですね。ただ、64MPモードで撮影する場合はAI補助が使えません。
ズーム
超広角・等倍・2倍の三段階です。画角はちょっと狭めだと感じます。
夜景
夜景に関しては、専用の「夜景モード」と写真モードでの「AIオート」の二種類がありますが、なんだかAIオートの方が綺麗に取れているように思います。以下が撮り比べた結果です。
空に夜景モードで取った写真はノイズが乗ってしまうんですよね。
以下試しに光源が乏しいところで取ってみた夜景モードです。うーんフレアがすごいですね。
動画について
動画撮影に関してはMAXがFHD+30FPSと控えめなスペックです。手ブレ補正もおそらく効いておらずメインの等倍では画角も狭い印象です。30FPSという事でカメラを振った時のブラー感がちょっと気になりますね。動画に関してはハイエンド端末に慣れていると、そのシンプルさに驚いてしまいます。
マクロ
マクロに関しては正直おまけレベルかな…?という印象です。もう少し寄れても良いんじゃないかな?と思いました。
逆光に弱い?AIの判定が気になる
今回写真を撮影していて気になったのはAIの判定と逆光についてです。まずAIに関しては色々シーン別に補正を変えてくれるんですが、明らかに適していないシーンを選択されてしまう場合がありました。以下がその例です。天気は快晴だったわけですが、なぜか曇り空として判定をされていました。
こういった誤判定がたまに起きるのが気になります。意図としないシーンが選択される事で色調や明るさ・コントラストがよろしくない状態になる場合がありました。そういった時はAI補正を外せば良いのですが、AIを外すと基本的に寒色寄りになってしまうので悩ましいところです。イマイチ理屈はわかりませんが、光源が映り込む際にAIが誤判定をするような気がしました。
POCO M4 Pro カメラまとめ
正直なところ、POCO M4 Proでコストカットがされているのはカメラ部分だと感じました。AI補正がなかなかシビアで、意図としないシーンを選ばれてしまう場合があるので、手軽にオートでというような使い方がしにくいのが残念なポイントでした。また、64MPモードがとてもシンプルで補正が効かないのも気になるところ。
全体的にエントリーらしく、カメラ性能は抑えめだと思います。
POCO M4 Pro(4G) まとめ
しばらくPOCO M4 Pro (4G)使ってみた感想としては、エントリースマホとしては非常に良くまとまっているという印象です。高い機能性は求めないがある程度の動作感は確保したいという方にはおすすめできる端末だと思います。
有機ELディスプレイや、急速充電、WideVineといったエントリースマホではコストカットのためまっさきに削る部分を取り入れているのは大きく、価格以上の使い心地を提供してくれます。
今回のレビューを行っている時点ではまだ公式より価格発表が無い状態で行っているので確かではありませんが、おそらくかなり低価格で、コストパフォーマンスで勝負をする端末になるだろうと私は思います。
カメラ性能については、エントリーらしく必要最低限といった印象で、ハイエンドモデルを使っていると物足りなく感じるとは思います。ただ、おそらくこの端末のニーズにマッチするユーザーはライトユーザーが主で、その層の目線で言うならば必要十分と言えるスペックだと思います。
私が一番気に入ったのは本体のデザインですね。デザイントレンドをうまく取り入れていると思います。とにかくデザインが新鮮です。カメラユニット周りを大型の別パーツとするのは同じくXiaomiのMi11 Ultraを筆頭に、フラッグシップモデルで良く用いられるデザインです。エントリー端末となると、どうしても各メーカーデザインが似たり寄ったりになってしまいますが、POCOらしい独創的なデザインセンスが私はとても好みです。
ぜひともPOCOにはサプライズのある価格でせめてほしいなと感じます。