日本でも発売が決定したHUAWEI WATCH 3シリーズですが、我慢出来ずに海外より購入しました。色々とあったHUAWEIですが、今期満を持してHarmonyOSを搭載した製品群をロンチしました。その中にこのHUAWEI WATCH 3シリーズも含まれます。第三のOSとなったHarmonyOSですが、まだまだ謎な部分も多く今回のHUAWEI WATCH 3シリーズも全シリーズと一体何がどう違うのか?と疑問に思われている方も多くいるかと思います。
今回は、実際に1週間程使用した結果を元に、第三のOS HarmonyOSをベースとした最新スマートウォッチであるHUAWEI WATCH 3の実力を見ていきたいと思います。
本記事を書いている段階でHUAWEI WATCH 3PROシリーズの展開は今のところ発表されませんでしたね。残念ですが、中身はほぼ無印版と同様のため参考になれば幸いです。
パッケージ および購入費用
今回購入したのはHUAWEI WATCH 3 PRO レザーバンドモデルになります。無印版の他、PRO版には本体と同素材のチタン製のストラップが付いたエリート版も存在します。今回はAmazonイタリアより購入しました。サイト上の価格は499€(65,000円)ですが、VAT(付加価値税)は日本国内では関係無いので、その分が引かれて409€(53,000円)でした。高速配送など諸々を含めると合計 62,409円での購入になりました。
日本では、無印版が54,000円という事でかなり割高に設定されていますね。VATを抜いたPRO版の価格よりも高いので、今回はオマ国価格ですね。前作GT2 PROが約3万円だった事から、かなり高額な価格帯に突入したな。という印象です。価格に関しては後ほど私見を語りたいと思います。
HUAWEI WATCHシリーズ恒例の埋まり方です。やばいです。この時点から気品のようなものを感じます…
あふれでるオーラがまるで高級時計のようです…!!
HUAWEI WATCH 3 PRO 外観チェック 最高峰のデザインと品質
まず手に取った瞬間に感じる圧倒的な高級感とインパクト。約6万円という価格は確かに高価で、実際購入後は高い買い物をしてしまったなぁ…という懺悔感すら感じていましたが、そんな思いは一瞬で吹っ飛びました。このクオリティはこれまで買ってきたスマートウォッチの全てと比べてもぶっちぎりで1位です。
それと同時に、規格外の大きさにビビります。それもその筈、HUAWEI WATCH 3Proは直径48mm 厚み14mmに達する超デカ圧スマートウォッチです。
まさに圧巻という言葉しか思い浮かびません。
ウォオオオ!かっけーー!重てぇええ!!高級感やべぇーーー!!ていうかデケェーーー!!
↑所見まじこんな感じ。
前作Huawei WatchGT2PROと比較して
前作GT2 PROと比較してみると分かりやすいです。ちなみに、GT2 PROも46mm経でかなり大柄なモデルです。そんなGT2PROと比較してもこのサイズ感。
いかにHUAWEI WATCH 3PROがモンスター級であるか伝わりますでしょうか。ケース経は48mmですが、今回デザインの特徴である大型のリューズクラウンも含めると数字以上のインパクトです。
厚みの比較がこれぐらい。マジでヤバいでしょ?HUAWEI WATCH 3PROを検討している方はこれぐらいのサイズインパクトがある事は覚えておきましょう。
Huawei WATCH 3 PROのディティール
じっくり見ていきましょう。サイズや重さは以下の通り。厚みに関しては、センサー類の凸を覗いたケース厚なので、実際はもう少し厚みがあります。
横 | 48mm |
縦 | 49.6mm |
厚み | 14mm ※センサー類を覗いたリアケースから画面まで |
重さ | 約63g(ストラップ除く) |
重さはベルト抜きで63gとこれまた重量級。ケースはチタンになっておりチタンだからこの重さで収まっているという感じです。デザイン的な特徴としてはやはり大型のリューズクラウン。今回のHUAWEI WATCH 3シリーズのアイコンといえる部分だと思います。リューズ下にはファンクションボタンも付いています。
HUAWEI WATCH 3無印は3Dガラスになっていますが、HUAWEI WATCH 3Proではディスプレイ面はフラットになっています。またPro版のみ前作同様にサファイアガラスが使われています。ディスプレイサイズは1.43インチで文字盤との境のベゼルには24時間区切りのインデックスも付いています。
チタンケースは全体的にブラストとヘアラインになっていて光沢感は低め、鈍い輝きを放ちシックでスマートな印象です。切削精度も非常に高くまさに高級時計のようです。前作ではベルトラグが一体型のようなデザインになっていましたが、今回はオーソドックスな形状になっています。カラーもシルバーに近いです。
バックケースは光沢感のあるセラミックになっています。充電接点は無く、ワイヤレス充電になっています。
ちなみに付属充電器はこちら。前作では充電台とケーブルが分離するタイプで、このタイプはすごく嬉しかったんですが今回はまた一体型に戻ってしまいました。
ただし、前作のもそのまま使えるので問題なし。
レザーベルトは前作の方が良かったかも
今回購入したのはレザーストラップモデルです。本当はエリートが欲しかったけど在庫がありませんでした。
ベルトに関しては正直、前作のレザーベルトのほうが良かったかな?と思います。付けやすさを重視してかベルトの剣先に行くに連れ薄くなっていますが、そのせいでちょっと安っぽく感じますね。ここまで価格を引き上げてるならばもう少しレザーの質感も良いモノを使ってほしかったです。本体サイズが48mmに達している事もありベルトの強度も上げてほしかったですね。また、エリートバージョンにはついているラバーバンドが、PRO無印には付属していません。
Huawei WATCH 3Pro着用してみて 圧倒的な存在感
見てくださいこの存在感…!圧倒的な主張でまさにフラッグシップスマートウォッチといった所でしょうか。ずっと見ていられますよ!!
ふと見るたびに腕にある最高級の存在感はまさに誉。
ただし、明確に人を選ぶサイズ感です。前作GT2PRO以上のサイズはもはや規格外としか言いようがありません。見栄えと着用者の所有欲を満たす事に全振りしているかのようです。重たく大きくつけ心地が良いとは言えませんね。まぁこの存在感に惚れた方がそんな事を気にするとは思えませんがw
ちなみに、HUAWEI WATCH 3無印版もコンパクトそうに見えてサイズはGT2PROと対して変わりません。HUAWEI WATCH 3シリーズは全体的に巨大化しています。
ちなみに、ちょうど本体色とほぼ同色のストラップを持っていましたのでエリートストラップを購入するまではコレで運用しています。
はっきり言ってヤバい重さです。ここまで来るとデカ圧派の自分でもちょっとなぁ…!と思うレベルです。エリートストラップは材質がチタンなのでもう少し軽くなるとは思います。
GT2PROのフルオロエラスマーバンドを装着してみました。本体の鈍いチタンとラバーのブラックが相性最高ですね…!
圧倒的に進化したUI ヌルヌルアニメーションでリッチに
これまで、HuaweiのスマートウォッチはLiteOSというモノをベースとしていました。Liteという名前の通り、AndroidのWearOSやAppleWatchOSと比べてアニメーションやUIのリッチさはそこそこにバッテリーライフを一番に考えたOSになっていました。
ムダにぬるぬるすぎるのでバッテリー消費が高いんだと思う。フレームレート下げて欲しい。#HUAWEI WATCH 3#HUAWEI WATCH 3Pro pic.twitter.com/zI7gEzbj5V
— ZAKI LABOガジェットレビュー (@ozakizaki1) July 13, 2021
今回のHarmonyOSでは、これまでの省電力さよりも、動作感やUIのリッチさに舵を切ってきました。そのヌルヌル感はWearOSとWatchOSにも負けないレベルです(個人的主観ですがTizenOSのリッチさにすごく近い印象です)
まず特徴的なグリッドUIです。AppleWatchのソレとすごく似ていますが、このサイズの端末では考えられない程に動きが軽快です。動作感は現状どのスマートウォッチよりも優れていると感じます。サイドの回転リューズでの操作もヌルヌルです。
ちなみに、従来どおりのリストタイプメニューも選択できます。グリッドだと名称が出ないので実際は実際はこちらのほうが使いやすいかもしれませんね。
慣性の聞いたアニメーションも効いていてとてもリッチなインターフェースです。LiteOSと比較すると本当に進化したなという印象です。
ウェアラブルでもWearOS(Tizen)とApple WatchOSに並ぶ第三のOS…!
アニメーション効果を取り入れ盤面(ウォッチフェイス)もよりリッチになった
Huaweiといえば、純正ウォッチフェイスのクオリティの高さも注目したいポイントです。今回のHUAWEI WATCH 3シリーズではその有り余るスペックを生かした非常にリッチなウォッチフェイスも多数用意されています。アニメーション要素に対応した事でより高度なデザインになりました。
たとえばこの山のウォッチフェイス。雲が流れたり、時間帯?によって山の景色が変わったりします。また、端末の傾きに応じて各要素も微妙に動いています。
ここまで高度に作り込まれたウォッチフェイスはLiteOSでは実現出来なかったと思います。
背景で炎のようなエフェクトが揺らいでいますね。APNGやそれこそ動画ファイルがウォッチフェイス上で扱えるようになったのだと思います。
モジュール的に出す項目をカスタマイズ出来るウォッチフェイスです。今回盤面を細かくカスタマイズ出来るウォッチフェイスが妙に多いです。
変わり種がこちら。ピンボールが出来るウォッチフェイスです。需要があるかは別として、こういったプラグラミングされた盤面も対応しているようですね。
OTAアップデートで端末側ビデオを文字盤に設定できるようになるとか。
現状はまだアップロードまでは提供されていませんが、端末内の動画を使ったビデオウォッチフェイスも今後利用可能になるそうです。
その他、いくつか気になった盤面を並べて起きます。全体的にデザインの品質が高く大満足です。また、すでにウォッチフェイスストアがAndroidでは開放されていますので、有料の文字盤も含めると、その選択肢は無限大にあるといえます。
eSIMとWifi通信に対応 単体通信可能
本機はeSIMとWiFi通信に対応した事で、スマートフォンを介さずに、時計単体で通信が可能です。時計から電話をかけたり、HuaweiMusicなどのオンラインミュージックのストリーミングに対応していたりと、eSIM対応は今後のスマートウォッチトレンドになりそうですね。
eSIM機能がつく事でスマートウォッチで出来る事の幅がぐんと広がり、高度になっています。
日本国内でeSIMは対応しているのか?
現時点で日本環境でのeSIM対応の可否はアナウンスがありませんでした。公式ページでも言及がないので日本国内は現状非対応っぽい。
ただし、現時点でアプリやスマートウォッチ本体側でもeSIMの項目はあります。自分がeSIMを持ってないので検証ができませんが、非対応というより日本国内でeSIMを利用するためには色々と調整が必要なんじゃないかな?と思っています。
Huawei Musicのストリーミング再生
eSIMやWiFi通信が可能になった事で、Huaweiの提供するHuaweiMusicのストリーミング再生が可能になりました。
ミュージックアプリから音楽カテゴリを選択し、おすすめの曲をストリーミング再生・ダウンロードが可能です。
具体的に著名なアーティストの曲が上がっているというわけでは無いので、BGM的な使い方になりますがこちらも今後Huaweiのエコシステムが広がればアーティスト曲の配信なども期待できるかもしれませんね。
もちろんスピーカーも搭載しているので、本体のみで再生が可能です。Bluetoothイヤホンを接続する事も可能です。
一点、現時点でお気に入りの曲を転送する方法がHuawei製スマートフォンのみとの事です。これに関しては前シリーズではAndroidであれば対応していたので、残念な点ですね。アップデートにて全端末での対応に期待したいです。
音楽ファイル同期は現状はHuawei端末のみ…
アプリギャラリーに対応 HarmonyOSのエコシステムが加速(ただし現状アプリ少ない)
HUAWEI WATCHGT2シリーズでは、当初スタンドアロンなスマートウォッチなのかと思いきや、サードアプリのインストールに対応してきました。
HarmonyOSを搭載したHUAWEI WATCH 3Proでは、エコシステムとしてより充実させていくつもりなのでしょう。
ナビアプリがあるんだけど自分の環境だとスマホ側でPetalマップと連携できなかった…
ただし、今現在アプリギャラリーに並んでいるアプリは良くて数十個です。ほぼ全てのアプリが効いた事も無いアプリがほとんどで日本国内で需要があるようなアプリは無く、マレーシア語の辞書などニッチなものがほとんどです。
せめてブラウザだったり、主要メッセンジャーアプリがあれば良いのでしょうが、スマートフォンのAppGallery同様に、ここはHUAWEIの急務だと思います。アプリのインストールは時計単体で行う事が出来ます。(アップデートでヘルスケアアプリからもダウンロード可能になりました)
発表会では、日本独自のアプリとして自転車NAVIとゴルフAIキャディアプリが発表されていましたね。
お薬管理リマインダーアプリなんとなく使いやすいかな?と思いました。
もう少しアプリが充実していないと恩恵を感じづらいですね
Huawei WATCH 3 Pro 健康機能
Huaweiのスマートウォッチは、基本的に全て常時測定をしてくれます。一部安静時限定などの仕様はありますが他メーカーと比べて手軽さが優れておりアクティビティトラッカーとしては個人的に一番オススメしたいメーカーです。
- 心拍数
- 睡眠管理
- SpO2(血中酸素濃度)
- ストレス
- 肌温NEW
最近のスマートウォッチでは健康機能があまり差がなくなってきていますね。今回追加になった機能としては「皮膚温度」があります。
「体温測定」と表現すると問題ありなので「皮膚温度」となっていますね。他メーカーにもある機能ですが、外気温などにも左右されまくるので正確な体温測定とは行きません。
心拍数・SpO2・ストレスなどはアップデートされたHuawei TruSeen4.5によりより精度が向上したとの事です。
さすがにこれつけて寝るのはノーセンキュー
転倒検知/SOS機能(Harmony・Android限定)
健康機能の一部としては、転倒検知とSOS機能が追加になりました(iOS除く)
アプリより緊急連絡先を設定しておくと、万が一の時に救助メッセージを送信してくれるそうです。Bluetoothでスマホに接続されているか、eSIMが設定される場合は単体での送信も可能との事です。転倒検知をONにするか、端末の上ボタンを5回プッシュするとメッセージを送信可能です。
SMSでは緯度経度情報とともにSOSメッセージを送信可能!
アプリ>自分>プロフィール>緊急情報より
また、予め緊急情報を登録しておくと、自分の血液型や持病などのサマリーを発見者に開示する事もできるようです。
倒れても安心!(違
ワークアウトとルートトラック
ワークアウトは100種類以上から選択する事ができます。
- 19のプロモード
- 85のカスタムモード
- 6つの最も一般的なタイプのワークアウト用の自動運動検出。
ワークアウトが充実しているのはHuawei製スマートウォッチのアドバンテージだと思います。今回のHUAWEI WATCH 3では屋外ワークアウト時にリアルタイムにルートを描画確認する事ができるようになりました。(ルートは前作でもあったが、リアルタイムは今回が初?)
GPSの精度も良く、高い建物が多いエリアでもしっかりとルーティングが取れていました。一点、公式のヘルプにも記載がありましたが、金属ベルトを使用するとGPS精度が下がると記載がありました。エリートのストラップだとその変に影響があるかもしれませんね。
HUAWEI WATCH 3 PRO バッテリーについて
今回、多くの方が一番気になってるであろうポイントはバッテリー持続性についてだと思います。事前の発表にてバッテリー性能は無印で最大3日、PRO版で5日とこれまでのHUAWEI WATCHシリーズからするとバッテリー持ちが極端に短くなってしまいました。実際に1週間程使ってみた実際のバッテリー消費具合をご紹介します。
検証の条件としては以下の条件で行っています。WiFiに関しては完全にOFFでは無く、アプリダウンロードやMusic検証時にはある程度使っています。
HUAWEI WATCH 3 PROは790mAhと、スマートウォッチとしては非常に大容量のバッテリーを積んでいます。
- NFCオフ
- WiFiオフ
- eSIMオフ
- その他全てデフォルト
初日 07:00時点 | 100% |
二日目 07;00時点 | 75% |
三日目 07:00時点 | 50% |
四日目 07:00時点 | 20% |
という訳で実際の結果がこちら。ギリ5日行かないぐらいです。なかなかバッテリー食いですよね。というか、前述したUIの滑らかさだったり、表示のリッチさからバッテリー持ちが前作と比較して悪くなっているのは当たり前かなと。PRO版でコレなんで、容量半分の無印版はもっと短いでしょうね。
評価が分かれる大きなポイントだと思いますが、現状のスマートウォッチで一番の動作性と、リッチなUIや基本的なポテンシャルを考えた場合、このクラスの高級OSで4日弱持たせるのはすごい事だと思います。AndroidやAppleWatchでも良くて2日程度ではないでしょうか?
超省電力モードで最大21日 LiteOSとデュアルOS?
これまでのLiteOSをベースとしたHUAWEI WATCHでは、10日前後のバッテリーライフが当たり前だったので、HarmonyOS化によってバッテリーライフが極端に短くなったと感じると思います。そのほとんどが、UIのリッチさに吸われていると思いますがそういった見た目上のリッチさを捨てて、動作を簡略化する超長時間バッテリー持続というモードが搭載されています。
これは明確に言及はありませんが、おそらくHarmonyOSからLiteOSに切り替わっているかと思われます。(戻す時に再起動が必要なので)
動作感はLiteOSそのもので、描画フレームレートが低下し、ほとんどのアニメーション効果は外されます。そして何より、ウォッチフェイスが1種類固定です。その他アプリや音楽といった機能も無効になります。
ワークアウトやヘルスケア関連はそのまま残り、通知も普通に動作しますので、この状態でもある程度スマートウォッチとしての体裁は整っています。
ウォッチフェイスが固定なのが寂しい
高度なOSとしてはまともなバッテリーライフ
バッテリーの項目は本当に評価が難しいです。賛否がわかれる一番のポイントはバッテリーライフでしょう。一般的な使用で5日(無印3日)という公称値は、これまでの省電力で使いやすかったHuaweiウェアラブルからすると、極端にみじかくなったように思います。実際はPRO版で4日程度しか持たないなど、バッテリーライフは「改悪」と見られるでしょう。
しかしそれはこれまでのHuaweiウェアラブルと比較してであり、外野にいる高度なOS WearOSやWatchOSと比べると同程度かソレ以上だと思います。
一点、UIが過度にリッチすぎると感じます。画面遷移のアニメーション効果だったり、描画レートが60などそりゃ電池もち悪くなるわ。っていう印象。
これらのアニメーション効果と描画レートを下げるオプションがあってもよいのでは?と思います。ぶっちゃけ30FPSで良いとも思ったりします。
- V8エンジンでパワフルだけど燃費が良いスーパーカー(リッター/10km)→Huawei WATCH 3シリーズ
- 軽自動車で高い燃費(リッター/27km) → GT2シリーズ
例えが悪いかもしれませんが、今回のHUAWEI WATCH 3シリーズのバッテリーを評するとこんな感じでしょうか?
すごいんだろうけど実用としては軽自動車ですよね。
OS限定だったり日本では外されている機能について
ざっとデザインと機能などを見てきましたが、ここからはHarmonyOSスマホや、EMUIを搭載したHuawei機限定だったり、日本では対応していない機能などをざっとご紹介します。下記以外にも非対応機能はまだあるかと思います。
AIアシスタント Celia
アレクサやSiriのようにHuaweiもしっかり音声アシストAIをもっているんですが、日本語にはいまだ対応しておらず、WATCH 3でも現状オミットされています。
同期関連がHarmony/EMUI限定のものがある(音楽・カレンダーなど)
Musicの項目でも書きましたが、ストレージを積んでいるので単体での音楽再生が可能ですが、音楽を転送するのが現状Huawei端末限定のようです。音楽転送は前作はAndroidであれば出来たので残念なポイントです。後々のアプデで対応してくれればよいのですが…また、カレンダーの同期もHuawei機オンリーです。
画面ミラーリングシャッター
リモートシャッター機能をより高度にし、カメラプレビューをスマートウォッチ側で確認が出来るシャッター機能ですが、これもHarmonyOSを搭載した機種のみで対応可能なようですね。
オーディオコントロールセンター(IoTコントロール)
HuaweiVision(テレビ)やHuaweiサウンドX(スピーカー)といったマルチメディア機器のコントロールは実質日本では展開がありませんので、これらをIoT制御も非対応という事になります。
これまでのHUAWEI WATCHシリーズと考えていると差異に驚く
ざっと見てきましたが、今回のHUAWEI WATCH 3シリーズは、これまでのHUAWEI WATCHシリーズとは乖離があります。
これまでのHUAWEI WATCHはLiteOSをベースとしたあくまで簡易的なOSのもと動いていました。なので、正直、動作感や機能拡張性といった部分はAndroid WearOSやApple Watch、Tizenを積んだGalaxyWatchなどと比較すると、語弊はありますが、ワンランク下の位置にいたと思います。
それこそがこれまでのHUAWEI WATCHの主流だったと思います。
しかし、今回のHarmonyOSベースのHUAWEI WATCH 3シリーズはこのベクトルとは完全に真逆のモノになっており、上位OS郡とならぶことを主軸においています。
これこそがHuaweiの目指しているベクトルでしょう。機能の強化と拡張性をもたせ、今後のHuaweiエコシステムの中の核となるような方向転換が今回のWATCH 3シリーズでは行われたのだと思います。
開発者オプションの項目を見る限り、かなり「Android」のそれと近くやはりLiteOSとは違いWearOSに近いようです。
個人的には「LiteOS」をベースとした製品群は今後も発表されるのでは無いかな?と考えいます。GTを冠するシリーズやBandなどは従来どおりのLiteOSという棲み分けをするのではないでしょうか。
価格の高騰について
正直、価格はかなり強気だと思います。海外価格の時点で超強気だと思っていましたが、日本国内価格はそれを越えてきましたね。これまでHuaweiの日本展開はグローバル価格と同等な事が多かったですが、ここまで値段が跳ね上がるのは初めてかも。Huaweiのウェアラブルシリーズのファンとしても、今回の価格はダイビング清水価格ではありました。
AppleWatchと価格的に並んでしまっており、先にエコシステムが構築出来ているAppleWatchとは付加価値で負けてしまっています。
新しいHarmonyOSエコシステムに対する投資 という考え方をはたしてユーザーはするでしょうか?(私はしないと思います)
5万4,000円のインパクトはさすがにでかいよね…
HarmonyOSが魅せる未来の到来はもう少し先か?
まとめると、今回のHUAWEI WATCH 3はHuaweiにとっての転換期であると言えます。HarmonyOSというエコシステムの構築がこれからのHuaweiの主題でしょう。
非常に実験的なプロダクトである事は間違いありません。今の所日本国内で、HUAWEI WATCH 3の付加価値を存分に活かす事が出来るユーザーはおそらくいないでしょう。
かなりネガティブに聞こえてしまいますが、Appleが自社サービスを主軸に切り替えた混乱のように、ここまで大きくなったプロダクト郡の転換期ならばこの波は仕方の無いことと思います。HuwaeiWATCH 3の持つポテンシャルは計り知れませんが、いま現状では、それらを活かす基盤が出来上がっていないというのが正直な感想です。
良き点
- 圧倒的な高級感とデザインクオリティ
- 現状、スマートウォッチ界隈で一番のヌルヌル動作
- 高いデザイン性のウォッチフェイス/UI
- 高機能スマートウォッチとしてはまともな5日持ちバッテリー
駄目な点
- 圧倒的な価格
- 人を選ぶサイズ感と重さ
- 現状そのポテンシャルを活かせないエコシステム
- GT2シリーズと比べたバッテリーの持ち
Huaweiはフラッグシップ級の製品群に対して投げっぱなしは基本しないとおもいます。ここから先しっかりとアップデートを回し、確実に固めてきてくれるのでは無いかな?と考えています。
この厳つさとデザインクオリティの高さ、そして秘められたポテンシャルは本物だよ!