今回はXiaomi Redmi Note 11T Proを入手したのでレビューしたいと思います。
開口一番ですが、おそらく2022年のコスパ最強がやってきました。Xiaomi端末のレビューでは毎度コスパを連呼してしまっているんですが、今回のRedmi Note 11T Proは誰がどう見てもコスパ最強としか言いようのない、文句のつけようのないスマートフォンです。
すでにPOCO X4 GTとしてリネームROMも出回っており、グローバル展開も期待大です。
今回は実際に1週間程使って感じた点をレビューしていきたいと思います。
Xiaomi Redmi Note 11T Pro(公式サイト)
Redmi Note 11T Proアウトライン
良い点
- Antutu80万点台を3.5万円で
- 144Hz 液晶ディスプレイ
- 67Wの急速充電
- 秀逸なデザイン
微妙な点
- カメラはほどほど
- 屋外での視認性
Redmi Note 11T Pro スペック確認
SOC | Mediatek Dimensity 8100 (antutu 80万) |
メモリ | 6GB/8GB LPDDR5 |
ストレージ | 128GB〜512GB UFS3.1 |
OS | android12 MIUI13 |
ディスプレイ | 6.6インチ FHD+液晶 144hz |
カメラ | 64MP 8MP超広角 2MPマクロ |
バッテリー | 5080mAh 67W /4400mAh 120W |
価格約 3.5万円
まず、3.5万円という完全にエントリー価格ながらDimensity8100を採用している点が何よりの特徴でしょう。Dimensity8100はAntutuにて80万点を叩き出す、今年もっともコスパの良いSOCでしょう。
一般的にDimensity8100を採用するスマホはもう1〜2万ほど価格が上がるんですが、そこはさすがのXiaomi。3.5万円という狂った価格で市場をぶっ壊してきましたね。
SOCだけでなく、メモリはDDR5、ストレージはUFS3.1と仕様も最新です。
またもう一つの特徴は最大144hzのハイリフレッシュレートに対応し、上位版のPro Plusではディスプレイ評価機関にてAプラス評価を獲得した高品質な液晶ディスプレイを採用している事です。
有機EL一辺倒な界隈ですが、評価機関DisplayMateのお墨付き液晶という点、また珍しい144hzというリフレッシュレートで付加価値が高まっています。
バッテリーはニ種類あり、Pro版とPro Plus版の違いは容量と充電速度にあります。67Wでも十分高速ですが、上位モデルでは120Wの充電に対応します。
このスペックで3.5万という価格は2022年最高のコスパスマートフォンと言っても間違いないと思います。
Redmi Note 11T Pro 秀逸なデザイン
デザインの方を見ていきましょう。個人的に見た目がストレートに秀逸だなと感じます。
バックケースはさすがにプラスチックが使われているんですがカメラ周りはメタル材質を使っていたり、シンプルですがデザインがとてもかっこいいです。
背面のバックパネルがプラスチックという事で、その質感に構えていたんですが杞憂でした。背面はサラサラとした目の細かい塗装がされています。安っぽいスマホだと半端にザラザラ感を出したりして余計チープに見えたりするんですが、とても塗装の品質が高く指紋もまったくつかないので大満足です。
カラーはシルバー・ブルー・ブラックの基本カラーと、速攻で売り切れたみたいですが鉄腕アトムとコラボした限定エディションもあります。シルバーカラーはフレーク塗装のようになっており、角度によって粒子が輝きます。
カメラユニット全体がアルミ材質になっており、高級感があります。エッジ部分が磨きが入っているのでキラキラとしており見栄えが良いです。カメラユニット自体のデザインも癖がなく、誰が見てもかっこいいと思えるのではないでしょうか?シルバーカラーとの相性が抜群です。カメラは64MPのメイン、8MPの超広角、2MPのマクロというエントリースマホおなじみの構成ですね。
サイドフレームは流行りのフラットタイプになっています。フレーム自体もプラスチックですね。右側面は音量と、指紋認証を兼ねた電源ボタン。左サイドはとくに何もありません。
本体上側面はスピーカーとイヤホンジャックとおなじみIRブラスター。下側はUSB、SIMトレイ、スピーカーとなっています。ちなみにスピーカーはDolbyAtomosに対応したステレオスピーカーです。音質は後ほど。
ディスプレイは6.6インチ 20.5対9で若干縦長になっています。フラット液晶で真ん中にパンチホールカメラがついています。ベゼルはエントリー帯らしくそこそこありますが、品質の高いディスプレイが使われています。
実際に持ってみて、プラスチック端末ながら本体重量は約200gという事で結構重たい部類に入ると思います。サイドフレームがフラットなので持った感じもかなり角張った印象を受けます。
クリアケースとディスプレイフィルムはついています。ケースを付けてもデザインが損なわれないのが良いですね。パッと見た感じガラスにも見えなくないですね。
個人的に、高級感や質感があるかという点は結構ウェイトが大きいんですが、Redmi Note 11T Proのデザインは正直大満足です。3.5万という驚異的なコストに対してのデザインワークの丁寧さが光ります。
Antutu80万を3.5万円で!Dimensity8100 搭載あり得ない価格
Redmi Note 11T Proの最大の特徴は3.5万円という価格ながらAntutu80万点を叩き出すDimensity8100を搭載している点でしょう。今年のDimensityのパフォーマンスの高さはすばらしく、その中でもミドルハイにも採用が多い8100シリーズのコスパは異常だと思います。
実際にAntutuでスコアを計測すると、パフォーマンスモードにて83万点をマークしました。このスコアは全世代のSnapdragon888にまさるスコアです。
そして何よりも3.5万というとんでも価格なところです。同じくDimensity8100を搭載したスマートフォンはコスパに優れたミドルハイ端末が多いんですが
OnePlus Aceは約5万円、Redmi K50が4.5万と、それらもわりとコスパに優れている端末ですが、3.5万というぶっ飛んだ価格はまさに2022年 最強のコスパぶっ壊れスマートフォンといって良いでしょう。
同価格帯のスマートフォンは一般的にSnapdragon600番代・700番代を使う事が多く、それらは大体カクつきもっさり感を感じるものです。
Redmi Note 11T Proの動作感はハイエンドのそれとなんら変わりません。3.5万円でこの動作感は、それ以外のなんちゃってコスパスマートフォンを一掃するほどインパクトがあります。この端末自体は中国版ですが、リネームにあたるPOCO X4 GTが本当に楽しみでなりません。
あえて液晶 144Hzの高品質パネル
もう一つの特徴としては、144Hz駆動に対応した液晶ディスプレイを採用している点でしょう。上位版のPro Plusでは評価機関DisplayMateにて液晶としては初のA+認定を受けた高品質のパネルを採用しているようです。
一般的に液晶<有機ELという認識が一般的にあり、コスト削減のために液晶を採用する事が多いです。本機も一番はコスト削減が理由なんでしょうが、そこにDisplayMateA+という付加価値と、144Hzという高いリフレシュレートに対応する事で差別化してきました。
Redmi Note 11T Proに触れて真っ先に思うのは「これ液晶なんだ!全然キレイじゃん!」というシンプルな感想でしょう。私の購入したPro無印版はDisplayMateの認定は受けていませんが普通に高品質なディスプレイだと思います。
ディスプレイは6.6インチで2460✕1080 FHD+で、若干縦長になっています。解像度感も良く、発色・輝度ともに素晴らしいです。一般的に液晶は視野角が弱いですが、この点もかなり高い基準にあると思います。
有機ELディスプレイと並べるとやはり黒のコントラストでは負けてしまいますねまた、輝度は最大650nitという事で、ハイエンド機の半分以下の輝度しか持っていない点も劣る点でしょう。
ただ、室内の表示においてはまったく不満はありませんし、144Hzというあまり見ないハイリフレッシュレートにも対応しています。
またリフレッシュレートは60Hz、90Hz、144Hzと固定する事も可能で、90Hzにした場合はタッチサンプリングレートを270Hzまで高める事も可能です。
コスト削減のために液晶で妥協をするのではなく、液晶でも最大限の付加価値を付けている事がRedmi Note 11T Proの特徴と言えます。
ただし、屋外は本当に弱い
これは液晶の定めか、さすがに屋外ではかなり差を感じますね。晴天下では最大輝度であってもかなり見にくいです。写真撮影時などはプレビューも見づらいため何を撮影しているのかが分かりづらいという弊害もあります。
■67Wの急速充電対応 上位機種は120W
エントリー機ながら独自急速充電企画に対応しており、Pro版が67W、ProPlus版が電池容量が若干下がった上で120Wのスピードに対応しています。また、チャージャーもしっかり付属しています。
ProPlus版ではXiaomiの充電専用の独自チップ Surge P1を搭載しており、安全性、効率性が向上しているようです。こういった本来ならばハイエンド端末に採用される機能を惜しげもなく採用しているあたりがRedmi Note 11T Proの品質の良さでしょう。
一方Pro無印番は、Surge P1には対応していませんが、バッテリー容量が5080mAhと大容量になっています。67Wといえど、ハイエンド端末レベルの速度だと思います。
すでにPOCO X4 GT確定か?!
Redmi Note 11T Proが個人的に激アツだと思う部分はすでにグローバル版にあたるPOCO X4 GTのROMが出回っている点です。
Xiaomiの中国向け端末は、圧倒的にコスパがよい反面、グローバル版が出ない可能性もあるという難点も。実際にPOCO F4 Proとして期待されていた、Redmi K50 ProもPOCO版はキャンセルされてしまったようですね。その点、Redmi Note 11T ProはすでにPOCO X4 GTのROMが出回っているので、スキルがある人であれば3.5万で日本語に対応した圧倒的なコスパスマホを手に入れるチャンスだと思います。
前作POCO X3 GTは日本のバンドとも相性が良かったので、今回のRedmi Note 11T ProがそのままX4 GTにリネームされたならば、昨年に引き続き隠れコスパ最強機になるでしょう。
ゲーミング性能
ゲーミング性能を見ていきましょう。Dimensity8100のスペックであれば、最新のゲームも余裕でこなすでしょう。エントリー価格のスマホながら、スペックはハインエンドに迫るとは本当に恐ろしいスマートフォンです。
ゲーミングベンチとして今回も原神でプレイをしてみました。ハイエンド帯であっても一筋縄では行かない原神で、3.5万円のスマホで一体どこまでイケるのでしょうか?
まず、今回のテストにあたってはバッテリーモードをパフォーマンスモードにした上でプレイをしました。前回レビューしたK50ではこの項目のON/OFFでかなり差が出たのでゲーミング目的であればONを推奨です。
負荷の高いフィールドを中心に約30分ほどプレイをしてみました。フレームレートはカウンター上で最大でも50fpsで、基本的には40後半ぐらいのレートをウロウロとする感じでした。
同じくDimensity8100を搭載したOnePlus Aceがもう少しレートは出ていたので、期待値よりは低い結果になりました。プレイ後半では一時的30fpsを割る場面も見られましたね。
本体の熱に関してもは、モニター状態でCPU温度は39℃あたりまで上がっていました。本体がプラスチックなので、もっと発熱を感じるかと思いきや、本体熱はあまり気になりませんでした。
スピーカー性能
エントリー帯とはいえDolbyAtomosサウンドに対応したステレオスピーカーを搭載しています。個人的にあまりスマホのスピーカーに音質は強く求めていませんが、流石にハーマンカードンチューニングスピーカーのMi 11 Ultraとは結構差があるかなー?と思いましたが、エントリーモデルのスピーカーとしては十分すぎる性能なんじゃないでしょうか?
カメラ性能
カメラ性能を見ていきましょう。
メインカメラのセンサーは64MPのISOCELL GW1で、昨今ではミドル帯のスマートフォンで多く採用されているかと思います。その他、8MPの超広角と2MPのマクロという、エントリースマホによくある構成です。
メインカメラ | 64MP ISOCELL GW1 |
超広角 | 8MP ISOCELL 4H7 |
マクロ | 2MP OV02B10 |
正直、スマートフォンのコストカットで真っ先に行われるのはカメラだと思うので、本機もそこはある程度妥協がいるポイントだと思います。実際にいくつかの作例を見ていきましょう。
日中撮影
まずは日中の明るい中での撮影です。まず、撮影時にRedmi Note 11T Proでプレビューをしている時「なんか色味薄いな…?」と感じながら撮影していたんですが、帰ってきて写真を別の環境で確認したら、結構彩度強めの写真である事に気が付きました。
過去にレビューした同じくRedmiのK50 Proはリリース当初はとても彩度に乏しい写真だったんですが、その後アップデートにて、彩度モリモリのとても映える写真が撮れる端末に進化しました。
今回のRedmi Note 11T Proもどちらかというとその傾向が強いですね。わざとらしい調整と取る人もいるかと思いますが、個人的にはこの彩度マシマシな調整は好みです。ただ、彩度の乗り具合はK50 Proのほうが強いですね。これは今後のアップデートでまた調整が入るような気がします。
64MPモードではさすがの解像度感はありますね。通常モードでは潰れてしまうディティールもしっかりと撮れています。
ズーム性能は2倍ぐらいまではまだ普通に見れますが、5倍あたりからはもうノイズが乗りまくりです。普段ハイエンド帯をメインで使ってるので、やはりこの辺は価格なりの性能差を感じます。
いくつか撮影をしていてAIオートにしていると結構白飛びを起こすなという印象。現時点ではAIオートは切って撮影した方が自然な感じがします。
日中撮影の質については、ソフトウェアアップデートでの伸びしろを感じました。K50Proが劇的な進化を遂げた前例もありますし、同じくMTK機なのでRedmi Note 11T Proにも期待したいです。
カメラとは全然関係無いんですが、撮影してて思ったのは液晶の見づらさ。正直晴天だとプレビューが見づらく、何を撮ってるのかわからなかったです。
夜景
夜景はAIオートと夜景モードでそれぞれとってみました。
夜景モードまったく期待していなかったんですが、思ったよりもいい感じに撮れています。白飛びの抑えがすごく効いてるように見えますね。AIオートはノイズが結構目立ちます。
Redmi Note 11T Pro まとめ 100%売れまくるコスパスマホ
Redmi Note 11T Proのまとめとしては、100%売れまくるであろう最強コスパスマホだと言う事です。ROM焼きになれている人であれば中国版を最安で買うもよし。少しまって完全なグローバル版であるPOCO X4GTを待つを良し。
おそらく今年このスマホ以上のコスパで勝負するスマートフォンは無いんじゃないかな?と私は思います。前作にあたる、Redmi Note 10ProとPoco X3 GTは若干デザイン面で損をしていましたが、今回のNote 11T Proはデザインも秀逸なので、レビューする側も迷わずオススメ出来るスマートフォンです。
基本的に3.5万円という価格で提供される事がおかしいくらい充実したスマートフォンなんで、悪いところがあっても、価格という圧倒的なメリットに相殺されてしまいます。
あえて難癖をつけるなら 面白みが無いとも思えた
めちゃくちゃ贅沢な事言うと、コスパ優秀過ぎて「言う事が少なかった」というのも実は結構感じました。3.5万円でDimensity8100搭載のハイコスパスマホなんですが…。
キツめに言うと、そこ以外の特徴が無いとも言えるんです。
同じRedmiでK40Sという端末があり、価格もかなり近いです。これもPOCO F4無印としてリブランドをされるようです。K40SはSoCがSnapdragon870と去年のコスパSoCを採用しており、一見Dimensity8100の方がインパクトは強いんですが、それ以外の付加価値、例えばサムスンE4ディスプレイや光学手ブレ補正などの付加価値がついており、それと比べると結構Redmi Note 11T Proのコスパ最強感も薄れるなぁと感じます。
POCO F4とX4 GTだと価格の差別化がどうなるのかな?というのが気になる点です。