今回はrealme Pad を入手したのでレビューしたいと思います。2021年はXiaomiやLenovoがミドルハイのタブレットを発売する事で、これまで低迷気味だったタブレット界隈がぐっと盛り上がりました。そんなタブレットフィーバーの中、ひっそりと発売していたのがrealme Padです。
正確には一定の注目をあびながらも、その他メーカーのスペックの高さに霞んでしまい、話題にならなかったが正しいかもしれません。というのも採用しているSoCが微妙だったんですよね。大手がこぞってスナドラ870の高性能SoCを採用したのに対して、Helio G80というミドルローのSoCを採用したのが大きな要因です。
しかし、実際に使用をしてみたところ、全体的に高品質なタブレットで実際に動作感もキビキビと動く実は良質なタブレットでした。今回はrealme Padの名誉挽回のために実際の使用感などをレビューしていきます。
Helio G80という事以外はかなり高品質!ゲーム用途以外ならかなり"アリ"なタブレットです!
realme Pad スペック概要
realma Padのスペックを紹介します。
SoC | Helio G80 |
メモリ | 4GB |
ストレージ | 64GB 1TBまでのMicroSDに対応 |
ディスプレイ | 10.4インチ (2000×1200)WUXGA + LCD (360nit) |
スピーカー | ドルビーアトモス対応 クアッドスピーカー 搭載 |
バッテリー | 7100mAh 18W急速充電 |
生体認証 | 顔認証対応 |
価格:約25,000円
まずは何と言ってもHelio G80という判断にこまるSoCを採用している点です。メモリとストレージも4GB/64GBと昨今基準としてはちょっと低め。また、発表前は有機ELと言われていたのに、実際はIPS液晶を採用していました。
正直、このスペックシートを見て「超欲しい!」とはならないんじゃないですかね…。同時期に発売したXiaomi Pad5シリーズは価格が倍近くしますが、それだけの価値がスペックシートで見てもわかりやすくありました。というわけでrealme Padは発売と同時にそっぽを向かれてしまったんですね…。
ただ、実際の使用感は本当にスペック以上で、このスペックシートだけで判断されるの可愛そうなタブレットなんです!
予め言っておくとゲームという用途ではまったく使えませんが、ブラウジングやメディアプレイヤー用途であれば、下手な中華タブレットを買うよりも断然クオリティの高いrealme Padをおすすめします。その辺はさすがにrealmeなんで品質の高さはありますよ!
realme Padの本体チェック 薄型軽量で高品質なアルミボディ
realme Padの本体デザインを見ていきましょう。まず手にとった瞬間に「あれすごく良くね?!」と思うぐらいにデザインと質感が高いです。
本体はアルミボディが使われていますが、安中華タブのような"とりあえず金属ボディ"という感じでは無くて、丁寧な仕上げになっています。厚みは6.9mmと比較的薄めで本体重量も軽いのでとてもコンパクトに感じますね。
かなり今風なデザインになっており、背面はシンプルですがカメラユニット部分に飾りでアルミを削り出したラインが入ります。キラッとしててかっこいい。
本体側面も流行りのフラットな形状になっていて安タブとは思えないクオリティです。横にして、左側に電源ボタンとスピーカーが2基、右側にType-Cとスピーカーが2基の合計4つのスピーカーを搭載しています。
最近はタブレットでも非対応になってきたイヤホンジャックも搭載しています。メディアプレイヤー用途であればコレは大きい要因です。ただ、ジャックの位置がやや特殊で角についています。端子部分が長いものだとちょっと危なっかしいかも。
本体上部はボリュームボタンとマイク、およびSDカードスロット。
ディスプレイもベゼルはそこそこありますが、浮きやペコペコ感も無くキッチリとしています。
本体のデザイン品質は、安タブレットとは一線を画する出来で、XiaomiやLenovoのタブレットと比較しても見劣りしません。さすがはrealmeですかね。
というか、本体の質感はLenovoのXiaoxin Pad Proにとても良く似ています。アルミの質感から薄さと軽さといった部分までかなり近いと思います。
本体のビルドクオリティは一流のタブレットと同レベルの品質はあると思います!
realme Padは普段使いはサクサク動作 Helio G80の実力
多くの人が気になるのはHelio G80というなんとも言えないSoCを採用している点についてでしょう。一応MediaTekのゲーミング特化SoCという扱いではあるんですが…。まぁともあれAntutuを見てみましょう。
AntutuはVer9で22万点前後と、決して高いスコアではありませんね。中華安タブに採用されているUNISOC T618などと同等のスコアだと思います。流石にゲーミング用途では非力すぎるんですが、20万点前後のスコアがあればブラウジングやメディア再生といった普段使いにおいてはある程度使えるレベルだと言えます。
ブラウジングはキビキビとしている
ブラウジングに関してはキビキビと動作をします。UNISOC系の独特のフワフワした挙動では無く、滑らかさよりは速度を重視したような挙動です。
WEBサイトブラウジングに関しては特に不満無く使えると思います。
ただし、メモリが4GBという点はちょっと物足りない感じも。複数タスクを行っているとカクつきが出ますね。せめて6GBであれば満足度は上がったんじゃないかなと。
realme UI for Padはほぼ素状態のAndroid
一応realmeの独自UIを採用をしているんですが、ほぼ名前だけで中身はノンカスタマイズなAndroidとあまり変わりませんね。特に癖も無いので普通のAndroidタブレットとして使えます。
持ち上げて起動・タップ起動はデフォルトでは非対応(アプリで代替可能)
タブレットの使用感に直結する、持ち上げて起動、タップ起動にはデフォルトでは非対応でした。こういった細かい部分のツメが行われていないのはちょっと残念ポイントかも。ただ、それぞれフリーアプリにて代替可能でそれらアプリを導入すれば何の問題もありません。一応センサー類はしっかりしているようなんで、動作も純正機能のように動作します。
- 持ち上げて起動→Gravity Screen
- タップ起動・タップスリープ→Double Tap Screen On/Off
顔認証対応
簡易的な2D顔認証にも対応しています。認証速度もそこそこ良く、前述したフリーアプリを組み合わせれば高級グレードと同様の使い勝手を再現出来ると思います。
液晶ながら発色の良いディスプレイ
- 10.4インチ (2000×1200)
- LCD (360nit)
ディスプレイは発売前の情報では有機ELという事で期待されていたんですが、実際は液晶になってしまいましたね。ここもガッカリしたポイントなんでは無いでしょうか?ただ、実際に目で見た印象としては発色が良く満足度の高い液晶が採用されています。
輝度に関して360nitという事でちょっと暗いかな?という印象ですが、コントラストは強めでメリハリはあると思います。
有機ELのXiaoxin Padと比較するとやはり明るさがちょっとまけてますね。また視野角はちょっと弱め。液晶の弱さがここでわかりますね。
realme Pad はWideVine L1対応! アマプラ・ネトフリOK!
realme Padの良い点としては、WideVine L1に対応しているのでAmazonプライムやネットフリックスで高画質でのストリーミングに対応している事です。2万円半ばのタブレットでは結構希少な存在かも。まず同価格帯の中華タブレットでは絶対に対応しない部分なんで、メディアプレイヤーとしてのコスパは非常に高いです。
realme Pad は高音質なクアッドスピーカー
メディアタブとしての強みはディスプレイだけで無く、スピーカーもこだわっています。安タブに良くある、とりあえずつけたクアッドスピーカーでは無く、しっかりと高音質なスピーカーを採用しています。ドルビーアトモスサウンドにも対応しており、音自慢のタブレットと比較しても負けていませんね。
比較としては、同じくドルビーサウンドに対応し、JBL製のスピーカーを4基搭載しているLenovoのXiaoxin Pad Proです。このタブレットもとても音質は素晴らしいです。実際にrealme Padと聴き比べると音の傾向は若干違いますが、ともに匹敵するぐらいの音質はあります。価格が1.5倍ほど違うフラッグシップタブレットと同等の音質を2万円半ばで出すrealme Padの凄さが伝わるでしょうか?
音の傾向としては、やや低音域が弱い気がしますね。音の重みはLenovoの方がすぐれています。一方、スネアなどの中音域の音はrealme Padのほうが歯切れよく聞こえる印象です。
ドルビーアトモスのサウンドイコライザーも簡易的ながら搭載しています。グラフィックイコライザーのような高度な設定はできませんが自動・映画・音楽といったプロファイルから選択する事が出来ます。
ゲーム性能はやっぱり低い
ゲーム性能について一応見ていきます。Antutuスコアは22万点ほどなんで、中華タブレットのUNISOC T618とあまり大きな差は無く正直ゲーミング目的であればまったくおすすめ出来ないです。一応、原神・CoD・プロセカのおなじみのゲームの動作感を見ていきます。
原神
まずは原神。わかりきっていますがまったくおすすめしません。60FPSも絶対ムリですし、画質を低設定以上に上げると、画面を振ったときに盛大にモーションブラーが発生します。最低限出来るレベルは最低設定+30FPSぐらいかな?と思います。
CoDモバイル
CoDモバイルに関しては、低スペ端末でもある程度動くの画質は下げる中以下がデフォになりますが、出来なくは無いかな?という感じです。
というか、過去にミドルロー以下の端末でCoDモバイルをいくつか見てきました、CoDモバイルってなんで低スペでもそこそこ動くんでしょう?結構重そうなのに。
バッテリー持ちと充電について 18Wの急速充電に対応
バッテリーについては7100mAhと10インチタブレットとしては一般的な容量ではありますが、比較的減りは早いように感じます。18Wの急速充電にも対応していますが、付属のチャージャーは海外仕様なので変換器が必要ですね。
realme Pad イマイチな点
設定の検索が動いていない
設定項目の検索バーが動いていないですね。最近のAndroidはどこに何の設定があるか分かりづらいのでこれが機能していないのはとてもストレスです。
"設定"アプリのキャッシュをクリアなど色々試して見ましたが動作せず。コミュニティにも同様のエラーが上がっていたのでバグかな…。
ただ、バグ報告より1ヶ月近く放置されてるけど対応されるのかが不明です…
ジェスチャー時に押せないボタンがある
ジェスチャーナビゲーションを採用していると、特定のアプリで下部に固定されたボタンが押しづらい場面があります。例えばNetflixアプリなど。
ジェスチャーエリアの余白がかなり狭く設定されているように思います。
ナビゲーションメニューに変更しても、ボタンの配置を変えられないので戻るが右側固定なのも微妙な点です。
フィルムが貼ってなかった…
中華メーカーや、低価格サブブランドだと貼ってる事の多い初期フィルムが貼ってませんでした…。イマイチというか最近はフィルムが貼ってる事が多いので、貼ってないパターンのほうが少ないような。で、別に買えば良いんですが、Amazonなどでは売ってないんです。買おうとすると中華ECに頼る必要がありますね。
これはケースにも言える事で、専用のスタンドケースも、現時点でAmazon在庫では売ってません。売ってますが中国から配送する時間のかかるタイプの出品でした。
realme Pad まとめ ゲーム以外は良質なタブレット
realme Pad の良い点
- 価格が安い 25,000円
- SDカード対応
- 発色と反応の良いディスプレイ
- ボディの質感と軽さ
- クアッドスピーカーの音質
- イヤホンジャック
- ベンチマーク以上の操作感
全体的にスペックシートで感じたような"イマイチ感"が実際に使ってみるとまったく違うことに驚きます。SoC以外のクオリティが高くHelio G80の処理性能にいい感じに下駄が履かれている印象です。あえてSoCはそこそこに、その他の部分をしっかり詰めることで25,000円という低価格タブレットでありながらワンランク上の使い心地になっています。
UNISOC T618を採用した中華タブを買うぐらいなら私はrealme Padを薦めます。価格的にも同価格帯の中華タブだとUNISOC T618どころか、それよりも下のT610に下がる事もあります。
realme Padの駄目な点
- メモリが物足りないせめて6GB
- realme UI for Padの完成度
- 入手性の悪さ
一方、悪い点としてはメモリがやや弱いところ。バックグラウンドで複数アプリが動いているとやはり若干の非力さを感じます。あと2GBと詰めれば安定したのにという印象。また、realme UI for Padと銘打っていながらほぼ素のandroidで、検索バーがバグで動いていないのは致命的です。設定操作がマジで面倒です。
入手性が悪いのもネガティブな点かもしれません。Amazonで普通に買えるならば25,000円という価格はとても魅力的ですが、基本的にAliexpressなどの中華ECに頼る事になります。まぁ日本製式展開していないので仕方がありませんが。
最後にまとめるとやはりなんだかんだでrealmeというグローバルブランドの品質で、対価格での満足度がとても高いタブレットでした。発売した時期があまりにも悪かったね…って感じですかね。4~5万円予算があるなら、間違いなくXiaomiやLenovoをお勧めしますが、2万円台で少しでも品質の良いタブレットを探しているならrealme Padはよい選択なんじゃないかな?と思います。