今回はAlldocubeより最新のハイエンドSOC搭載の8インチタブレット Alldocube iPlay 70 mini Ultraをご紹介します。まさか出るとは思っていなかったAlldocubeのハイエンドタブレットで、最新のSOC Snapdragon 7+ Gen 3を搭載します。未だにHelioやUNISOCで溢れている中華タブレット界隈において、このハイエンドSOCを搭載するのはまさに異色の存在です。
そして、もう一点注目したいのは、大人気の8インチタブレットという点です。8インチハイエンドタブレットといえば、日本でも発売されているLenovoのLegion Y700が思い浮かびますが、中華版とは違いお値段もそこそこ高く8万円台と結構します。そんな8インチハイエンド帯の独壇場に風穴を開けるのが今回のAlldocube iPlay 70 mini Ultraです。
実は8インチタブレットブームを裏で牽引していたのはAlldocubeといっても過言ではなく、8インチという貴重なサイズ帯で求められるちょうどよいものを出し続け、昨今の8インチブームを作り出したといっても過言ではありません。
今回のiPlay 70 mini Ultraもそんなコアな8インチ帯のファンにとってもかなり注目度が高い存在と言えるでしょう。一方、正直クオリティにムラのあるAlldocubeなのも特徴で、期待値の高さと実際のクオリティがどうなのか?というのは多くの人が気になっていることでしょう。
今回はそんなiPlay 70 mini Ultraの本当の実力を奇譚なくお伝えしていきたいと思います。先に行っておくとゲーム性能はマジで本物ですが、やはりちょっと尖った部分も持ち合わせています。刺さる人にはブスリと刺さる感じのプロダクトになっています。
提供:Alldocube Japan
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Alldocube iPlay 70 mini Ultra 本体チェック
Alldocube iPlay 70 mini Ultraの本体を見ていきましょう。Ultraと銘打ってるだけあり、これまでのAlldocube 8インチの中ではかなりクオリティが高いです。フルメタルボディで質感が高く本気度が伝わってきますね。
背面には新しくなってAlldocubeのロゴが入っています。背面はサラサラとしています。
カメラユニット周りもシンプルですがカッコイイです。ここ最近の中華タブはスペックに似合わない過剰なカメラユニットデザインとかが流行ってましたけど、そういった無意味なアピールはせずシンプルな装飾なのも好感が持てますね。
サイドはフラットになっています。左側に音量ボタンと電源ボタンがあります。電源ボタンは赤色のアルマイト処理がされており、さり気ないアピールになっています。こういった細かい部分ですが、中華中堅メーカーにとってこういった手間がかかることをちゃんと出来るようになったということでしょうか?
右サイドはSDカードスロットのみがあります。
横に持って左右にステレオスピーカー、右側にUSB-Cが並びます。スピーカーはdtsサウンド、USBは映像出力に対応しています。こういった細かいところもしっかりしていますね。
ディスプレイは8.8インチです。ベゼルはまぁまぁという感じですね。最初からアンチグレアのフィルムが貼られています。
本体重量は335gとやはり8インチ帯は程よいサイズ感も魅力です。全体的に本気度が感じ取れる本体クオリティです。
Alldocube iPlay 70 mini Ultra スペック詳細と価格
まずはAlldocube iPlay 70 mini Ultraのスペックを見ていきましょう。とりあえず一番の特徴はSnapdrgon 7+ Gen 3を搭載している点でしょう。中華中堅メーカーでこれを採用した事でかなりの注目を集めています。メモリは12GB DDR5X、ストレージは256GB UFS3.1です。この辺もある程度コストカットはしつつも頑張っています。
ディスプレイは大人気の8.8インチで、縦2560px 横1600px 2.5KのIPS液晶です。特出しているのは144Hzのハイリフレッシュレート対応な点でゲーミングらしいスペックです。これまでやや弱点だったスピーカーはdtsサウンドに対応した事で明確にパワーアップをしました。ここは後ほど実際に聞いていきましょう。
バッテリーは7300mAkで最大20Wの急速充電にも対応します。
付加価値としては今では珍しいSDカード対応なのもポイントが高いでしょう。一点、判断が割れる点としてはGPSとSIMに非対応な点でしょうか?
これまでのAlldocube iPlay miniシリーズの集大成といった勢いのあるタブレットで価格は現時点の前情報で4万円以下となっています。
※価格情報に関してはこのレビューを作成している段階のデータをもとにしてあります。実際の発売価格は変わる可能性があります。
これだけのスペックで言うならばこの価格はかなり責めた印象を受けます。おそらく多くの人はこの価格が安いと思いつつも、悩ましいと感じるんじゃないでしょうか?実際の使い心地がいつもよりも気になってるくると思います。
今回のレビューはそういった部分へのアンサーになれば幸いです。
SOC | Snapdragon 7+ Gen 3 |
OS | Alldocube OS 3.0 Lite (Android 14 ) |
メモリ/ストレージ | 12GB(DDR5X) / 256GB(UFS3.1) |
ディスプレイ | 8.8インチ 縦2560px 横1600px 2.5K リフレッシュレート 144Hz IPS液晶 輝度500nit |
バッテリー | 7300mAh / 20W充電 |
その他 | dtsサウンド対応 ステレオスピーカー SDカード 対応 |
Alldocube iPlay 70 mini Ultra Antutu性能
antutu性能を見ていきましょう。搭載するSnapdragon 7+ Gen 3はミドルハイに位置するSOCで、実際のスコアはおおよそ130万点ほど出すことができます。
まさか中華中堅メーカーのタブレットでこのスコアを拝むことができるとは思いもしませんでしたね。未だにHelio G99やUNISOCなどで大体40万点前後がひしめき合ってるいる中華タブレット界隈において、このスコアはまじで異質な存在だと言えますね。
日本国内でもこの辺のスペックは結構貴重だったりしますね。そういった意味でも貴重なタブレットだと思います。
ディスプレイ性能
ディスプレイは8.8インチ 縦2560px 横1600px 2.5KのIPS液晶となっています。リフレッシュレートは144Hzでゲーミンググレードとなっています。
左:Legion Y700 (2025) / 右:Alldocube iPlay 70 mini Ultra 比較
液晶ですが、発色も良く満足感は高いと思います。おなじAlldocube内の製品と比べると、ディスプレイに全振りしていたiPlay60 Pad Proと比べると若干色のムラ感が出ており負けてる感じはしますね。輝度も屋内利用では十分すぎるスペックだと思います。
USB-Cで映像出力可能
USB-C での映像出力にも対応しているのがポイントでしょう。対応するケーブルで直接ディスプレイと接続するとディスプレイミラーリングが可能です。ゲームなどをミラーリングしてプレイすることも可能です。
WideVine L1対応
中華タブで気にしないといけないのはWideVineですね。こちらもしっかりとL1に対応していました。確認したのはAmazonプライムビデオとNetflixで、この2つはしっかりと対応していました。
OSはAlldocube OS 3.0 Lite
OSはAndroid14をベースにしたAlldocube OS 3.0 Liteです。独自UI色を強めた3.0系列ですが、Liteという名称がつくとほぼ素のAndroidになります。かなりカスタマイズされて高品質だったAlldcovube OS3.0ですが、たぶんなんですがHelio G99向けというかMediatek向けに作り込んだOSなんじゃないか?と睨んでいます。というのも過去のiPlay 60 mini ProでもスナドラSOCではLite版を搭載していました。
たぶん、今回のAlldocube iPlay 70 mini Ultraの評価が割れてしまうのでこの部分だと思います。まじでOS 3.0自体のクオリティは高く、これまでの中華中堅メーカーのクオリティから一歩抜きん出た感があったんですが、Liteになった途端にこれまでの中華メーカー感が強くなってしまいます。
あまりカスタマイズされてないシンプルなAndroidのほうが良いよ!って人も確かに多そうなんですが、個人的にAlldocube OS 3.0 Liteなことはネガティブな印象を持っています。やはりほとんどカスタマイズがされていないので使いにくいのが正直な感想です。
また、素のAndroidであっても普通は対応していそうな、顔認証に非対応です。これが結構気になります。持ち上げてスリープ解除もなく、画面をダブルタップで点灯させることしかできません。流石に素のAndroidであってもここはちゃんとしてほしかったなという印象です。
まじで他にふれるところが無いぐらいに何もカスタマイズされていないので、ここがちゃんとしたAlldocube OS 3.0だったら誰からも受け入れられる名品になれたのになぁと残念でなりません。
SDカード対応
iPlay 70 mini Ultraと他社のハイエンド8インチと比較して強みなのは、今では珍しいSDカードに対応している点でしょう。SD対応だったら買ってた!というコメントはまじでレビューする側からするともう見飽きました。
正直に言ってください。SDカードが必要な用途として大きいのはなんですか?恥ずかしがらずに言ってください。エロ動画ですよね?めくるめくエロ動画の数々を潤沢に持ち運びたい!というのがおそらく需要の大半でしょう。わかりますよ。痛いほどに。
冗談はさておいて、あと考えられるのは、ビデオオンデマンドサービスのローカル保存機能とかですかね?限られたネット環境で楽しむためにというのもあるとは思います。ただ、もう世の中的にSDカード搭載機のほうが完全に少数派になっていますよね。
話がそれましたが、そんなエロ動画兄貴達も納得のSDカード対応になっているのがiPlay 70 mini Ultraの強みです。
SIM対応は価格的に現実的じゃない?
8インチタブレットを紹介すると、かなりの確率でSDカードと並びコメントがつくのがSIMに対応していればというコメントでしょう。先に行っておくとiPlay 70 mini UltraはSIM対応ではなくWifi専用機です。
Wifi専用機と分ったとたん、手のひらをグルンと返していきなり要らないとコメントをつけられます。まぁ確かにSIM対応であればなおのこと良いでしょうが、おそらく中華中堅メーカーの低価格帯にそれを求めるのはあまりにも高望みしすぎだなと毎回個人的に思っています。SIM対応/SDカード対応/ハイスペック そして低価格!なんてそんなものがあればそれが爆売れしているでしょう。本当にSIMだけ対応していれば良いのであればRedmi Pad SE 8.8という微妙なタブレットがありますし、SIMとスペックを両立するならばそれなりにお金を出さないと買うことはできません。
ちょっと棘が強い言い方になってしまいましたが、おそらく対応していたとしても中華中堅メーカーならばソフバン4Gのみの対応しかできないでしょうし、まして通信機器としての諸々の調整を日本国内向けにちゃんとやろうとしたらば、中華中堅メーカーにはそれだけでコストアップに直結するでしょう。実際、8インチだけを持って外に出るなんてことはほぼ無いでしょうから大人しくテザリング運用をしましょう。
スピーカー性能
スピーカー性能を見ていきましょう。これまでのiPlay miniシリーズを触ってきた方ならば、スピーカーの音質には身構えてしまうでしょう。それぐらい過去作ではスピーカーがわりと投げやりな感じでしたね。
今回はスピーカー周りにもしっかりと手が加えられています。dtsサウンドに対応してステレオスピーカーで、これまでと比べてかなり音質が上がっています。
音の傾向としてはやや籠もった印象も受けますが低音の響きが良い迫力ある音質です。音量も十分で、これまでのように物足りないと感じる事はないでしょう。また専用のサウンドイコライザーアプリではdtsサウンドを活かした調整が可能です。さまざまなプロファイルや、グラフィックイコライザーで奥深いサウンドが楽しめます。
ゲーム性能
肝心のゲーム性能を見ていきましょう。これまでHelio G99などの低スペックSOCで無理やりゲーミングを謳っていたりしましたが、それとももうおさらばです。搭載するSnapdrgon 7+Gen3はまさにミドルハイクラスのスペックで、ゲームプレイにも強いです。
先に行って置くと、変なカスタマイズがされていない分、性能もシンプルに高く、思っていた以上にゲーミング性能はマジで高いです。
原神
まずは原神です。意外な事にかなり快適です。普通に60fpsに張り付く動作感です。とはいえある程度プレイしていたらスロットリングですぐフレームレートは下がるだろうと思っていたんですが、確かにエフェクトがきついシーンで下落幅が大きくなる事はあるものの、すぐに60fpsに復帰をしてくれます。平均レートとしてもほぼ60fpsに近い数字となっておりこれは驚きの結果でした。
マジでプレイフィールはここ最近見てきた有名メーカーと比べても劣っていないどころか普通に優れているなと思いました。ナタ地方に行くとちょっと落ち幅が大きいように感じましたが、それでもかなり良い動作感でした。
鳴潮
お次は重いゲームの鳴潮です。解像度は中、フレームレートは60fpsにしてプレイしてみました。こちらも意外な事にかなり快適な動作感です。かなり余裕がある感じで、もう少し設定を上げても良いかな?と感じました。
試しに解像度を高いに設定してみましたが、流石にこの設定だとフレームレートの下落幅が大きくなっていき40FPSあたりまで落ちる場面も増えてきます。ただ、それでもかなりの動作感で正直ここまで動くとはおもいませんでした 。
普通に有名メーカーのミドルハイと同等かそれ以上の動作感だと感じました。
ゲームプレイまとめ
ゲームプレイをまとめると、意外な事にマジでゲーミングタブレットを名乗っても恥ずかしくないレベルでした。中華メーカーのなんちゃってゲーミングでは無くて、マジのゲーミング性能だと感じました。この価格帯でこれだけ動くのはマジで貴重な存在だなと改めて感じましたね。
これはあくまで私見ですが、おそらく変にゲーム周りのソフトウェアが入っていないから素直な性能になっているんだと思います。例えばXiaomiのスマホではスロットリングの制御が強すぎてすぐに45fpsに下がってしまうというのが問題だったりします。まだまだ余裕がありそうなのにフレームレートが落ちるという現象があったりするんですがAlldocubeにおいては、ゲーミング周りの制御ソフトウェアを作りこんでおらず、逆にそれが変なリミッターが効かずにSnapdragon 7+ Gen 3本来のスペックを出し切れているんだと思います。
スロットリングをコントロールしていない分、本体温度とバッテリー消費はめちゃくちゃ上がるんですが、それが良い方向に転がっているんだと思います。鳴潮で高設定でプレイした際は、これ本当に大丈夫か?と思うぐらいに本体の熱が上がっていたので、逆に言うとそれぐらいギンギンに回ってしまうという事なのかもしれませんね。
マジで検証前は疑心暗鬼でしたが、今回のAlldocube iPlay 70 mini Ultraはゲーミングタブレットとして評価して良いと思います。
バッテリー性能
バッテリーは7300mAhを搭載します。今回の検証感じたのは、待機など省電力な状態はすこぶる持ちが良いですがゲームなどの重たい作業をすると思った以上に減るのが早いです。
充電は最大で20Wの急速充電に対応します。ゲームをプレイしているとゴリゴリと減っていきもう少し充電速度が欲しくなってきます。正直、ここ最近の大容量充電に慣れていると20Wはだいぶ遅く感じると思います。
Alldocube iPlay 70 mini Ultraまとめ
最後にまとめると、Snapragon 7+ Gen 3のスペックを純粋に引き出したハイコスパなタブレットでした。今回の良かった点をまとめると以下の通りです。
Alldocube iPlay 70 mini Ultra 良いところ
- ミドルハイの優れたSOC
- 想像よりもだいぶ良かったゲーミング性能
- 強化されたオーディオ周り
- SDカード対応
- 程よい価格
HelioG99やUNISOCなどの低価格帯とはやはり動作感が全然別物ですね。よく7+Gen3を調達出来たなと驚きます。よして、価格が思った以上に手頃なのが一番のポイントでした。この価格帯ならば本当に一択と言ってもいいぐらいのスペックじゃないでしょうか?
一方で残念だった点をあげると内部UIがほぼ素のAndroidなのが本当に惜しいと思いました。この性能でちゃんとAlldocubeOS 3.0を搭載していれば間違いない名機だったのになと思いますね。
ただ、変なカスタマイズされてないほうが良いという人も一定数いると思います。ホームアプリなんか自分で入れ替えちゃえば良いかなともおもいますね。
ゲーム性能が本当に期待値以上で、Alldocube製のタブレットの中では当たり前ですが過去イチです。その過去イチぶりがマジで突き抜けています。ゲーム目的で買うという用途に適したタブレットでしょう。
細かいところのブラッシュアップは欲しかったですが、それでもこの価格でこのスペックが買えるのはとても強く、気になっていた人の期待値にきっと添えるタブレットだと思います。