今回はnubia Z70 Ultraをレビューします。昨年、試験販売にてグローバル版 Z60 Ultraを日本国内に展開したnubiaですが、ついに日本の技適にも対応したフラッグシップを投入してきました。
Z70 Ultraは最新のハイエンドチップ Snapdragon 8 eliteを搭載した紛れもないフラッグシップモデルです。8 eliteを日本初搭載したスマートフォンでもあります。
さらに、ZシリーズといえばSOCだけのなんちゃってハイエンドでは無く、本気のカメラを搭載した紛れもないカメラフラッグシップでもあります。今年は何とメインカメラに可変絞りも搭載してきました。
その他の装備もまさにハイエンドといえる構成で、まさかグローバル版基準のフラッグシップが日本でも購入出来るとは驚きです。
2025年 一発目のハイエンドとしては非常に注目度が高いと思いますが今回は先行して触らせていただきましたので、実際の性能はどうなのか?カメラ性能は本当なのか?など、しっかりとお伝えしていきます!
ZAKILABO Youtubeでもnubia Z70 Ultraレビューしています
nubia Z70 Ultra 本体チェック
内容物を見ていきます。本体とシリコンケース、そして充電ケーブルが付属しています。80Wの急速充電器がついていませんが、事前情報だと、パッケージに同梱されていませんが日本の公式サイトから購入すると別途充電器が付属するとのことです。
さっそく本体を見ていきましょう。毎度nubiaのZシリーズはガジェットマニアの心を鷲掴みにするかっちょいいデザインをしています。
特徴はやはりカメラユニットで、これでもかというぐらいに厳つく個人にむっちゃビンビンに来ますね。前作のカメラユニットとレイアウトが変わりましたね。前作はペリスコとメインが並んでいたので奇抜なデザインでしたが、Z70 Ultraではメインレンズが上に来ています。
前作と違い、カメラユニット全体で出っ張りが出ています。その中にペリスコユニットも収まっているのでだいぶデザインがスッキリしましたね。メインレンズの周りは赤色のリングがついておりnubiaらしいカラーリングです。その横には”NeoVision”のロゴがついています。その横にフラッシュライトのようなパーツがついているんですが、実際のフラッシュライトは下についており、ちょっとこのパーツが何なのかがわかりません。
ユニット部分下はデザイン的に切り替えられています。その中にペリスコ、超広角、LEDライトがキレイにおさまっています。
背面はガラスでフロスト処理されたサラサラとした質感です。前作と比べてだいぶシックな処理になっていますね。
サイドフレームはアルミニウムになっています。フラットなんですが、角が丸められており手に持ったときの当たり方がマイルドです。サイド自体の質感も高くしっかりしています。右サイドは電源ボタンと音量ボタン、カメラシャッターボタンが並びます。電源ボタンのみ赤色のアルマイトでワンポイントとなっています。
カメラシャッターボタンは今回新たに追加になったボタンです。こちらは長押しするとダイレクトにカメラを起動できます。また半押しフォーカスにもしっかり対応しています。この辺はカメラ検証で見ていきます。
左サイドにはスライド式スイッチがついています。カメラボタンが追加になったので、このスイッチを別の機能に割当することができます。
本体上部はマイクとIRブラスターが並びます。グローバル版はこのIRブラスターを操作するアプリがプリインされていないんですが、野良のAPKでいれると使うこともできます。
本体下部はスピーカーとSIMトレイが並びます。SIMはデュアルSIMに対応しています。
本体重量は230gとかなりヘビー級です。ずっしりとしており、全体的にサラサラとしているので裸運用は難しそうです。
ケースはこれまでサイドフレームが無いプラスチックカバーでしたが、今回は普通にシリコンケースになりました。全体を保護してくれるのと、若干のデザインパターンも入っておりちゃんとしています。これは嬉しいです。
ポイント
全体的にこれまのでZシリーズ同様、高級感があってまさにハイエンドスマホという感じですね。デザインがシンプルになり、よりスッキリしたことで万人受けしそうです。
縦幅 | 164.3mm |
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横幅 | 77.1mm |
厚み | 8.6mm |
重量 | 228g |
nubia Z70 Ultra スペック詳細
スペックを見ていきましょう。SOCは最新のフラッグシップSOC Snapdragon 8 eliteを搭載します。前世代8 Gen 3より格段にスペックアップがされており、まさに最強です。後ほどAntutuベンチスコアを見ていきます。日本で発売する初の8 elite端末でもあります。
メモリとストレンジ 今回は12GB/256GBを搭載します。その他16GB/512GBの設定もあります。メモリはDDR5X、ストレージはUFS4.0と最新の規格が使われています。OSはAndoid15をベースにした新UI NebulaAIOSとなっています。
ディスプレイは6.85インチ 1.5Kとなっており、こちらも前作同様にアンダーディスプレイカメラを搭載し、パンチホールは存在しません。前作よりもより、カメラが目立たないようになっています。
バッテリーは大容量 6150mAhを搭載し、80Wの急速充電に対応、さらにはバッテリーを介さず直接給電する充電分離にも対応しています。
そしてカメラは3眼で、メインはIMX906でこれは前作Z60 Ultraのアッパーバージョンと同じセンサーですが、Z70 Ultraでは新たにF1.59~F4.0の可変絞りに対応しています。さらに50MPの超広角と、64MPの望遠カメラを搭載し、15cmのテレマクロ撮影にも対応します。
その他、ネットワーク環境は日本の4キャリともしっかり合致し、そして何よりも今回は技適がしっかりと付いて発売されます。中華スマホは技適を気にするユーザーにとっては大きなハードルですが、それも安心して選ぶことが出来ます。
さらにIP68、IP69等級をそれぞれ取得し、防水防塵性能も高いのがポイントです。この辺は昔は日本のガラパゴス基準でしたが、技術が上がり中華スマホも当たり前に適合してきます。
nubia Z70 Ultra 公式サイトより
価格は、技適取得のための費用が乗ってしまったためか、前作よりもだいぶ上がり最小構成で122,800円、512GBは139,800円となっています。さらに人気の高いゴッホカラーは149,800円となっています。
前作を知っているとだいぶ上がったなという印象ですが、よくよく考えればスナドラ 8 Eliteを搭載し、変態カメラを搭載した紛れもないフラッグシップモデルです。
Felicaが無い!といちゃもんつける人もいるでしょうが、普通に日本でこのスペックを12万円からはかなりコスパが高いと思います。見た目は厳ついんですが、以外と中身はシンプルなAndroidなので人を選ばず使いやすいのも個人的にはポイントが高いです。
ポイント
技適取得により価格が若干値上がり。ただしこのスペックが12万円~はやっぱり安いと思う!
SOC | Snapdragon 8 elite |
---|---|
メモリ/ストレージ | 12GB~16GB (DDR5X) 256~512GB (UFS4.0) |
ディスプレイ | 6.85インチ 1.5K(2688×1216)144Hz UDC |
バッテリー | 6150mAh / 80W |
カメラ | ● 50MPメインカメラ (OIS対応) SONY IMX906, 1/1.56", f/1.59~4.0(物理可変絞り), 35mm ● 50MP超広角カメラ (兼2.5cmマクロカメラ) OmniVision OV50D, 1/2.88", f/2.0, 122°, 13mm ● 64MP望遠カメラ(OIS対応、兼15cmマクロカメラ) OmniVision OV64B, 1/2", f/2.48, 70mm |
その他 | IP68/69 防水防塵 対応バンド 4キャリア合致 |
Snapdragon 8 elite Antutu性能
SOCはQualcommの最新のフラッグシップ Snapdragon 8 Eliteを搭載します。今回からSOCネーミングルールがまた代わりこれまでのGen表記からEliteという表示になっています。TSMCの3nmプロセスでより微細化し、また、CPUがこれまでのKryo(クライオ)からOryon CPUコアに以降されたようです。細かい部分はすごく複雑になるんで割愛しますが、おおよそ45%のパフォーマンス向上と44%電力効率向上を達成し、ハイスペックながらバッテリー駆動もより長くなったとうたいます。
とりあえず、日本で8 Eliteシリーズを搭載した初のスマホになりましたね。まさかnubiaがそうなるとは思いもしませんでした。
実際にAntutuベンチマークでスコアを見ていきましょう。
8 Eliteの期待値としては、他機種で300満点などを謳っていますが、実際は250~290ぐらいが実際のところなようです。まず、Z70 Ultraで何も対策せずに回したところ250万点ほどに落ち着きました。期待値からするとややスコアの伸びが悪いです。そして、本体温度がかなり上がっていました。
全体的にスロットリングが発生して伸びていない感じがありますね。
- ディアブロモードON
- ディアブロモードOFF
- 冷却
色々と試した結果、ゲーム設定でディアブロモードにするとめちゃくちゃ熱くなりスロットリングが発生するのと、メモリー拡張はONの方がスコアが良かったです。その他、冷却等突き詰めた結果として270万点程度に落ち着きました。もう少し調整がちゃんとしていればスコアが伸びそうな気がするんですが、この辺はやや詰めが甘いかなと感じました。Antutu側の温度モニターがなぜか出ないため、その辺の判断が難しいんですが、実際に本体温度の上がり方からすると発熱がうまく処理されていないのかな?と感じました。
とはいえ250万点前後出るので十分フラッグシップといえるでしょう。
進化したディスプレイ
ディスプレイはBOEとnubiaで共同開発した6.85インチの有機ELディスプレイを搭載します。6.85インチというサイズは最近のスマホの中でもだいぶ大きめですが、1.25mmの極薄ベゼルにより画面占有率が高いため、本体比率と比べて大きく画面が取れるようになっています。
また、後ほどご紹介するアンダーディスプレイカメラで、パンチホールの無いフラットな画面を実現しています。解像度は縦2688px 横1216pxの1.5Kで、最大2000nitのピーク輝度で表示ができます。もちろん144Hzのハイリフレッシュレートで駆動します。採用される部材も高耐久のガラスが使われており、ディスプレイスペックはまごうことなきハイエンドとなっています。
実際に発色・輝度ともによくくっきりとしたパネルが使われています。指紋認証の位置もやや高めで使いやすい位置にあります。また認証精度ともにとても良いです。
より進化したアンダーディスプレイカメラ
アンダーディスプレイカメラは、ディスプレイの下にカメラを収める技術です。なかなか技術がいるためnubiaなど限られたメーカーがチャレンジしていますね。今回よりカメラホールがわかりにくくなっており、普通に点灯している状態では判別はまったくつかないと思います。
- 顔認証中
- 通常時
背景が真っ白な場合、若干パンチホールの跡が見えてしまいますね。ただ30cmぐらい話せば白背景でもほとんど見えないと思います。
また、前作Z60 Ultraはアンダーディスプレイカメラの画質がかなりよわかったんですが、ディスプレイ側のマテリアルがより進化したことと、AIアルゴリズムによる写真補正もあり、UDCながら画質が向上しています。ポイントとしては画面側に光源があたってしまうと、画質がかなり悪くなります。画面側に光が入らないようにすればわりと見られる画質になりますね。
セルフィーを多様する人にとってUDAは今のところ絶対におすすめできませんが、やはり画面の一体感が気持ちよくスッキリとしています。個人的にはセルフィーを使うことはほとんど無いので画質が犠牲になっても問題ないです。
シンプルながら使いやすいNebula AIOS
OSはAndorid 15をベースにしたNebula AIOSとなっています。これまでnubiaのグローバル版はMyOSという名称でしたが、今季よりよりAI機能と親和性の高いOS設計となっています。nubia独自のLLM(大規模言語モデル)を搭載し、文字や言葉によるコミュニケーションにおいてAI機能が活躍してくれます。この辺は昨今のAndroidのAI機能に沿ったものが使えます。実際には、リアルタイム翻訳やGoogleの編集マジックが使える程度のもので、AIOSと謳うほどかな?というのが正直な感想です。この辺はどのメーカーでも言えることで、まだまだAIとスマホのイノベーションは起きていないです。
AI要素を省くと、これまで通りシンプルながら使いやすいMyOSと大きく変わりません。いかつい見た目に反して、中身はすごくシンプルなAndroidなのもnubiaスマホの特徴です。シンプルながら細かいところはしっかりと作りこまれており、個人的にはもっと広いユーザーに広まってほしいなと思う美点です。
プリインストールされているアプリに無駄なものは一切無く、Google関連と一部アプリのみです。逆にシンプルすぎて面食らうかもしれませんね。
技適あり
今回のZ70 Ultraの認証情報にしっかりと技適がついています。これまでのZ60 Ultra / Z60S Proに関しては公式から購入ができましたが、グローバル版の直送のため技適がなく、これが気になって購入をためらったユーザーも多いでしょう。
日本で公式展開するにはやはり技適取得は必須です。その技適取得のせいでおそらく価格が上がっているのも事実です。技適を取得するためのステップはかなりコストがかかるそうなので、今回の値上がり幅は納得ができます。
ギャラリーアプリが無い
シンプルすぎるのは美点でもあいやや使いにくいところもあります。例でいうと公式のギャラリーアプリが無く、Googleフォトを使う必要があることです。これの何がよろしく無いかと言うと、フィルターやフレームの編集がしづらい点です。
昨今のカメラハイエンドスマホはLeicaやハッセルブラッドなどのブランディングや、強力なフィルターエディターなどで、写真をよりエモさをプラスするのがトレンドです。その中でアートフレーム透かしは一気にそれっぽさをプラスしてくれる人気の機能です。
もちろんZ70 Ultraにもアートフレーム透かしはあるんですが、これを後付したり、あとから外すといった編集ができません。純正のギャラリーアプリとフォトエディタアプリが潰されているのが問題で、CN版にはちゃんとエディターが存在するようでグローバル版のみこれがありません。これが非常によろしく無いと思います。
注意ポイント
その他、いくつかのアプリがグローバル版で潰されているようで、そのへんが若干残念だなと思います。
nubia Z70 Ultraのゲーム性能
ゲーム性能を見ていきましょう。シンプルなUI周りながら、実はゲーム機能はRedMagic譲りのものになっており充実しています。初期設定だとゲームスペースへのアクセスが分かりづらいんですが、初期動作時にホーム画面にショートカットを設置できます。
- 足音強化
- クロスヘア表示
その他、ゲーム中に左右をスワイプするとゲームメニューを表示することができます。ファクションメニューでは様々な機能を使うことができます。エイミングアシスト用に照準の表示や、FPSでの足音増幅などのハードチート的な機能が充実しています。
フレーム補完に対応
ゲーム機能ではフレーム保管を使うこともできます。最大120FPSまでフレームレートを擬似的に向上させることができます。これに関しては、特定のタイトルのみ対応しています。私が確認したのは原神とCoDモバイルが対応していました。
カウンター上120FPSとなっていますが、正確なフレームレートカウンターで検証ができていないためあまり確かではありませんが、体感的にはヌルヌル感が上がったと感じます。
究極の性能?ディアブロモードは冷却必須
CPUとGPUは基本的にバランス、ライズ、ビヨンドと3つのプロファイルから選択します。それぞれ動作クロックが変わりますが、さらに特定のゲームでは最大限引き上げた「ディアブロモード」も使うことができます。これを使うと動作クロックが一気に跳ね上がるんですが、それとともに発熱とバッテリー消費が一気に高くなります。これが冗談抜きでものすごい発熱で本体フレームがアルミなのもあってかなり熱を感じます。またバッテリー消費もものすごく体感15分で10~25%ほど減っていってるいました。それぐらいガラッと変わります。
バッテリーに関しては分離充電も併用しながら使うと良いでしょう。一方、発熱が本当にすごいのでクロック数が上がったとてサーマルスロットリングが発生し、30分程度で本体側ですべての通信とカメラ機能が強制停止されてゲームが落ちます。その状態だと驚くほど熱いです。
つまり、このディアブロモード状態でプレイをするためには冷却をしっかりしながら行う必要があります。まさかここまで限界突破をするとは思わなかったです。普通にゲームをプレイするならば通常のプロファイルを選んだほうが結果的に良いかもしれませんね。
ポイント
外部冷却があればディアブロモードで最高のスペックが引き出せそう。
そうでない場合は普通に初期プロファイルを使ったほうが安定する!
原神
原神は前述したフレームレート補間に対応し120FPSでの動作が可能になっています。最新の8 Eliteならば普通の状態でもまったく問題ないですが、より一層快適にプレイが可能です。
30分ほどプレイをしてもまったく問題がなかったので原神のプレイ環境としてはかなり良いと感じました。
鳴潮
原神よりも重い鳴潮でプレイしてみました。鳴潮だと8Gen3世代からが快適にプレイするラインなのでかなり要求スペックが高いですが、今回のスナドラ 8 Eliteならばこれも余裕の動作といえます。
ゲームプロファイルはビヨンドを選択し30分ほどプレイをしてみましたが、基本的に60FPSに張り付き快適なプレイができました。8Gen3世代だと、プレイ時間によってはフレームレートドロップが見られる中で、8 Eliteでは発生しなかったので、やはりスペックが上がっているのがわかりますね。
鳴潮がここまでスムーズに動くならば、現時点でゲーミングスマホとしても非常に優秀といえるのではないでしょうか。
バッテリー性能
バッテリーは6150mAhと非常に大容量です。最近中華メーカーではバッテリーの技術革新が始まっており、Z70 Ultraもこれまでのリチウムイオン電池を改良したシリコンカーボンアノードという技術が使われています。技術的な部分は省きますが、より軽量で高密度になり大容量化に成功しているようです。大体5000mAhがこれまでの大容量の基準だったため、それに+1000mAh近く上がっているため、必然的にバッテリー持ちはとても良いです。
作例作成のため、カメラモードで1~2時間頻繁に使ってみましたが、消費したのは10%以下でした。この時点でかなりバッテリー持ちが良いのがわかります。ゲーム検証など、ゴリゴリと使ってみても、体感2~3割バッテリー持ちが良く感じますね。
充電周りの機能性も充実しており、バッテリーを介さず給電するダイレクト給電は、ゲーム以外の通常時もワンタッチで使うことができます。さらに、ダイレクト給電を開始する容量を設定することも可能で特定のパーセンテージまでバッテリーに給電し、その後はダイレクトといったような複雑な運用も可能になっています。また、80Wの急速充電にも対応します。今回パッケージには同梱されていないようですが、日本公式サイトから購入すると別途80Wのチャージャーが付属するとの情報もあります。バッテリー性能はかなり満足度が高いです。
カメラ性能
カメラ性能を見ていきましょう。前作Z60 Ultraと比べて大きく変わったのはメインとペリスコープです。カメラ周りで一番の特徴は可変絞りに対応したメインカメラでしょう。
- F4.0
- F1.59
レンズ前にある絞りでF1.59からF4.0まで9段階から選択することができます。まさにハイエンドらしい機構となっており、暗い場所での撮影性能や、ボケ感をコントロールするといった高度な使い方ができるようになります。またこの機構で光条を発生させるナイトバーストモードなど、よりカメラを楽しむことができるようになりました。
超広角が何故かセンサーサイズがZ60よりダウンしているのは若干気になりますが、ペリスコープが15cmのテレマクロに対応しており、撮影の幅が広がっています。
その他細かいところが変わっていますが、正直、カメラ性能に関してはミドルハイ?と言えるでしょうか。正真正銘のカメラハイエンドのように大型のセンサーでは無いです。これに関してはZ60 Ultraでもそうだったんですよね。
その辺を独自のストリートモードなど、面白いカメラモードを搭載することで「使っていて楽しいカメラ」なのがnubia Zシリーズの醍醐味だと思います。今回もいくつかの作例で見ていきたいと思います。
Z70 Ultra | Z60 Ultra | |
メイン | 50MP / 35mm / OIS / 可変絞り(F1.59~F4.0) IMX906 | 50MP / 35mm / OIS / F1.59 IMX800 |
超広角 | 50MP / 13mm / F2.0 / 122° / マクロ OV50D | 50MP / 13mm / OIS / F1.8 OV50E |
ペリスコ | 64MP / 70mm / OIS / F2.48 / 15cmテレマクロ OV64B | 64MP / 85mm / OIS OV64B |
シャッターボタンが追加
作例の前に、今回のZ70 Ultraから追加になったシャッターボタンです。前作からスライドスイッチからカメラ起動ができましたが、シャッター形式のカメラ専用のボタンが追加になりました。なので、これまでのスライドスイッチはマナースライドなどに変更しつつ、カメラ機能も使うことができます。
このカメラキーの使い勝手がなかなか良くて、まず、ボタンを押したあとに起動するカメラモードを変更できます。通常のフォトや動画、ストリートモードなど使うモードを変更できます。ボタンの誤爆でカメラ起動が嫌ならばOFFにできます。OFFにしてもカメラモードではシャッターとして機能してくれます。
ボタンは半押しにも対応し、フォーカスを合わせることができます。天下のiPhone様が何故かできない半押しフォーカス。当たり前に対応しています。ただ、ややボタンが浅いためフォーカスとシャッターをよく間違えます。
また、シャッターを長押しすると連射撮影が可能です。何連射までできるのかわかりませんが少なくとも100枚連続で撮影が可能でした。撮影した写真の中から1枚を選ぶもよし、アニメーションにするのもよしと面白い機能です。
日中
まずは明るい日中です。通常のカメラモードにはカラープロファイルが二種類用意されており、自然とゴージャスから選択できます。nubiaの和訳はちょっと面白いです。せっかくなのでゴージャスで撮影してみました。
まず、ゴージャス撮影で感じたのはすごく彩度が強調される事、さらにわりと暖色よりに調整がされますね。赤色、黄色がぐっと深くなる感じですね。
- 1倍
- 2.4倍
- 5倍
- 10倍
- 30倍
- 50倍
ズーム性能は思ったよりも高く、5倍~10倍がすごくくっきりとしており使いやすいです。30倍はさすがにノイジーになってきますね。まぁ望遠はポートレートとテレマクロで活躍してくれるでしょう。
15cmのテレマクロ対応
ペリスコ望遠は最短15cmのテレマクロ撮影二対応しています。メニューからマクロモードを選択し、「極小」を選ぶとペリスコレンズになります。テレマクロ撮影が可能なのもハイエンドの特徴だと思います。
微細な世界でもくっきりと映してくれます。花や虫などを撮るとテレマクロの威力が分かりやすいなと思いますね。
15cmは実際やってみると、ちょっと離さないといけないですね。グッとビタづけすると思いっきりボケます。
夜景
夜景に関しては、明確にモードがあるわけではなく、オートで夜景と判断されます。後述するストリートモードやスターバーストなど、夜景を楽しくするモードがあるためそっちを使いがちですが、ベースとなる性能も悪くありません。
かなり明るめに調整する感じですね。コントラストが薄めで出る印象を受けます。もう少しぐっとコントラストが深まれば夜景は良かったはと思うんですが、そのへんは後述するストリートモードの出番でしょうか。
動画
動画は最大8K/30FPSで撮影可能です。4Kでも120FPSが可能です。今回は4K/60FPSで撮影しました。まず、気になったのは、撮影中はレンズの切り替えができません。
日中、超広角とメインはOISがしっかり効いた滑らかな画質です。ペリスコで撮る事はほとんど無いと思いますが動画でOISは効かないんでしょうか?結構ガクガクとしています。
夜間がちょっと問題でかなりノイジーです。これは超広角、メインどちらも結構ひどいなというのが正直な感想です。夜間の動画撮影は残念ながら期待できないでしょう。
スターバースト
個人的に好きななのは絞り値を上げた状態で撮影するスターバーストモードです。名前のごとくスターバースト効果を発生させるモードです。いわゆる光条と言われるものですが、これを撮影できるのがハイエンドスマホの特徴かもしれません。とりあえず、光源があればとにかくキラッキラにしてくれます。もう本当にちょっとわざとらしすぎない?と思うぐらいキラッキラの写真ができます。
個人的にスマホの絞りで発生する光条は結構ソフトウェアの力で増幅してるんじゃないか?と思ってる派です。実際のフルサイズカメラで撮ったことが無いのでわかりませんが、スマホのセンサーサイズでも絞りの構造さえちゃんとしていれば再現できるんですかね?できるはできると思うんですが、そこにソフトウェアの介入はやっぱしてるよな‥と思います。まぁ細かい事はどうでも良くて、とりあえず見た目はとにかく派手になります。該当などが多いところだとすごい事になりますね。
一方、他の絞り機構搭載機と比べると、バースト効果が発生する場面がややシビア?というか、周りの暗さと光源の強さがくっきりとしていないと、効果が出づらいなと感じました。まぁ構造的にそれで正しいんですが
他の絞り羽搭載スマホだったら、この辺ソフトウェアでやっちゃうなってところがあえてZ70 Ultraでは出ないって感じですかね?ここまで派手ならいっその事やっちゃえばいいのにって思います。
ストリートモード
nubiaハイエンドといえばストリートモードです。過去のZ60 Ultra/Z60S Proでも搭載されており、フィルターを使いつつサッと手軽にエモい写真を撮ってしまうトイカメラ的な使い方が楽しいモードです。
あくまで個人的に感じたんですが、ストリートモードのフィルターの掛かり方がややマイルドになっていますかね?前作と比べて処理がライトになってると思いますね。
これは個人的に良い調整で、前作はかなり強くかかってしまい、スマホの有機ELパネルで見ると良いんですが、PCなどに移して見ると濃すぎてややホラーみが強くなってしまっていました。
夜景ならばいい感じなんですが、日中だとかなり目立っていましたね。今回はそういった調整がマイルドになり、日中でもレトロ感を出しやすくなっています。
これこそnubiaのストリートモードで、まじで簡単におしゃんな撮影が量産できます。
また、夜間に使うとよりエモさがアップします。フィルターの種類でガラッと印象が変わるのが面白いですね。
カメラまとめ
カメラ性能をまとめると、機能性が豊富なため、やや操作感が複雑になっているなと個人的に感じました。モードも豊富、レンズそれぞれに特色がガラッと変わる。さらに機械式絞りなどなど、あれこれ弄りながら試行錯誤する感じが楽しさと手間の両面があると感じました。
とはいえオートが弱いか?というとそうでは無く、もちろん普通のフォトモードで何も考えず撮ってもキレイに撮れます。
おもしろいモードがたくさんあり、楽しみながら撮影するのが醍醐味というのが一番わかり易い評価だと思います。シーンごとに、このレンズで撮ったらどうだろう?F値下げてみる?ストリートモードにしてみる?などなど。どのモードでどう切り取るか?どう表現できるか?と色々考えながら撮るのがとにかく楽しいです。そして強力な補正も入り、どのモードで撮ってもいわゆるエモい写真に簡単になってくれます。スマホカメラの進化の仕方として、一つの指針だなと感じますね。
むちゃくちゃ欲を言うと、メインセンサーがより強化された場合に、これらのモードとどういった相乗効果が出るのか?というのも気になります。今後アッパーバージョンが出る可能性もありますのでそちらも期待したいです。
nubia Z70 Ultra まとめ
nubiz Z70 Ultra を気になる点・良い点でまとめて見ました。圧倒的に良い点のボリュームが大きいので、先に気になる点から上げていきます。
気になる点
良い点
まず、前作から変わらず相変わらず無線充電に非対応です。最近は有線での急速充電がトレンドなので優先度が下がりつつありますが、個人的にはあったほうが普段使いがいいんですよね。まぁそれのせいでこれ以上コストが上がっても困るのでこれは正しい選択かもしれません。
もう一点は、やはり技適という大きな要素を対応したため、コストが上がっている点です。前作Z60 Ultraから1~2万円ぐらい上がってしまっていますかね。以前どこかで聞きましたが、海外メーカーが日本で展開するにあたってマジで技適を通すというのは本当にコストがかかるんだそうです。
技適を通すための専門機関への発注コストだったりがかなり大きいんだそうです。nubiaぐらいニッチだったら前作のようなグローバル版直送という方針のほうがマニアックな人たちは喜びそうですが
もちろんメーカー側としてはちゃんとした正規のルートで、正しく日本で展開をすることのほうが大事です。技適を気にする人のほうが多いのでそれをクリアにすることはもちろん一番大事です。
次に、良い点です。圧倒的に良い点のほうがウェイトが大きくやっぱり良機種だと私は結論付けます。
ユニークなカメラはどこのメーカーともまた違った価値観を持っており「楽しみながら撮る」というのはスマホカメラの醍醐味と言えるでしょう。ある程度スキルがあればより一層楽しめますし、オートで適当に撮ってもそれなりに見えちゃう素敵なカメラは画質うんぬんでは無く、楽しいかどうかでしょう。
また、思った以上にゲーム性能が高いです。スナドラ最新を積んでるので当たり前なんですが、ゲーミングスマホばりに充実しておりそういったニーズにもしっかりと対応できると思います。さらに私が一番評価しているのは、これだけ伸びしろがあるのに対して、UIがマジでスッキリシンプルなところです。本当に誰が使っても使いやすいと思うはずなので、下手にPixelとかを選ぶよりは絶対にこっちをおすすめします。それぐらい使いやすいです。そして最後に、やはりこれだけのスペックが12万円からというのは、前作からコストアップしたとしても、やっぱり安いと思います。
同価格帯に目を向けると、ライバルになるのはXiaomi 14T ProやOppo Find X8あたりが国内でのライバルになるでしょう。それらと比べて圧倒的に基礎スペックが高く、そしてカメラ性能のユニークさも光ります。個人的にこの3つが並んでいたら私はnubia Z70 Ultraを選ぶかな?と思いますね。
総じて2025年のメイン端末として活躍してくれそうな本当に良いスマートフォンだなと感じました。なんか本当にこれはちゃんと売れてほしいなと切実に思います。





