今回はFCNTよりarrows We2 Plusをお貸し頂いたのでレビューします。
新しく、Lenovo傘下になったFCNTがお送りする新世代のコスパスマートフォンです。グローバルな基準になりながら純国産のイズムはそのまま引き継いだFCNTで、これまでのarrowsスマホとは違い、スペック的に多くの人が満足出来るレベルに仕上げっています。
ちなみに、私、Zakilabo 生まれて初めてのarrowsスマホを触れています。レビューにあたってはメーカー的な意向は無く、完全にフラットな目線でレビューさせていただきました。忌憚のない内容でお送りさせていただきます。
本体チェック
arrows We2 Plusの本体を見ていきましょう。全体的にクセが無く、多くの人が選びやすいシンプルなデザインです。
本体は全体的にプラスチックが使われており高級感こそありませんが、全体的にしっかり剛性があります。実はミルスペック準拠のタフネス仕様で、おなじみハンドソープでの手洗いにも対応する防水性など、シンプルな見た目ですが以外な堅牢性を持ち合わせています。
背面は完全にプラスチックです。今回貸出頂いたのはスマートグレイカラーです。シンプルに「arrows」のロゴ、そして日本展開では必須とも言えるFelicaを登載しています。
カメラは二眼で、カメラユニット周りは一昔まえのAndroid感のある見た目です。また、カメラユニット下にはセンサーが登載されており、これで自律神経を測定するユニークな機能があります。これはまた後ほど。
ディスプレイは6.6インチです。ベゼルは上と下が若干長く均一ではありません。この辺はミドルらしいですね。
左サイドは音量ボタンと、指紋認証をかねた電源ボタンがあります。日本人の手にあわせてなのか、気持ち下側に電源ボタンが配置されています。左手で持つとちょうど薬指にあたって良いんですが、右手で持つとちょっと下過ぎとも感じます。
手が小さい人だったらジャストかもしれませんが、一般的に男性の手だとちょっと窮屈に感じるかもしれません。
右サイドSIMトレーがあります。トレーは切り欠きがあり、SIMピン無しで引き出す事ができます。物理SIM1枚とSDカードを刺すことができます。
本体上部はマイクのみ、本体下部、スピーカーとこれまた絶滅危惧具種なイヤホンジャックを登載します。
重量は182gで、比較的軽量な部類になると思います。全体的に広い世代で使いやすい、クセのないシンプルなデザインです。
スペック詳細
arrows We2 Plusのスペックを見ていきましょう。まず、全体的にこれまでのイメージを払拭するかのように、モアプラスなスペックが魅力的です。
SOCはSnapdragon 7s Gen 2を搭載しています。これまでターゲットとしていたユーザー層にとっては、かなり潤沢なスペックと言え、実際にAntutuでは60万点を出す優秀なミドルSOCです。
OSはAndroid14を登載し、最大3回のOSアップデート、最長4年間のセキュリティアップデートを謳っています。ターゲットとするライトユーザーはこの辺もポイントとなるでしょう。
メモリとストレージは8GB/256GBで、SDカードに対応するのは貴重な存在です。ディスプレイは6.6インチで、144Hzのハイリフレッシュレートに有機ELと十分です。
バッテリーは5000mAhで、カメラはメインが5010万画素のOIS登載、超広角は800万画素の二眼構成です。対応バンドも流石に日本の全キャリアに対応し、N79まで対応します。
その他の部分の付加価値が日本市場を意識し、かなり豊富で、Felica登載、MILスペック基準のタフネス、IP68防水防塵、イヤホンジャック、eSIMなどなど、日本のミドル市場で根強い需要のある要素はほぼ網羅していると言って良いでしょう。
価格はSIMフリー版は59,950円と、日本市場むけの機能を詰め込みつつ、ワンランク上のSOCを選択しながららもリーズナブルになっており、キャリア取り扱いではターゲットとなるユーザー層がより購入しやすい価格展開します。
SOC | Snapdragon 7s Gen 2 |
メモリ/ストレージ | 6.61インチ FHD+ (2400px × 1080px) 有機EL 144Hz |
ディスプレイ | 8GB/256GB SDカード対応 DisplayPort 1.4 / Wi-Fiを経由したディスプレイ出力 |
バッテリー | 5000mAh |
カメラ | メイン: 50.1MP OIS登載 超広角: 8MP |
対応バンド | 5G: n1 / n28 / n78 / n79 4G: B1 / B3 / B8 / B18 / B19 / B21 / B28 / B41 / B42 |
その他 | Felica対応 ミルスペック準拠 / IP68 / 洗えるスマホ イヤホンジャック / eSIM / |
ディスプレイ性能
ディスプレイは6.6インチの縦2400px 横1080pxのFHD+で、発色輝度ともに良い有機ELを採用しながら144Hzのハイリフレッシュレートに対応します。
画面性能で、重視されるポイントは全て抑えており、特に144Hzのリフレシュレートは数値以上に体感が良いでしょう。
ターゲットとなるユーザー層がそういったスペック的な部分を気にするかはわかりませんが、私のようなスペックオタクでも、いいじゃん!と素直に思えます。
画面を持ち上げての起動に対応しています。画面内指紋認証じゃないので、机においた場合などはやや不便です。
arrowsのUI・特殊な機能
今回ほぼ始めてと言っていいほどに、arrowsスマホをじっくり触る機会となりました。海外・中華スマホばかり使ってきたので、逆に日本国産のイズムを引き継ぐarrowsが新鮮でした。
まずベースとなるUIはほとんど素のAndroidになっています。なのでクセが無く非常にシンプルです。アプリの方に、日本仕様イズムな部分は色濃く受け継がれています。
「arrowsおすすめ機能」アプリは、独自のカスタマイズをわかりやすく設定が出来るアプリです。ここに並ぶ機能がまさにイズムを感じるユニークな機能です。いくつか機能を見てきましょう。
arrowsと言えば簡単スマホでしょう。シンプルホームに設定すれば、アイコンや文字が大きく見やすく、シンプルなホーム画面で使う事ができます。
日本仕様を色濃く感じるのはジャストシステムと富士通の共同開発したATOK Ultiasでしょう。わりと昔からのAndroidユーザーだとATOKを使う人も多いでしょう。めちゃくちゃおもしろいと思ったのが、いろんなメーカーのキーボードレイアウトをエミュレートしたデザインを選ぶ事ができます。GA、IPなど名言はされてないですが、明らかに主要なブランドのレイアウトです。
さすがにこれは初めて見ました。というのも私もAndroidからiOSに乗り換えた時にキーボードアプリで難儀した経験があるので、そういった配慮は日本仕様ならではです。また、往年のガラケーのボタンを模したキーボードもあります。今だにフリックになれずにいるユーザーへも配慮しているのは、さすがだと感じました。
よくゲーミングスマホなどである、バッテリーを介さず直接給電できるダイレクト充電に対応します。これに対応しているのも珍しいんですが、さらに「画面が点灯している間のみダイレクト給電」という仕様で、ゲームなどに限らず例えば、寝る前のながら見の状態でそのまま入眠に入る事が出来るんですよね。
これ個人的にすごく気に入った機能です。
Dolby Atmos対応の意外にパワフルなスピーカー
スピーカーはDolby Atmosに対応したステレオスピーカーです。この価格帯のスマホであればスピーカーにこだわるコストなんか当然のごとくカットしているだとうと思い込んでいたんですが思った以上にパワフルなスピーカーが登載されています。
ベースとなるスピーカーはややこもり気味ではあるものの、解像度感は高めです。また、Dolby Atmosのプロファイルを切り替えるとかなり化けますね。ミュージック設定にすればツヤ感のある音へ早変わりします。
まさかこの価格のミドルスマホで、かつ公式でもほとんど触れていないポイントだったので意外と頑張ってるんだな!と感じました。
ストレス社会に自律神経測定
京都大学名誉教授 森谷氏との共同開発により、自律神経を活性化させるためのプランニング機能を使うことも出来ます。
まさにストレス大国 日本とも言えるユニークな機能です。昨今ウェアラブル端末などでもプラスアルファやヘルスケアは注目されていますが、つねに携帯するスマートフォンにこういった機能を盛り込んでくるのは、日本ならではの目線でしょうか。
ちなみに私は過去に一度こういった自律神経系の病を患った経験があります。原因としては明確にストレスで、蕁麻疹など今思えば中々に辛かった時期もありました。こういった疾患は、自分の意識外で蓄積されていき、どこかしらのタイミングでボカンとなる事も多いです。
というわけで、こういった目に見えない自分の状態を可視化できるのは面白いなと思います。測定は人差し指をそっと当て2分ほど静止をします。測ってみると、どうやらもう私の体は限界のようですね…。あと地味に珍しい機能なのと、やっぱり自分の健康についてはみんな知りたいようで、以外とこの機能で盛り上がります。
思った以上に便利なEXSlider(エクスライダー)
ユニークな機能として、電源ボタンを長めにタップするとEXSliderを呼び出せます。これは電源ボタンを上下になぞるとそれに合わせて画面をスクロールする機能です。
例えば電車などで両手が使えずスクロールがしにくい場合等、これを使えば片手で簡単にスクロールが可能です。スクロールスピードなども細かく設定可能です。
またダブルタップで拡大も可能です。両手を使わずともピンチ操作を行う事ができます。とても便利な機能ですが、We2 Plusの場合、ボタン位置がやや下よりにあります。これは日本人の手のサイズを考慮してだと思いますが、自分の手で使うと結構下気味にあり、やりづらいなと感じました。
スマホ丸洗いはむしろやってみたい
arrowsスマホと言えば丸洗い出来る堅牢性です。見た目的にはわかりませんが、実はミルスペック準拠のタフネス仕様だったりします。これまで、我々のようなスマホオタクにとって、スマホを丸洗いできる事がアドバンテージとして紹介されていることが違和感があったんですが
今回直接触らせて頂く機会をいただくなかで、Antutuとかゲーム性能とかそんなんよりも丸洗いをしてみたい!という謎の欲求がありました。そりゃ人生で初めての体験なんでテンションも上がります。
まず、洗えるという事はイコール、防水性能に直結しているわけで、よくよく考えたらIPXXなどの等級を謳うよりもよっぽど分かりやすいです。
ソープを付けモネモネとスマホを洗う体験は、何というかマジで初体験という感じで、まさに新鮮としか表現ができません。調べてみると、スマホの外装は「トイレの便座並みに汚い」というデータも出ているようで、よくよく考えれば1日中汚れた手で握ってるわけだから汚いに決まってます。
実際に洗って感じるリフレッシュ感はかなり高く、脱脂された手触りがクリーンさを感じると思います。
カメラ性能
カメラはメインが50.1MPのOIS登載で、超広角は8MPです。この価格帯のスマホであればカメラはまっさきにコストカットになるでしょうが、光学手ブレ補正に対応するなど、思ったよりも手が加えられています。このスマホを使うターゲット層は、おそらくオートでそのまま使う事が多いでしょうが、実際にはどの程度まで撮れるでしょうか。晴れた日に撮影してみました。
撮影して感じるのは良くも悪くもあっさり気味に撮れますね。特にAI的な処理をゴリゴリするわけでも無くみたまんまという印象です。
色味的にやや地味ともいえますが、明るくくっきり撮れていると思います。やはりカメラは価格なりに抑えられているとは思いますが、カメラメインで買うスマホではそもそも無いため、そこに半端にコストをかけるよりも割り切っているといえます。
arrows We2 Plus まとめ
arrows We2 Plusをまとめると、これまでのarrowsシリーズと比べて全体的にワングレード引き上げている点に安心感があります。
まず、そもそも日本仕様に合わせてFelicaなどを登載しつつ、Antutu60万点台のミドルグレードながら5万円台という絶妙な設定が際立ちます。
失礼な事を言うと、これまでのarrowsなどの日本仕様のミドルスマホであったらば、もう1~2グレード低いSOCを採用していたんじゃないか?と思います。今回新生FCNT体制になったおかげか、基礎となるスペックがユーザーが納得出来るレベルに引き上げれられているのがポイントでしょう。
普通にスペックオタクの目線から見ても、今回のarrows We2 Plusは「これいいじゃん!」と素直に感じます。自分の親世代にも安心して渡せると思います。また、セカンドスマホとして自分で使う分にも十分だと感じました。
おそらくSIMフリー市場だけでなく、キャリアでの取り扱いから多くのユーザーがこのスマホを手にする事になるでしょう。リアルに自分の親もarrowsユーザーですし、なのでこれまでのarrowsスマホと比較して、今回のWe2 Plusの進化っぷりをよく感じる事ができました。