提供:UGREEN JAPAN
今回はUGREENより簡単お手軽ながら本格的なNAS環境を構築できるNASync DXP2800をレビューします。
UGREENといえば充電器等で高品質なものを展開しているイメージが強いでしょう。そんな中で今回のNASyncシリーズは、米国Kickstarterではいきなり10億円近いクラファンを成功させ、日本でもグリーンファウンディングにて大人気となったプロダクトです。
今回は日本でのクラファンも大成功したという事で、正式に日本での展開が行われる事となりました。
UGREEN NASyncシリーズを完結に表すと「簡単」「お手軽」「高機能」という表現が最もしっくりきます。
私ZAKILABOは実はNAS構築が完全に初めてでしたが、そんなド素人な私でも簡単に環境を作る事が出来ました。前評判通り、専門的なネットワーク知識がなくても、誰でも手軽に高性能なNASを構築できる点が本機の魅力です。
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※価格は公式サイトより抜粋
プロダクト名 | 通常価格(税込) | 特別価格 (税込) |
---|---|---|
UGREEN NASync DXP2800 | ¥55,880 | ¥47,498 |
UGREEN NASync DXP4800 Plus | ¥99,880 | ¥84,898 |
UGREEN NASync DXP6800 Pro | ¥169,880 | ¥144,398 |
ブロガー/Youtuberこそを入れるべきNAS
ZAKILABOではこのブログサイトの他、Youtubeでも活動しています。むしろ動画の方のウェイトが大きいんですが、大体20分ぐらいの動画を作成するのにどれぐらいの素材があるかというと大凡1本あたり20GBぐらい実はあったりします。
最近は4Kでの編集が当たり前なので、元の容量がそもそも大きいんですよね。ブログの撮影データなども含めると、相当な容量をつかいます。
大体1年に一回ぐらい編集データの一掃をするんですが、メインPCのHDDがパンパンになったら、外部のHDDケースや古いPCに退避したりと、結構手間なんです。さらに過去製品との比較などもするのでなかなか削除出来ない場合も多いんですよね。そうなってくると古いPCやHDDケースからひっぱりだして来て…とてんやわんやになります。
まさにこんな面倒な手間を解決するのがNASです。Network Attached Storageの略してNAS(ナス)と呼びますが、自分のネットワーク上に構築し、そのネットワーク上のあらゆるデバイスからストレージにアクセス、管理ができるというものですね。Youtuberであれば絶対に一度はNAS構築を考えるはずです。
ただ、過去に何度がチャレンジしてみようとしたんですが、やはりネットワーク云々は難しいですし、基本的にNASはエントリーグレードの低スペックでもかなり高額です。敷居がそもそも高いのでその度断念してきました。
そんな中で、今回のUGREEN NASyncシリーズの特徴としてはとにかく簡単で手軽であること、そしてライバル製品と比べてスペックが高くコスパが高い事が特徴です。
実際に導入後は「こんな簡単に組めるのならば早く知りたかった!」と思うぐらいに手軽で、かつ、心配していたスピード面も思った以上に高速です。NASという素晴らしい環境を、専門的な知識などは必要無く、かつ低コスパに導入可能なのが今回のNasyncシリーズの特出している点でしょう。
本体チェック
本体を見ていきましょう。まず思ったよりも箱がデカいです。
内容物は以下の通りです。箱はデカいんですが、入っている物自体はそこまで量はありません。
同梱物
- 本体
- ACアダプターケーブル
- LANケーブル(CAT7)
- ドライバー
- ロック回し
- マニュアル
- 2.5inch用マウンタネジ
- マニュアル
本体はずっしりとしています。 奥行き231.1mm × 横109.2mm × 高さ177.8mmとなっています。ちょうど良いサイズ感でサイドデスクとかちょっとした空間に設置しやすいです。
デザインもシンプルですがベイに01/02とマーキングがあって何かゼーレ感があってかっこいいですね…w変にガチャガチャしたデザインではないのでデスク周りやテレビ周りにおいても浮かないと思います。
フロントパネルは前述したHDDが2ベイ、電源ボタンとLEDインジケーター、さらにUSB-CとUSB3.2 Gen2 のAポートが並びます。後述しますが、入力端子が豊富なのも使いやすいです。
サイドは何も無くシンプルです。
背面ポートも豊富です。電源ポート、2.5Gbps LANポート、USB2.0 ×2、USB3.2 Gen2 ×1と、こちらも豊富です。また特徴なのはHDMI出力も搭載しています。
NASでめちゃくちゃ価格で差が出るのは元となるLANの速度で、だいたいUGREEN NASync DXP2800と同価格帯(5万円前後)の製品は1Gbpsが多いですが、本製品は2.5Gbps対応で速度面に優れています。ちなみに上位機種の4ベイ/6ベイモデルでは10Gbpsを搭載しています。
HDDの書き込みの理論値と比べれば、まぁ2.5GbpsLANがあれば十分かな?と思います。後述しますが、HDD以外にもM.2 SSDも取り付けできるので、そちらがメインの場合で速度重視ならば上位モデルも検討できますね。
背面ファンの周りにはマグネット式のダストフィルターがついています。簡単に取り外して掃除が可能です。
HDDベイはトレイ部分を押すと取手が引き出せます。また、専用のロック回しでトレイ部分を簡易的にロックする事もできます。動作中の不用意な開閉などに対応できます。
トレイを引き出すと内部が見えます。側面の青い色のサーマルパッドが見えると思いますが、そこにM.2 SSDを搭載する事が出来ます。ストレージはHDD 24TB ×2 / SSD 8TB ×2で64TBとしての運用も可能になっています。奥を覗くと12cmファンが後方に設置されています。
ちなみにSSDはキャッシュストレージとして動作させる事も可能で、頻繁に呼び出しを行うなどハードな使い方をする際は追加してみると良いと思います。SSDキャッシュの構築は公式の方でも紹介されています。
本体下部にはメモリースロットがあります。ドライバーで蓋を外すとメモリーにアクセスできます。メモリーはSAMSUNG製のDDR5 8GBとなっています。
ここも他社製が2GBとやや心もとないのに対して、8GBでかつDDR5と高速かつ余裕のあるメモリーが使われています。ちなみに1スロですが16GBのメモリに換装して使うことも出来ます。
前述したゼーレっぽいHDDトレイを見ていきましょう。HDDトレイはツールレスになっており3.5インチ HDDをネジ止めナシで簡単に取り付ける事ができます。
トレイにあるツマミを押すとトレイ自体が横に伸縮します。そこにHDDをはめ込んであとは挟むだけで固定が完了します。ちなみに2.5インチやSSDを取り付ける場合はネジ止めが必要です。
HDDトレイを本体に戻して完了です。気になる方はトレイロックもしておきましょう。
電源と、LANケーブルを背面につなぎます。LANケーブルは金メッキされた高速なCAT7です。
家のルーターにLANケーブルを接続し、電源をつければ本体のハード的なセットアップは完了です。
初期設定
初期設定はPCブラウザかアプリから行います。LAN上に正しく設置できていれば検索画面に表示されます。今回はアプリからざっと設定しましたが、PC版 ブラウザ画面からの方が分かりやすいと思います。管理者アカウント名とPassWordを設定します。これは他デバイスでも使うのでしっかりと登録しましょう。
RAID0 / RAID1/JBOD/Basicが選択可能
まず初期設定でRAIDの設定を行います。ちょっとややこしいのが公式サイトの「NASync シリーズの初心者向けガイド」にはこの辺の設定が載ってないんですよね…。ちょうど手前のステップで終わってるので先人の人のエントリーなども参考に進めました。RAIDを設定するにはストレージマネージャーから行います。
RAIDに関してはむっちゃ初心者なんで、情報の学校で習ったレベルの知識でしかありませんがざっと以下のようになります。
RAID0はHDD2台にデータを細かく分散して保存する方法で、それぞれ別々に読み書きするので高速に動作します。ただし、分散するので、片方のHDDが故障すると全データが破損になります。
RAID1はHDD2台に同じものを書き込むミラーリングと言われる動作です。これ良くバックアップのためとか言われるんですが、そうでは無くて冗長化が主な目的だと認識しています。
とりあえずUGREENの方でもわざわざRAID1に"おすすめ"と記載がしてあるので、とりあえず使うならばRAID1でいいんじゃないかと思います。とにかく容量を増やしたり、速度を上げたいという事であれば他の設定を使いましょう。初心者ならばRAID1で良いと思います。
RAID0 | ストライピング HDD2台に分散して書き込む 高速な読み書き 片方が故障すると復旧不可 |
RAID1 | ミラーリング HDD 2台に同じものを書き込む HDD片方が死んでも動作しつづける 冗長化 |
JBOD | ディスクの単純な結合 |
Basic | 個別のストレージとして運用 |
HDDの初期設定はかなり時間がかかります。普通に10時間とか出るので、寝る前に設定などした方が良いと思います
SMBの設定
Windowsのエクスプローラーで通常のストレージとして認識させるためにSMBの設定もします。設定をONにすると下の「使い方」の欄にNASのパスが表示されます。
コントロールパネル > SMB > 有効化
指定されたNASのパスをエクスプローラーに打ち込むと、ID/Passを要求されます。初期設定したものを入力すればログイン可能です。その後、ネットワークドライブが表示されているので右クリックでネットワークドライブの割当をクリックし、もろもろ設定しましょう。
割当後はエクスプローラー上に追加されています。これでWindows上で普通にフォルダーのようにファイルの操作が可能になります。
ベンチマーク結果 CrystalDiskMark
CrystalDiskMarkを使って読み書き速度を計測してみました。2.5Gbpsなんですが、私のルーター側のLANポートが1Gbpsしか対応しておらず、その最大値といった感じでしょうか。おそらく2.5GbpsのLANポートに正しくつながってる場合はこの倍ぐらいは理論値として出るはずです。
HDDの速度としては十分だと言えますが、最大限スピードの恩恵を受けるならばすべてのポートが2.5Gbpsに対応しているルーターが必要になります。
その他 細かい機能など
外部ストレージ接続
フロントにあるUSB-A / USB-Cの2ポートはどちらも10Gb/sのUSB3.2 Gen2です。フロントポートに接続した機器は外部ストレージとして管理画面から参照する事ができます。NAS⇔外部ストレージ間でのファイルのやりとりを行うために使用するようです。
試しにエンクロージャーに入れたM.2 SSDにファイルを書き込んでみた所、HDD→SSDで毎秒100MB/sほどで転送出来ました。
HDMI出力
背面にはHDMIポートがあります。直接TVなどにNASを接続するとそのまま内部コンテンツを再生する事ができます。
動画を再生するにはスマホアプリで操作が必要です。再生中に出力先をHDMIにすると、NASに接続したディスプレイから再生が可能です。アプリが必須でリモコン代わりになります。
キャスト形式なのでNAS本体側の管理画面などを出力するといったためのHDMIポートではないですね。
アプリがめっちゃ便利
思った以上にアプリが便利です。Android/iOSもちろん対応しています。写真や動画などのアップロードや再生などなど、基本的にPC版ブラウザアプリと同等の機能があります。速度も全く問題無く、同じLAN内であれば非常に快適に使う事ができます。私のようなブロガーYoutuberだとファイルの共有が楽すぎてマジで感動するレベルです。また、LANで無くても本体の電源がついていれば外出先からもアクセスすることが出来ます。
Android TVとの連携も凄い
HDMIによるTV出力の他に、AndroidTVの場合は専用のアプリがありそれを使うとAndroidTVとワイヤレスに接続する事が出来ます。しかもこちらは普通にTVのリモコンで操作出来ます。
先にAndroidTV側にUGREEN Nasアプリを入れます。まさかTV版アプリがあるなんて思いませんでした。TV版アプリを開くとQRコードが表示され、それをスマホアプリから読み取ると簡単に接続が可能です。
TVで画像や映像を再生するにはアプリで予めメディアライブラリーを作って置く必要があります。すでにNAS上にあるファイルをスキャンして一覧を作成します。
実際に再生してみると、遅延も無くスムーズに再生出来ます。これマジでメディアサーバー的な使い方も出来てしまいますね。あまりに簡単なので感動しました。
オンラインストレージよりもNASという選択肢はどう?
UGREEN NASync DXP2800を使っていて特に便利だと感じたのが、PCだけでなくスマホからもアプリで管理できる点です。ワイヤレスで写真や動画といったかさばるデータのアップロードも非常に高速でマジでノンストレスです。
各種オンラインストレージを実用的な容量で使うと、月々だいたい1,500円以上はかかります。年間では2~3万円かかると考えると、かなり高額です。
参考 各種オンラインストレージ費用
- iCloud 月/1,500円 (2TB)
- Google Drive 月2,900円(2TB)
- dropbox 月/1,500円 (2TB)
こうやって並べて見ると馬鹿にできない金額になります。
もちろん、バックアップ性などオンラインストレージ特有の利点もたくさんあるんですが、それと比べても、早いですし、容量も気にする必要ありませんし、なんなら外出先からのアクセスも可能です。大体の便利ポイントって今回のNASyncを導入したら解決しちゃったなという感じです。アプリの完成度が高いのもポイントが高いなと思います。
というわけで、Youtuberとかブロガーで無くても頻繁に写真を撮る人とかでつねにiPhoneの容量がパンパンな人っていると思うんですよね。そういったライト層にも今回のNasyncでNASデビューしちゃうのはどうですか?というお話でした。
ちなみにスマホのUGREENアプリ内で「同期とバックアップ」というアプリを入れると、写真や動画データをWifi接続時に自動でNASにアップロードしてくれる機能もあります。前述したGoogleフォトだとそこそこお金がかかりますが、NASならば高速にバックアップも出来ます。
良い点・気になる点
良い点
POINT
- 構築が比較的簡単
- 他社製と比較して高機能 ハイコスパ
- 使い上がっての良いアプリ
まず良い点としては、構築が比較的簡単だという点です。私のように完全なド素人でも最終的に高機能なNAS環境をつくれています。NASに関してはもっと色々マニアックな情報や操作を求めれれると思っていたんで、ここまで簡単であれば早く導入したかったなと思うほどです。
また、価格に対してのコスパの高さもポイントです。同価格帯だとCPUやメモリ、LANの規格など全体的にパット見はわからない所が削られているんですが、そういったベースとなる基準はワングレードあげられています。正直、NASはもっと不安定で速度も遅いという固定概念がありましたが、その意識がガラッと変わりましたね。
最後に全体的にこんな使い方できるのか!というような便利アプリも充実しています。たぶんこれらの機能を別ブランドで組もうとするともう少しややこしいんだろうなと思う所が、最初から丁寧に準備されており、手軽さと高機能を両立させています。
気になる点
POINT
- もう少し初心者向けTipsの拡充をしてほしい
一点気になる点としては、初心者向けのTIPSをもっと公式でまとめて欲しいなと思いました。
散々構築が簡単と言っておきながらなんですが、細かい疑問点みたいな所は先人の導入実績などを参考に、なんだかんだ調べ調べではありました。
例えば公式の下記動画にステップが記載されていますが、アカウント作成後のフローがごっそり無いです。メーカーとしても初心者向けである事を謳っているならば、もう少し先のステップまで書いててほしかったですね。
一応、細かい情報ののったナレッジデータベースもあり、こちらにキーワード検索すればめちゃくちゃ詳細なデータは出てくるんですが、検索ワードをわかっていないと検索しようが無いですからね。
せっかく日本でも飛ぶように売れいるようなので、ステップバイステップでやさしい設定専用ページがあるといいなと感じました。
ポイント
メーカーにこの件を報告したところ、より詳しい使用ガイド動画の更新を予定とのことで関連する記事やTIPSなどの情報も順次シェアされていくとのことでした!
まとめると、全体的にメリットの印象の方が強く、個人的に導入して本当に良かったなと感じています。Youtubeやブログ活動だけで無く、日々のデータのバックアップ等、全体的に日常のデータの扱い方がワンランクあげられるなと感じました。