今回はAmazfitの最新のタフネススマートウォッチ Amazfit T-Rex 3をレビューします。
T-RexシリーズといえばG-SHOCKライクな耐衝撃タフネススマートウォッチで、Amazfitの中でも人気の高いシリーズです。
今回のT-Rex3に関しては、一言で言うならば超ハイエンドなタフネススマートウォッチに進化しています。OpenAIをベースにした新型アシスタントZeppFlowや、ハイエンド機能のオフラインマップに対応するなど、これまでのT-Rexシリーズより明らかにスペックが上がりハイエンドラインになりました。また、スマートウォッチとしては驚きの700mAhのバッテリーを搭載し、27日のバッテリー持ちも達成するモンスタースマートウォッチに仕上がっています。
ここ最近AmazfitはGarmin、Suunto、カロスといったハイエンド帯の高級スマートウォッチ帯に挑んでいる感じが強かったんですが、今作はそれらのハイエンド市場に真っ向からぶつかるハイコスパハイエンドスマートウォッチです。
デザイン製もぐっと引き締まり、まさに男のためのタフネスギアと言わんばかりです。今回はしばらく使った感想をお伝えします。
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Amazfit T-Rex3 本体チェック オクタゴンケースでスポーティーに
Amazfit T-Rex3の本体を見ていきましょう。
まず、「アレ…何かデカくね?!」っとかんじたんですが 、それもそのはず。ケース系は前作が47.1mmだったのに対して、T-Rex3は48.5mmと1.5mmほどケース系が上がっています。いや、それはデカいはずだわ…。
後述しますが、バッテリーが700mAhと超大容量化したのも要因でしょうか?48.5mmは流石にスマートウォッチとしては最大クラスの大きさだと思います。ただGarmin、Suunto、カロスなどのスポーツハイエンドウォッチで普通に50mmだったりしますからね。
そもそも大きさがネックに感じる人はT-Rexシリーズに興味を示す事もないでしょうか?厳つい存在感でかなりインパクトはありますね。
今回のデザインで一番の特徴はオクタゴンベゼルで、これまでのタフネス一辺倒感からラグスポ的なエッセンスが入りよりスタイリッシュになりました。
ベゼルはステンレス製になっており、また縁が磨かれておりすごく高級感があるように見えるのが非常に良いです。ちょっと斜めから見たときにさり気なく縁がきらりとするのが本当にカッコいいです。
右サイドには金属製のサイドガードが前作から引き続きついています。こちらは鈍い感じの塗装がされており「amazfit」と刻印が入っています。ボタンも金属製で縁が磨かれています。
左サイドには謎のパーツがありますが、よくわかりません。T-Rexシリーズのマウンテンマークがデザインされています。左サイドにもボタンが2つついています。後ほど操作性で見ていきますが、T-Rexシリーズは4つのボタンを搭載するのが伝統で、画面をタッチせずともボタンだけで操作が完結できるようになっています。
背面はポリカーボネードですね。センサー部分がガラスになっています。
ベルトはリキットシリコンです。かなり柔らかく伸縮性もある靭やかなストラップです。おそらく材質的には前作T-Rex2と同じだと思います。表面には地形線?をイメージしたようなランダムなパターンが入っていますね。正直ベルトはもう少し固めの材質でも良いんじゃないかな?と思います。ただし、このリキッドシリコンバンドはめちゃくちゃ着脱がし易いですね。
本体はベルトを抜いて68gと、ラバータイプのモデルとしては結構重めだと思います。ベースはタフネスミリタリー感が強いんですが、オクタゴンベゼルや特徴的なビス止めだったりでウブロなどのラグスポ系の時計のエッセンスも入っているように感じます。過去のT-Rexシリーズだと過剰なミリタリー感でちょっと子供っぽい感じもしましたが、今回のT-Rex3はシンプルにかっこよいですね。
べた褒めですが、マジで久々に来ましたね。確認したら前作T-Rex2は二年前で、フラッグシップ的な位置づけのT-Rex Ultraが間に挟まっておりそちらのエッセンスを引き継いだモデルだと感じます。
かっこよさに関しては個人的に100点をつけても良いと思っています。ただ、ベルトに関してはamazfitもう少し質感が欲しかったかなと思います。
GarminやSunntoもなんですが、重くなるのを嫌いベルトは軽量なものを選ぶ傾向があるんです。それもいいとは思うんですが、ベルトの質感は満足感に直結すると個人的に思っています。フルオロラバーのバンドにすれば120点でした。
ツール付属でストラップ交換が簡単に!
ベルトについて今回驚いたのは、交換用のストラップアタッチメントと交換用ツールが付属している点です。T-Rexシリーズはバンド取り付け部分の形状が特殊で通常のストレートタイプのバンドが装着できません。なので、サードパーティーが出している専用のアタッチメントを使って交換していたんですが、まさか公式がそれを入れてくるとは思いませんでした。
T-Rexは取り付け部分も特殊なネジ穴で閉められており、これを回すための工具も入っています。長いピン棒と蓋ネジで止まっています。反対側を抑えながら回すと外れます。取り外すと、ベルト自体がコの字になっており特殊なバンドなのがわかりますね。アタッチメント部分の取り付け幅は22mmっぽいですね。ただ取り付け部分が若干浅いため、分厚いバンドは取り付けられないかもですね。
わざわざコストがかかるこういった嬉しい要素を入れてくれましたが、今回のT-Rex3は何かAmazfitの本気感を感じますね。先ほどベルトに言及しましたが、メタルストラップやファブリックベルトを自分で選んで付け替えられるのでこれはマジで良いです。
1.5インチ 2000nitの大型ディスプレイ
ディスプレイは1.5インチと非常に大きいディスプレイを搭載しています。前作T-Rex2とUltraが1.39インチだったのでかなりサイズアップしています。本体チェックでも伝えましたが、T-Rex3がやけに大きく感じるのは直径とディスプレイサイズがかなりアップしたからでしょう。
解像度は縦横480pxでとても高精細になっています。またピーク輝度が2000nitとスマホ並みの明るさに到達しており屋外での視認性もかなり向上しています。
フェイスストアがいつのまにか解禁されている
Amazfitはちょっと前からウォッチフェイスストアを解禁していますね。有料のものも並んでいるのでフェイスの数はかなりの数になっていると思います。かなり賑やかな一方で、有料無料がカテゴライズされておらず混在して並んでいます。この状態だと分かりづらいんですが、リストの右上を押すと無料のフェイスが優先的な並びます。
たぶん無料のものだけで200種類はありますかね。過去に収録されたものも多いですが豊富なデザインから選べます。有料も含めると一体どんぐらいあるんですかね?かなりの数になってるのでもうすこしストアページをわかりやすくカテゴライズし、検索機能もあった方が良いなと思います。
前述した通り、本体デザインがラグスポ的な雰囲気もあるので、ミリタリーアウトドア系以外にもクラシカルなデザインも以外にバッチリハマります。
ナイトディスプレイがかっこいい
これはZeppOS4の機能なので、おそらく他の機種にもあると思いますが、ナイトディスプレイを有効にすると赤/緑/オレンジの三色から選択して単色表示が出来ます。夜間の視認性向上を目的とした機能ですがT-Rex3の本体デザインにやけにマッチしており、まさにミリタリーウォッチの夜光状態のようです。スケジューラー設定で自動でON/OFFする事もできます。
ナイトディスプレイモードだとウォッチフェイスのデザインの見え方もガラリと変わるのでいろいろなフェイスで試してみたくなります。
AOD 自動ONが使いやすい
もちろんAODも使えます。ZeppOS4.0体と思いますが、AODのスケジュール機能の他、自動ONという項目も追加になりました。これは就寝時と非着用時はAODを使わず、着用している期間と日中起きている時間のみAODを有効化する機能です。
確かに会社で働いているときなどは外している事が多く、その間はAODは使わないためそちらの方がバッテリーライフは長く使えます。置き時計的に使う場合は通常のAODスケジュールを使えば良いので、この選択ができるのは凄く親切だと思いました。
T-Rex3の動作感とZeppOS 4.0
動作感を見ていきましょう。OSは最新のZeppOS4.0を搭載しています。動作感はスルスルとしており非常に快適です。これまでGarminとSuuntoのスマートウォッチも見てきましたが、動作感の良さはAmazfitのほうが優れていると思います。
それらスポーツ系スマートウォッチを触ってきた人にこそ触れてみてほしいと思う動作感をしています。この辺はヨドバシなどにもAmazfitとGarminのスマートウォッチは並んで展示されていると思うので是非とも手に取って体験してみてほしいです。
T-Rexシリーズ伝統の4つのボタンで全ての操作ができるように設計されています。右側のボタンが決定と戻る、左側のボタンが上下という割当です。グローブ装着時や水回りでの操作が可能な設計になっています。
一方、伝統的にT-Rexシリーズはボタンが多いのでやや操作が複雑に感じてしまうかもしれませんね。
Amazfit 自慢のZeppOSはつねにアップデートを重ねされていたので、いつのまにかかなりハイエンドなUIに進化していますね。もともとは超シンプルで軽量だったんですが、多機能になった事で若干複雑になっています。
もちろんシンプルさは損なわれていないんですが、UIとして階層が深くなったように思います。この辺の多機能さもライバルであるGarminを思いっきり意識しているんだろうなと感じます。
Garminスマートウォッチを触った事がある人ならばそのUIの複雑さは知るところだと思いますが、Amazfitはそれをしっかりと整理した上でUI的な一貫性を保ちながら進化しています。というわけで昔からのamazfitユーザーならやや複雑になってきてるなーとは思いつつ、ライバル製品と比べると圧倒的に使いやすいのが特徴です。
Zeppflow chat-GPTベースのAIアシスタント
スマートウォッチの音声アシストといえばAlexaっていうイメージがあるんですが、実はAmazon側でAlexaの開発がかなり遅れています。不採算事業として整理される可能性もありそうな感じです。
そんな背景もあり登場したのがZeppflowでしょうか?Chat-GPT4oをベースにした次世代アシスタントです。AlexaではAlexaホームと連携したIoT制御などが便利でしたが、スマートウォッチとの連携がいまいちでした。
一方Zeppflowはスマートウォッチ制御とも親和性が高く、音声で本体を色々操作が可能です。
例えば、Lineを受信した際に、Zeppflowに返信をさせることや、本体の設定自体を変更したりとこれまでAlexaでは難しかったZeppOS側の連携が強化されました。Amazfit T-Rex3にマイクだけが搭載されているのはこのZeppflowを操作するためでしょう。
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音楽ストレージ機能
T-Rexシリーズにはスピーカーは搭載されていません。これは過去のシリーズからそうなんですが、今回ストレージ機能は搭載されています。
また、BTイヤホンも接続出来るので、スマートウォッチとイヤホンだけで音楽を楽しむ事が出来ます。正直、スピーカー機能はいらないのでBT接続さえ出来れば全然問題ないです。
重たいスマホを持ち歩かなくとも音楽を楽しみながらワークアウトが可能です。mp3一曲おくるのに大体30秒ぐらいかかると思うので、転送速度は結構遅めです。
バッテリー 脅威の27日持ち
バッテリーはスマートウォッチとしては驚きの700mAhを搭載します。700mAhってやばくないですか?500mAh程度あれば大容量だなーと思う容量なんですが、700mAhはさすがに初めてみた数字ですね。
超大容量のバッテリー容量のおかげで、バッテリー持ちは脅威の27日間を謳います。バッテリー持ちに関しては色々条件があった上で27日となっていますが、睡眠ログやSPO2といった普段使わない人も多いであろう機能を絞れば十分それに近しいバッテリー持ちになりそうです。
各種ヘルスケア項目は全てON、ウォーキングの自動検出、かつAODを自動設定にしたうえで、諸々検証のため比較的ヘビーに使ってみました。その結果、検証開始から4日の時点で残量53%となりました。普通にAODを使っていながらの消費としては異様にバッテリーライフが長いと思います。ヘルスケア・ワークアウトその他検証とかなりハードに使ったんですが実用的なレベルで消費になりました。
たぶんここ最近見たスマートウォッチの中でもバッテリー持ちは1番だと言ってしまって良いと思います。とにかく700mAhの物理的な容量の安心感が違いますね。
充電器がセパレートに
今回一番うれしかったのはついに充電器がセパレートタイプになったことです。台座にUSB-Cで接続するタイプになりましたが、全てのスマートウォッチこのタイプになってほしいです。
Amazfitの充電器はこれまでマグネットケーブルタイプで、しかも世代が変わると端子部分が変わるのでどれがどれだかわからなくなるし、ケーブルが凄く邪魔なんです。しかもUSB-Aのケーブルがほとんどで最近のチャージャーだとAタイプがなかったりするんで本当に煩わしかったんです。
セパレートタイプであればさっとUSB-Cで充電ができるのと、ケーブルが邪魔にならないのでマジで今後Amazfitはこのチャージャーに統一お願いします!
ワークアウト周り
追加アプリでトレーニングを拡張
最近、Amazfitのアプリストアはかなり活発になっているんですが、ZeppOS3.5あたりから、個々のワークアウトに対して、最大4つまで独自のアプリを追加できるようになっています。
設定画面→その他→データページがそれにあたります。その画面からトレーニング中に追加表示するアプリを選択できます。
こういった機能はGarminが先行して実装しており、それがワークアウトユーザーには好評なんですが、まさにそれに対抗するような機能性ですね。 数もかなり増えてきており、今後に期待ができます。
1点、アプリストア側の説明がかなり簡素だったり、画面UIの詳細が無かったりと、ストア画面のクオリティがまだ追いついていませんね。
一般的な開発者がアップしたアプリも多いのでストア側でそういった情報をもうすこし詳細を入れるようにしてほしいですね。
オフラインマップ表示が可能
T-Rex3の目玉機能としてはオフラインマップに対応した点です。オフラインマップはamazfitの中でも高級ラインで搭載する機能で、過去にはCheetah、Balance、Falcon、T-RexUltraなどの高級機に搭載さています。
あらかじめアプリから地図のエリアを選択肢、地図データをWiFi経由でダウンロードする必要があります。マップはベースマップ・スキーマップ・コンターマップをダウンロード可能です。
コンターマップは登山やトレイルランニングなどで使用する、等高線が表示されたマップですかね。
スキーマップでは世界10,000箇所以上のゲレンデに対応し、ウォッチ上でスキー場のコースを表示するマップという事ですが、日本のスキー場にも対応しているようで、ローカルなエリアでもしっかりとコースが表示されています。
地図は単体での表示や、ワークアウト中に標準させる事も可能です。
ヘルスケア周り
ヘルスケア周りを観ていきましょう。基本的な項目として心拍数、血中酸素濃度、睡眠、ストレスこの4つは全て自動で測定可能です。
これらのヘルスケアデータをもとに、Amazfit独自の健康指標を提供してくれます。
レディネス
レディネスはAmazfit Balanceから追加された新機能で、メンタルの回復を可視化し、値を可視化してくれます。睡眠や日々のアクティビティで値が変化します。メンタル版のボディバッテリー的な機能ですね。
PAI
PAIはAmazfitおなじみの健康指標ですね。レディネスがメンタル面ならばPAIは活動をベースに可視化する機能です。PAIの基準値はかなりハードル高めで、普段あまり運動をしないユーザーにはかなりハードル高めですが、以外と日々の生活のなかでのウォーキングとかでもスコアになるため、ワークアウトの自動検出も活用するとスコアをつけられるでしょう。
睡眠ログ
睡眠ログはレディネスの基礎スコアにもなるので非常に重要です。アプリもいつのまにか睡眠ログのタブが独立しています。
睡眠ログに関してはZeppAuraというサブスク型のサービスもありますが、月額1300円とかなり強気ながら思ったよりサービス内容がまだまだな気がします。一応お試し期間で使うこともできるので気になる方は実際に試してみましょう。
無料でもある程度の機能は使えます。例えば睡眠に関してAIチャットで、改善方法をなどのアドバイスを聞く事も出来ます。最近わたし睡眠障害を思いっきりなってるようで、睡眠ログがかなり不安です。
その日のデータを検証してみると、毎回睡眠時無呼吸症候群のおそれが高いと出ています。いやマジで絶対そうなんです…。睡眠障害を持ってる私からすると可視化できる反面、アドバイスがなかなか興味深い内容です。
睡眠ログに関しては現在もっとも充実しているのはAmazfitといっていいでしょう。睡眠ログを使いたい人は必見です。
その他細かい機能ざっと紹介
最後に細かい機能はざっと見ていきます。タフネススマートウォッチなのでアウトドア機能も充実しています。コンパス機能や高度気圧計も搭載しています。登山中のSpO2アラートにも対応しているようです。
アラームはアプリから設定可能です。アラームは上限数がわかりませんがすくなくとも10個以上登録可能なようですね。カウントダウン・ストップウォッチはバックグラウンドでも動作可能なタイプです。
カレンダーはスマホのシステムカレンダーと同期可能です。
会員カードはバーコードを登録する機能ですね。アプリから追加可能です。
音声メモは録音後、スマートフォンに転送可能ですが、ショートカット起動が出来ないのと、バックグラウンド録音が出来ませんのでパワハラ対策には不向きです。
Amazfit T-Rex3 まとめ
最後にまとめると、今回のT-Rex3はこれまでのシリーズと比べよりハイエンド帯に食い込んでいると感じました。Amazfit FalconやT-Rex Ultraといったハイエンドシリーズの系譜だと思います。つまりその辺が価格にも出ているわけで、正直これまでのT-Rexシリーズと比較すると結構高いです。
今期のAmazfitではこれまでのシリーズとは違う廉価グレードのActiveシリーズを展開していましたが、これまでのメインシリーズをハイエンドとし、それとは差別化するたまにActiveシリーズを出したんだなと今回わかりました。
つまり、今回のT-Rex3はレビューの中でも言及しているGarmin、Suunto、カロスといったスポーツハイエンドスマートウォッチとぶつけるためのプロダクトだと個人的に感じました。
比べるのはそういった価格帯のスマートウォッチと比較することになります。Amazfit側の我々の方が機能性もコスト面も優れている!というのを証明したいという意気込みすら感じ取れます。
なので、今回はとくにそういったハイエンド帯を使い続けているユーザーにこそ手に取ってほしいですね。正直、GarminとSuuntoに関して言えば、まじで並ぶぐらいの機能性はあると私自身感じています。
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